ローマ帝国の栄養補給システムは、農耕牧畜による食糧生産と都市商工市民の維持、徴税による軍隊と貴族・官僚層の維持に依存していました。技術発展により農耕牧畜の生産性があがり地方が豊かになり、商業交易が発達すれば、地方が中央に従属するメリットは小さくなります。軍隊・官僚は上層部からの管理が緩くなれば自然とアウトソーシング、下請け孫請け体制になり、傭兵や外人部隊が大半を占めるようになります。各地で外人部隊がクーデターを起こし地方政権を樹立するのは時間の問題でしょう。帝国に隣接する野蛮人部族は国境を越えて不法移民し、豊かな経済の恩恵にあずかるための大移動が起こることも当然でしょう。こうしてローマ帝国は、大成功し巨大化して大繁栄したが故に、崩壊したとみることができます。
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