イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

記憶とイメージ

2005-10-20 22:45:06 | Weblog


突然、たとえば音楽を聴いていたり、お茶を飲んでいたりする時に、何かのイメージが浮かんでくることがある。風景だったり、変わった乗り物だったり、綺麗なドレスだったり、特に傾向はないんだけど、自分でも「なんでこんなもの思いついたのかな?」と思って、なんとなくらくがきみたいにしてメモをとっておいたりする。折角だからいつかちゃんとした絵にしよう、と思うんだけど、そういうらくがきが気づいたら結構たまっちゃった。

それで、後からそういうのを見返してみると、いまだに「なんでこんな事考えたのかなあ」って思うものもあるけど、「あっ、これ見たことあるなあ」って思うものもある。僕がすっかり忘れていたような、昔見た絵とか映画とか、本の中のイメージが元になってたんだな、とあとになってわかるんだけど。

やっかいなのは、それを思いついた時には、きっかけになった元のイメージをすっかり忘れていて、まるで何もないところから自分のひらめきで生まれてきたような気がするってことだ。もちろん、たまたま偶然で、僕の思い付きが、すでにある何かと似てるなんてこともあるだろうけど、大抵のものは何か過去の記憶が蓄積されて、それぞれが結びついて、新しいものとして浮かび上がってくるような気がする。ちょうど「夢」みたいな感じで。

なんだかそう考えると、こういったイメージに限らず、いろんな意見とか発想とかが、まるで自分ひとりで考えたように思っても、知らずに随分と周囲に影響されて、形作られたりしているんじゃないかと思ってみたりもする。自分が「実感」として感じているものも、そう考えるとどこまで本当に自分の実感なのか、考えちゃうけどね。
まあ、それが人間の面白いところでもあり、可能性でもあるのかもしれない。どうせなら、気持ち良いものを記憶に刷り込んでいけるといいな。