五世紀のローマ帝国はキリスト教が浸透した宗教大国でもあったので、異教徒に侵略されたことはエリート・知識人にとって信仰上のショックでもありました。当時の文筆家は、フンの侵略を神の鞭(Flagellum Dei)、と表現しています。この恐怖の記憶がヨーロッパでは後世の歴史家に引き継がれて「ローマ帝国滅亡の始まりはフンの侵略にある」との通説が作られたと推測できます。
拝読ブログ:
世界史フラッシュの名作「ローマの鍵」シリーズ
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『2016年ボスの旅』 ⑨「悦楽の園」その㈡ 「右翼パネル」 地獄 5/6
この世の崩壊は「フンの侵略」による、とヨーロッパ人の意識の底にあるのですね。ボスの描く「世界の崩壊像」にも関係しているのですね。