イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

本はめぐる

2005-07-07 20:36:50 | Weblog


今日は午後から雷雨になった。こういう日はのんびり本を読んだりするのにちょうどいい。

休み前にまわってきた小説を開いて、久しぶりにゆっくりした時間を過ごした。

僕たちの間ではこのところ本をまわすのがはやっていて、ちょうど図書館のカードみたいなメモに最初の持ち主の名前と返してほしい時期(たとえば卒業までに、とか夏休みの終わりまで、とか)を書いてはさんでおく。借りた人は次々とそのカードに自分の名前と読み終わった日付を加えていく。そのとき一言感想とか書いてもいい。ぜんぜん知らない人のがまわってくることもあるし、意外な人が意外な本を持っていたりするのがわかって結構おもしろい。図書館の本と違うのは、最初に誰か身近な人が買って「面白い」って思った本だってことだ。いざ読んでみるとたしかに面白かったり、意外と難しかったり、ぜんぜん趣味があわなかったりするんだけど、普段みることのできない友人たちの一面がみえるようで、なんだか何倍も楽しい気がするんだ。

阪田君と買い物

2005-07-06 19:00:48 | Weblog


図書館のバイトの後、阪田君と買い物をした。実は昨日電話があったんだけど、家庭教師の日だったから今日にしてもらったんだ。僕はてっきり本とかDVDとか、そういうものを買うんだと思ったんだけど、「洋服を買いたいからついてきて!」って言われたので正直びっくりした。

悪口のつもりじゃないけれど、阪田君といったら普段は必ず白衣を着て、茶色っぽいサンダルを履いている姿しか思い出せない。彼は寮生なので、その格好のままで寮から現れるから、一体私服はどんなものを着ているのかもわからない。とにかくあんまり着るものにこだわるタイプじゃないのは確かだから、どういう風のふきまわしだろうとは思ったんだ。それで、好奇心も手伝ってついていくことにしたわけ。

あんまり高い服だと金がないっていうし、とりあえず駅ビルなら何かあるだろうっていうことで行ってみたわけだけど、阪田君はなんだかきょろきょろするばかりで全然立ち止まって選ぼうとしない。これじゃあ日が暮れちゃう、と思って「一体どんな服が買いたいのさ?」って聞いてみたら、「どんなっていうか、…」ってまたはっきりしない。

僕が辛抱強く待っていると、そのうち彼が語りだしたことには、今年のお盆に高校のクラスの同窓会があって、そこに着ていく服が買いたいってことだった。それなら折角だから少しイメージチェンジしたら?って僕がすすめた服は、ことごとく彼の柔らかな、しかし断固とした拒絶にあってしまった。じゃあ無難な路線でいくしかないかなあ、と思って「普通にジーンズにジャケットとか合わせたら?」と言うと、彼は驚いたように「ジーンズにジャケットって合わせられるの?」ってきいてきた。いや、僕がびっくりしちゃうよ。どうやら彼はジーンズにはTシャツかポロシャツしか合わせられないって思っていたみたいだ。

そんなわけで、夏用のジャケットと中に着るシャツと、あと靴も買ったらもう夕方で、折角だからと食事をして帰ってきたわけだけど、まるでテレビの「なんとか改造計画」みたいな一日で、ちょっと面白かった。




おえかきツール4戦目

2005-07-05 19:18:20 | Weblog
たまに使わないとせっかく覚えたのに忘れちゃいそうだから、おえかきツールをまた使ってみることにした。デジタルって色がきれいで、自分では出せないような色とか表現が簡単にできるのがすごいよね。

僕がはじめてパソコンを使って絵を描いたとき、おえかきツールにもあるけど「覆い焼き」って機能にすごく感動した。それまで、いろんなイラストで稲妻とか光とかが本当に光っているようにみえるのを見て、僕も一生懸命真似して描こうとしたんだけど、全然うまくいかなかった。それが、デジタルでこの機能をつかうとなんでもすごくきれいに光っちゃうから、もう嬉しくてしょうがなかったんだ。

上手い人なら絵の具でもなんでもそういう質感を描くことはできるだろうけど、そこまでの技術がなくてもきれいに色が塗れたり、絵が描けたりするのはやっぱり便利だし有難いなって思う。まあいつかは、鉛筆でも筆でもなんでも思い通りの絵が描けるようになりたいなあとは、密かに思っているんだけど。

裕美さんたち

2005-07-04 20:40:38 | Weblog


雨の音をきいていたらなんだかすごく眠くなっちゃって、へんな時間にうとうとしてしまった。昨日遅くまで飲んでいたから、ちょっと疲れていたかも。

路上観察部の卒業生で、裕美さんっていう人がいるんだけれど、昨日はその人の家に呼ばれていたんだ。招待されていたのは現役では3年生と、あと僕らには懐かしいOB,OGの人たち。裕美さんが用意してくれたワインと手料理に、持ち寄りの食材がたくさんあって、なんだかすごく豪華なパーティーになった。中には、「同僚のアラブ人から教わった」っていう珍しい料理を作ってくれた人もいて、男性なんだけどプロみたいな包丁さばきでびっくりした。裕美さんたちは僕らが1年生の頃の3年生だから、下級生の頃に戻ったみたいでなんだかとても懐かしくて居心地がいい。仕事の話をきいたり、今のクラブのことや夏の合宿のこと、最近読んだ本や聴いた音楽のことを話したり、卒論でどの教授につくべきかなんて相談したり、昨日は選挙の投票日だったからそんな話まで、いつまでも話はつきなくて、気がついたらすっかり遅くなってしまった。

そういえば学生の頃から裕美さんはいつもニコニコしながら僕らの話をきいてくれて、彼女が部室にいるとみんなすごく安心していつまでも居座っていたような気がする。他の卒業生も含めて、学生の頃とそういう雰囲気が全然変わっていなくて、なんだかとても嬉しかった。

アニタの絵

2005-07-03 04:14:56 | Weblog


この前、路観のミーティングの帰りに定食屋に寄ったときの事を書いていなかったっけ。実は書くのにちょっと勇気が必要だったんだけどね。

僕たちが食事していたら、ちょうどそこに入ってきたのが同じ大学の面子だった。といっても、この店の客といえばうちか、隣の大学の学生がほとんどなわけだけれど。その中の1人が僕に声をかけてきたので振り向いたら、それがアニタって子だった。

その名前は本名なのかニックネームなのかしらないけど、彼女はいわゆる帰国子女で、本当ならあんまり僕とは接点がない。たまたま去年の学園祭でポスター貼りをしている時に、僕の描いた絵を見て声をかけてきたのが彼女だった。なんていうか、共通の趣味があるとこういう風につながりができてくるのが面白い。

アニタは僕よりずっと本格的に絵をやっていて、風景とか静物なんかをスケッチしても大層うまいので、休み前に会った時に、例によって秀虎の似顔絵をリクエストしておいたんだ。実は坂田君に描いてもらってから、絵のうまい友人に会うごとに同じリクエストをしていて、これが最近の僕のちょっとした遊びになっている。ちなみにこの遊びには、本人や写真を見ないで印象と記憶だけで描くっていう、僕が決めたローカルルールがある。

それで、ちょうど僕を見つけたアニタは、出来上がった絵を見せてくれたわけなんだけど。それが実に、…って僕がいろいろ言うより見てもらったほうがいいよね。



僕はこれを見てひっくり返りそうになったんだけど、本人を知らない皆にその気持ちを理解してもらうのは難しいかな。アニタの絵のうまいのにもびっくりしたけど、彼女からみた秀虎がこうだっていうのにもなんだか驚いた。似ているかどうかって言われたら似ていると思う。居合わせた路観の連中もこれを見て大騒ぎになったんだけど、その騒ぎの内容も説明しにくい。怖いけどそこが似てるっていう奴もいれば、男前すぎるっていう奴もいるし、そもそもアニタ本人と描いた絵のイメージにギャップがありぎるって言う奴もいる、っていう具合だ。

さらに(僕にとって)恐ろしいことに、彼女はもう一枚絵を仕上げていてくれた。…お察しの通り、僕の顔だそうだ。これについては、もうノーコメントで勘弁してね。似ているかどうかとか、そんなこと僕自身じゃよくわからないもの。でもなんだか皆には怒られた。これを書いている間も実はちょっと動揺しているので、今日はこのへんでアデュー。



命名おはぎ

2005-07-02 10:37:00 | Weblog


土曜の朝に電話なんて珍しい、と思ったら華子からだった。なんだか声が浮き立っている。話をきくと、例の豆柴の子犬を本当に飼うことになったらしい。どうやって両親を説得したのか知らないけど、僕としては嬉しいことだから素直に良かったね、と言った。

「それでね、名前をつけようと思うんだけど」
そりゃそうだね。それを僕に相談してくるなんて、華子も結構可愛いところがあるなあと思ったら、
「おはぎと白玉、どっちがいいと思う?」
と聞いてきた。
え?おはぎとしらたま?子犬の名前だろ、ときくとケロッとした声でそうよ、という。どういうセンスだよと思うけど、華子は僕の抗議なんかてんで聞いちゃいなかった。しまいには「きなこ」とか「すあま」とか言い出して、…それって全部自分の好きな和菓子じゃないか。わが妹ながら何を考えているんだか全然わからない。

結局ひとりで散々盛り上がってから、「やっぱりおはぎにするね!」と言って電話は切れた。これじゃあ相手が壁でも一緒だよ、と僕はため息をつきながら、でもやっぱりちょっとペットができたのは嬉しいなあとか、そうはいってもその名前ってどうなんだとか、複雑な気持ちで受話器を置いたのだった。

本当にあったら…

2005-07-01 11:47:44 | Weblog


外は結構激しい雨が降っていて、おまけに雷も鳴っているけど、皆元気?空梅雨で水不足なのも困るから、この雨は歓迎すべきだと思うけれど、今日はまた家庭教師のバイトに行かなきゃいけないので、このままの雨あしだとちょっとだけ気が重い。

こういうときに、昔子供むけのマンガにあった「どこにでも行きたいところにいけるドア」があったらいいな、なんて思うのは結構ありがちだと思うんだけれど、僕はいつもそこで、本当に手に入ったら…って真剣に考え始めちゃう癖がある。

きっとそんなドアがあったら、特別なときだけじゃなくてきっと毎朝つかいたいと思うけど、いつもいつも学校とかバイト先の正面玄関から突然あらわれたら、さすがにまずいことが起こるんじゃないかなとか。そう考えると、あんまり人が通らないようなところに入り口を設けないといけないと思うんだけど、そんなところってあるかなあとか。考え付くのはトイレの個室とか清掃用具入れとか、でも毎日そんなところから登場するなんて一日のはじまりとしては甚だ振るわないよね。

なんて、手に入りもしないものの使い道で悩んでいてもしょうがないんだけど、結局いつも「やっぱりそんなうまい話はないよなあ」ってオチでその空想は終わってしまう。しょうがないから、もっと手堅いもので手を打とうかな。たとえば、すごく格好よくて一生使えそうな傘とか。今僕が使っているのは、とりあえずのつもりで買ったのにもう何年も使っている、いかにも間に合わせのやつだから。