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おそるべしッツ!インド🇮🇳エピソードその4アグラ編

2020-01-07 04:47:05 | 旅行

                     【 空港会社】  シンガポールエアライン

                     【  旅程  】ソウル→シンガポール(ファースト)1泊→マレーシア10泊→シンガポー                  ル1泊→デリー(ファーストスイート)1泊→アグラ4泊→デリー1泊→シンガポール(ファーストスイート)→ソウル(ファースト)→FUK

                    【  ホテル  】( シンガポール )  リバーサイド2泊  (  クアラルンプール )フォーシーズンズ3泊    セントレジス    3泊  バンヤンツリー 4泊      (  デリー )    ホリディイン  エアポート    2泊        (アグラ  )ダブルツリーヒルトン4泊

 

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     エピソードその4

 シンガポール空港のスイートクラスは夢のようなひと時だった〜。

スイートクラスラウンジはドンペリもロブスターもチョコレートも好きに注文できて、

人生でおそらく初めてチヤホヤされて、ウットリ放心状態で降り立ったのは

…デリーだった。

ウチらは気を引き締めた。

MRTでデリーまで行って、アグラ行きの電車のチケットを買わなければならなかったからだ。

ネット情報によれば、10人中8人はまんまとインド人の手中にはまり、

旅行会社に連れて行かれて、高額なアグラツアーを売りつけられる、とか。

デリー駅まで行って、とにかく駅二階の外国人専用切符売り場までたどり着けば何とかなるらしい。

まずMRTデリー駅から電車の出るデリー駅に徒歩で行って

駅東口から西口に通り抜けて二階に上がって、外国人専用切符売り場を一目散に目指さなければならない。

下調べは十分にした。メトロ駅から目的地までの道順、地図、写真も下調べ済み。

MRT駅からデリー駅には居並ぶリクシャのお兄さんの手を払いのけ難なく2〜3分でたどり着いた。

だが駅東口から西口に通り抜けるのに、どの通路にもインド人が立っていた。

日本人と見るや通せんぼのお兄さんが、ここは通れないから案内する、

って言うからついて行くと、旅行会社に案内出来るリクシャのお兄さんが待ってる。

あら、ご親切に…って、アホか!

やっと通れる通路に出るとインド人の駅員みたいなヤツが、荷物検査をして、

「ここは切符を持っている人しか通れない」と道案内をしてくれた。

ついて行くとリクシャのお兄さんが待ってる。

このやり取りを3度ほど繰り返して、もういい、ってキレて駅の外回りの道に行って、

陸橋の階段や坂道を上り下りして40分くらいかけて

やっと外国人専用切符売り場にたどり着いた。

辿り着きさえすれば…

ドアの前に役人っぽいヤツが立ってて、パスポートを出すように言い、

パスポートを見ながらどこに行くか聞いてきた。

先客の日本人もいた。

アグラ、と答えると 

「今日来てアグラ行きが取れると思ったのか?」

と呆れた顔で聞いた。ヘッ、アグラで今日泊まるホテルを予約してんのに………

呆然としてると

「ニューデリー駅から出るアグラ行きならあるかもしれない、から一階の68番の窓口に行きなさい」

仕方なく68番窓口とやらに行くと、インド人のお兄さんがいて、

ここでは今日は売り切れだが、直接ニューデリー駅に行って買いなさい、案内してあげるから、と。

ついて行くとリクシャのお兄さん。

まあ、アグラ行き電車はニューデリー駅からも出てる事は調べてたので仕方ないか、と

ナンが府に落ちないけど、成り行き上

「500ルピー」「何を言う100だ」と一悶着して、着いたのは旅行会社だった。

お、おそるべしッツ!インド人!

私にはないッと思ってたのに…連れて来られるんだ〜〜!旅行会社。

…………なんて感心してる場合じゃない!

白人のイケメンのお兄さんがツアーを勧めてきた。

「えー、(まんまとここに連れて来られたマヌケな)オネーサン〜、よーこそ〜、

アグラ行きのツアーなら1泊2日でホテルも付いて、

あなたにだけ特別、な、なんと!たったの8万円! 」

   「まあ、ステキ、私にだけ特別に? 

でも残念、ホテルとってるからツアーには行けないのよ。電車で行くからいいわ」 

   「ま、ま、待って、モチロン電車、今日行きたいなら、ここでしか取れないよ!

そうだな、君のために特別に一番良い電車をたったの8万円でとってあげよう」

「まあ、安い、たったの8万円!(ってか、何でさっきのホテル付きツアーと同じ値段なんだよ)

じゃ、せっかくだからお願いしようかな〜」 

  ………   ってなるかよ、💢

…このクソ外人野郎!日本人をなめんなよ。

さっさと元の駅に戻せ、金なんか1ルピーも払わんからな、

大ゲンカしてリクシャに乗り込む。困り果ててるリクシャのお兄さんに

「今なら駅まで戻れば200ルピー払ってやる」と言うと

お兄さんはこちらに分がある、と鼻がきいたらしくリクシャにエンジンかけた。

追いかけてくるガイジン。

ガイジンは息を切らしながら走ってきて、わざわざスマホの翻訳画面を出して

「オマエみたいな観光客は初めてだ、、」と。

ハラたつ〜、

「バカやろー、テメエこそ人の時間何してくれちゃってるんだー、このカス〜!」

走り出すリクシャから身を乗り出してすったもんだ罵倒し合いながら

元の外国人窓口へ戻った。まったくなんてヤツらだろう。

ここで午前中潰したらその日のうちにアグラにたどり着けないかもしれないのに。

再度外国人切符売り場に行って、今度はドアを開けて中に入ると普通に切符を売っていた。

普通とは言っても切符を買うのに1人30分〜1時間程かかっていた。

はあ〜😩なんじゃ、このエラそうなおばはんは…

他のスタッフと大声で怒鳴り合いの喧嘩始めたり、

お茶入れたり。インドはこれでよく社会がまわるなぁ、

一人分の切符発券するのに日本だったら5、60人は行けてるな。

何度ケンカする?お願い、仕事して…。

ヤキモキしてる私にさっきの日本人が声をかけてきた。

「ゆっくりですね、インドは」

「ホント、今日着けるか心配で」

私達は日本語で散々インドの悪口で盛り上がった。

この人は2度、旅行会社に連れていかれたそうだ。

ウチらの番が来て、時間はかかったけどすんなり

今日のアグラ行きと帰り4日後の切符も買えた。

往復一等で1人2千円ほど。先の外人野郎何十倍もふっかけてやがって💢

ただし人口世界一多い国の首都のホームなので、無駄に広くめっちゃわかりにくいし

英語も通じないし、電車は名前で探す必要があったし、先ほどの日本人の友人は8時間遅れた電車に乗ったそうだ。

タミル語放送のみだし。やっと電車に乗ればウチらの指定席にインド人が座ってるし、

アグラのホテルにたどり着いた時は全気力を使い果たして抜け殻のようになってた。

無事タージマハルにも行ったよ。うん、キレイだった。

…でもね、もうホンッと、インドはないわー!

ホントだってば〜、今度こそ(泣

 

 


おそるべしッツ!インド!エピソードその3シンガポール航空編

2020-01-07 03:58:37 | 旅行

写真  】から  飛行機内食事    シンガポール空港スイートクラスラウンジ  飛行機でもらったLALIQUEのパジャマ、皮のバッグ、アメニティ

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エピソードその3

 同じ過ちを3度も繰り返すヤツはバカだと思うよ。

ただ、        人生ってさ、何というか…ほら、あるじゃん、色々、運命とか、縁とか…

ふつーネーよッツ!

そう…ウチらが3度目の過ちをおかしたのは…

インドから戻ってずっと、あのトラウマを払拭すべく、挽回の機会をうかがっていた。

もー!あんな辛くて命がけの旅は絶対イヤッツ!

一刻も早く優雅でゴージャスで贅沢な旅の上書きを探そう!と

ファーストクラスの旅を計画したのさ!

マイル貯めてとかケチな事インドの後で言いっこなし!

行きますとも、、ああ、自腹で!上等じゃん!

早速例のノリの良い相棒に連絡する。

「行くー」         ククク、相変わらずアホなヤツ。

ま、ヤツも早急に記憶を上書き必要だろうから

サイコーのプランを組んでやらないと!

ファーストクラスで1番ゴージャスなのエディハト航空、エミレーツ航空かシンガポール航空。

ファーストスイートクラスはレジデンス(ベッド、シャワー付き)ですと。

ヤベー高い、ってとこを高くならないようにするのが旅の上級者の極意じゃ。

とは言え、東京〜シンガポール片道100万?しかもこんな高いくせに

日本のエアラインは機材もパッとしない。ただのファーストクラス。

この価格でエアバスだって。

A380機材スイートクラスでもないのに、ありえねー!

そんなこんなで旅エキスパの極意のお手本! 超激安チケット見っけ。

しかも日本のエアライン、東京シンガポール間と同等機材のファーストと、

ファーストのさらに上のスイートクラス乗り継ぎ便。

一度に4度美味しいファースト、スイートに合わせて4回も乗れる超豪華コース!

往復37万チョイ。やるじゃん、ワタシ!!!

ふふふ〜〜♪、ソウル発ファーストクラスでシンガポール到着、

なになに?乗り継ぎの機材は何とA380スイートクラス!到着地は………んッツ、んんん…デリー…

イヤ、待て、コラ!ダメダメダメ、そ、そこだけは…!

なんでなんだろう、ほか無いのは。

必死で探したよ。

なんでなんだろう、

モルディブもマレーシアもタイもアブダビもカイロもヨーロッパもオーストリアもアメリカも…

しかもインドより近いシンガポールだと片道80〜120万もする。

なんでソウル〜シンガポール〜デリーが往復37万なんだろう???

ノリの良い相棒に相談。ノリの良いヤツも流石にインドは渋る。

スイートクラスは7千円のジュースらしい〜とか

ホンモノのキャビアが出るらしい〜とか

ヤツのいやしさにつけ込んで

「今度はタージマハルだけ見てすぐ帰ろう」


………持つべきは旅ダチ。

「じゃ、行く」いいヤツだがやっぱこいつ………いやいやいや、

こうなったらオマエとは地獄の果てまで道連れだー!(泣)

なんでまたインドって、ほら、人生ってさ、何というか…

もういいよ(;_;)

 


おそるべしッツ!インド!エピソードその2  パドリナートクリヤヨガ研修編

2020-01-07 02:58:04 | 旅行






  【旅程 】 福岡→上海(乗継)→デリー1泊→リシケシュ4泊→ルドラプラヤグ1泊→パドリナート8泊→ハリドワー1泊空路ハリドワー→デリー→帰国  

【 写真】上よりリシケシュ、ホテル窓からガンジス川       パドリナーラヤン寺院(巡礼地)   ヒマラヤ山々  下 往路の山道

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      エピソードその2

もう2度と行かないと決めていた。

…人生ってさ、なんかさ、ほら、運命とか、縁とか、色々あるじゃん、

そ………多分そんな感じで、避けられないモノがあったんだろうね。

ある時私はクリヤヨガの尊敬するお師匠さま的存在のS氏から

「私が同行できるのはこれが最後かもしれないので、パドリナートへ行きませんか?」と言われた。

私は実に忘れっぽい。誰かにどんな酷い目にあわされても、ずっと恨んだり出来ない。すぐ忘れる。

ーそうは言えコトはインド。

返事をした後、多分精神だけではなく著しい抵抗のようなものが全身を巡っていたのだろう。

不安が波のように押し寄せてくる。  

      

そう言えばいた。こんな感じのバカなヤツ、

インドと言えばヤツだ!

幸せは分け合えば2倍になる、不幸は、半分に…とか言うじゃん、

  私はとても良い友に恵まれている。今まで旅行に誘って一度も断られた事がない。💓

「インドのヒマラヤに行かない!?」

「いーよ」

ほらね、ククク、やっぱりコイツ、イヤイヤイヤ、   最高の旅ダチだよ、!

前置きが長かったが、そんなこんなで行きました!

再度インド。しかもヒマラヤ麓標高3200M超えの聖地パドリナート。

日本人はヨガの修行仲間6人。外人は結構いたけど把握してないからいいや。

要はウチらのカナダ在住クリヤヨガの有名な先生が主催する18日行程のヒマラヤ、パドリナート巡礼だ。

デリーからリシケシュ〜パドリナートの聖地に赴く。

パドリナートのパドリナーラヤン寺院はヒンディ教の聖地として世界中から巡礼の民が訪れる。

私達のグループもこの地のアシュラムでヨガの研修を受講の他に、

聖地巡りやヒマラヤ、ニーラカンタン登山もオプションであったり充実した8日間を終え

その後2日かけて下山しハリドワードから空路デリーに戻り帰国というスケジュールだ。

私達日本人6人はあてがわれた一台のバスに乗り込み移動した。

デリーから車で10時間ほどでビートルズが修行したリシケシュに到着した。

ガンジス川が町の中心に流れる、聖地独自の雰囲気を持つ、ヨギの間では有名な地だ。

この地で4泊、沐浴したり、聖者を訪問したり、皆でビートルズが訪れていたというレストランに行ったり、

観光客よろしく思いがけない楽しい修行の旅をこなしていった。

部屋のベランダから上流のガンジス川の流れが見える景色の良いホテルで、あっという間に楽しい日々が過ぎた。

しあわせな時は長く続かない、などと言うが…そうなのかもしれない。

その後、高山病予防のためルトラクラヤグで1泊し、

一日12〜3時間くらいかけて車で移動して、身体をならして行くのだが、 

  結論から言うと、

ヒマラヤって、まず良い子は絶対行っちゃダメなトコ❗️

                                                         

道中の道のりと言えば……何度 命も終わりか、と、覚悟した………

ってか何でこんなんに命かけんのさーッツ!て心で叫んでた。

マジ聞いてなかったし、こんなのTVだって特撮モノだ。

撮影はしたけど、私がこんなん撮影したからって何にもならない!

車一台ギリ通る山道。舗装されてはおらず、路肩の幅スレスレの道を、

凄腕運転技術の運転者さんがえらいスピード全開で走る。

何度も崖から岩が崩れ落ちていた。崖崩れで通行止めが解除されたばかりの道もあった。

最初は歌を歌っていた修行仲間も誰も喋らなくなった。みな、崖下のはるか彼方の崖崩れ跡を見ていた。

3日間こんな調子で山道を登り、ヒマラヤの山々を拝めた時は日が陰り始めていた。

日本人でこんなとこにくるヤツ流石にウチら一行以外見かけなかった。

ネットも電話も通じない中国との国境の山奥で、

テロがあって帰りの道路が閉鎖されたとか、放射性物質が盗まれて軍隊が道路を封鎖して戻れないかも、とか、

日本人皆で力を合わせて乗り切った。

ただここまで来ると………ある種の隔離された別次元の空気を感じた。

ここでは毎日クリヤヨガの研修や、

先生に連れられてキルタン滝やバカバッドギーターが書かれたと言われるマーナー村のグーファ寺院洞窟を訪れたり、

またサンスヴァティ川辺で瞑想したりして充実したヨガライフを過ごした。

根性のないウチらはこんな状況じゃないと真面目にヨガやらないから、物凄い充実感があった。

ヒマラヤの目的のニーラカンタン山には天候がイマイチで私は登る事は出来なかったが、

ヤツは外人数人と登頂した。八月なのにベースのアシュラムも時おり小雪が降っていた。



パドリナートは特別な地に違いはなかった。

澄んだ空気、

天上の聖地では下界とは違う世界に滞在している事を知る。

この世のものとは思えぬ美しい山地での瞑想。

気持ち良く穏やかな光景での日々は、やはり人生の得難い宝物に違いはない。

 

 

 

 


おそるべしッツ!インド!エピソードその1チェンナイ編

2020-01-07 02:57:27 | 旅行

【 エアライン  】 タイ航空   福岡→バンコク(乗継)〜チェンナイ    チェンナイ エグモア駅→27Bバス終点モジフールバス       ターミナル→ポンデッセリー5日滞在→オーロヴィル7泊滞在→テェルバンナマライ4泊→マハーマリヴラム3泊→チェン   ナイ5泊→帰国

エピソードその1

3歳頃の事だと思う。近所に同じ歳くらいの女の子がいて、

私は自分の庭にあるアロエの葉の白い部分をその女の子に

「ぼっぽ(魚の意味)」と言って渡した。

「ホントに?ホントにぼっぽ?」

  何度も何度も聞き返すが最後は口に入れてアロエの苦さに大泣きして逃げて行った。

会えば何度も同じ場面を繰り返していた事を記憶している。


初めてのインドは南だった。

私には旅行に誘えば絶対断らない強い味方がいる。

私はコト旅行に関しては、その辺の下手な旅行会社社員より断然、

的確な移動手段や目的地に合わせた地理的にも価格的にも最適なホテルや

何処より安い飛行機、電車、クルーズを手配出来る。

私の手配でヤツとは方々旅をした。が、最近マンネリ化してきて、

どこを計画してもときめかなくなってきていた。

………言い訳がましいのはわかってる。

ただね、禁断のインドにたどり着くには、そんなこんなの手詰まり感もあったのよ^^;

「インド行く?」

いつものノリがない。    

「ホテルの良いのを取れば大丈夫だって……… 

 ほら、ヨガの本場だし、」撒き餌してみる。

「ホントに大丈夫かな」食いついた。   決まりだ。

……ヤツとのやりとりで、私はなぜか何度も何度も「ホントにぼっぽ?」と

アロエを口にして泣いて逃げてはまた次の日うちの庭にやってくる女の子を思い出した。

 ーー潔癖症のヤツはまだインドを知らなかった。

チェンナイからアルナチャラという聖地でアシュラムに滞在しながら

ヨガの勉強をしに行く名目でまんまとインドに釣ってはみたが、

こちとらも年間3〜8回は海外に行くツワモノだし、

とタカをくくってたのだが、よもやインドの地でトラウマになる程の手酷い敗北を味わう羽目になろうとは、

ヤツ同様、まだ知る由もなかった。

3年程前のことなので詳しく覚えてないが…

イヤ、忘れよう、忘れようと努力してきたと言ってもいい。

チェンナイからテェルマンナラマイに電車とバスを乗り継いで行ったが、

電車代が一等で確か10円〜20円程でかなり違和感を覚えた。

その違和感はこれから起こる事の恐ろしい予感だったのかもしれない。

アルナチャラはラマナ・マハルシを祀る聖地で

アシュラムには世界各国から多くのヨギが自己鍛錬に訪れる聖地だ。

だがウチらは、チェンナイから電車に乗る時点で、すでに壊れかけていた。

野良牛と野良ヤギと野良犬とあらゆる野良がつく動物と人間の混沌を掻き分け、

バスを乗り継ぎやっとたどり着いたアシュラム。

バチあたりにも程があるが、すでに食べ物を見てはウェーと胃が反乱を起こし、

潔癖症のヤツは気が狂わんばかりに部屋中の食器やタオルや床、壁を消毒しては、

衣類を一日中アイロンで煮沸し、

伝染病を引き起こす恐れのある蚊に全敵対心をあらわに緊迫の激戦を繰り広げていた。

が軍配はすぐに敵の方に上がった。

ヤツは力尽きて熱を出してその後の旅程ほぼずーっと寝込んでしまった。

4日でその地を切り上げ、とにかく場合が場合なだけにその地で一番良いホテルに滞在した。

だがどの地に行っても、有名リゾートホテルも有名観光地もクソとゴミとカラスだらけだった。

大雨のためバスが通り過ぎたあとが水で川のようになっていたり、

氾濫で迂回したり、ほうほうの体で最終的にチェンナイのリーラパレスというバカ高いホテルに篭り、

ひたすら帰国日を待ちわびる日々だった。

ネットでチェンナイで大雨が続き、投稿写真には水池にヤギの死骸や緑色の化学薬品っぽい色の泡や、

コブラなど流れてくる様子が映されていた。

が!ーそこでインドの子供達は泳いでいた。

水しぶきをあげ楽しそうにはしゃぎながら。

な、なんという逞しさ!

クソや死体や病原菌が濃い緑の泡となって澱んでいるその池で!

何と言う強靭な肉体!強靭な免疫力!おそるべしッツ!インドの子供達!                

それに比べてウチらは、………本当は弱虫(泣)              


ずっと熱を出して寝込んでいたヤツは、この時の事は殆ど覚えてないらしい。

ショックが大きかった事もあるだろうが、元々あまりモノ覚えがよいタイプではない(^^)    

  ただ、頭は悪くても身体は違くて、この旅行以来インドと聞くと拒否反応を起こした。

そうそう、しかも洪水で空港閉鎖され帰国便があわや欠航のヤキモキしたおまけまで食らった。

インドから日本に戻れた時は、まるで五次元にアセンションしたかのような幸福感と安堵感に浸っていた。

そして2人の旅ダチは「二度と行くかッツ!」と固い決意をしたのは言うまでもない。