ガラパゴスで調査中のダーウィンが、漠然とではあっても、このような進化理論の存立可能性を予期していたことは否定できません。聖書の創世記を否定する危ない思想です。書きつけることは危ない。うっかり口に出すことも危ないでしょう。実際、ガラパゴスでの観察ノートには進化論的思想の片鱗もありません。
たしかにガラパゴスの海イグアナと陸イグアナの形体は似ているが生態はかなり違う。一方は海で暮らし、他方は陸で暮らしています。何万年か前には共通の祖先から分かれたのかもしれない。当時のダーウィンもそのくらいは考えたでしょう。しかし、すべての生物のすべての過去に適用すべき進化論は思いつかない。そこで思考が止まってしまうのが当時の博物学者だったでしょう。
地球にこのような多種多様の動物や植物がにぎやかに生息している謎。生物を分類すると、非常に似ているものも多く、また全然似ていないものはさらに多い、という事実。これらの事実は何を意味するのか?聖書の創世記は間違っているのではないか、という疑問。
その答えを博物学は知らない。未知の何かがある。観察記録を編集していた長い時間のある時から、ダーウィンにはその答えが浮かんできたのでしょう。
地球生物の過去を我々は知りません。目の前には見えません。しかし、過去があったことは確かでしょう。数十億年の過去。未知の過去です。
現在を形作った未知の過去があり、私たちはそれを知らないが、現生生物の分類学的系統関係、化石、そしてなによりもDNAの系統図に全生物の過去はしっかりと刻み込まれているはずです。ダーウィンから百数十年たった現在、私たちは進化論を確信し全生物の系統図を持っています。しかしその系統図の根元がどうなっているのか、生物の根幹はまだ分からない。未知のそれを調べることが、これからの科学の大きな課題です。
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