toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「人類が火星に移住する日」 矢沢サイエンスオフィス

2015年06月14日 | 読書日記
SFではなくて、科学的に検証する本。
先日読んだ「惑星探査入門」は技術的なこと以外に政治的な内容もいろいろ書いてあったけれど、これにはそういうことには触れていない点が良い。

内容は火星の現状、移動手段、火星の環境、テラフォーミングと分けて分かりやすく説明されている。
特にテラフォーミングに関しては半分を占めて、歴史的に様々なアイデアを紹介しながら検証されていて興味深い。




技術評論社
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「ハケンアニメ」 辻村深月

2015年06月13日 | 読書日記
訳あって連続辻村深月(って選ぶのが面倒で隣にあったのを選択しただけです)。

ハケンアニメとはその期間で覇権したアニメのことらしい。

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」ほどではないけれど、説明不充分のまま物語が始まり、しかも馴染みのない業界の話なので最初は状況がよく理解できないけれど、数ページも進むとすぐに世界に入っていける。

3章+エピローグといった構成で、各章は主人公(いずれも女性)が変わりながらの連作小説のようになっている。
1章でちらっと登場したライバルが2章の主人公になり、そこで登場したアニメータが3章の主人公。
3章が物語のメインで、色々考えさせられる内容になっている。

辻村深月らしく登場人物はみんな良い人。

表紙のイラストはどれが誰だかわからないけど、左の娘が可愛いな(笑)




マガジンハウス
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「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村深月

2015年06月12日 | 読書日記
いきなり何の説明もないまま物語が進んでいく。
主人公の私はいったい誰なんだ?私と相手が話題にしているチエちゃんって??と思いながら読み進めていかないといけない。
何かが分かったところで、改めて読んでいて謎だった部分が理解できるというのがもどかしい。
個人的にはこの手法が嫌いで、最初に全部を明らかにせよとは言わないけれど、ある程度の情報を与えて欲しいところ。。

一応ミステリーとなっていて、短いプロローグに続く本の大部分を占めるみずほが主人公の第一章で事件が明らかにされ、第2章はチエミが主人公で謎解きとなる。
ラストはいかにも辻村深月らしい展開となる。

登場したとき翠ちゃんのキャラは嫌いだったけど、良い人でした。



講談社
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「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」 五十嵐貴久

2015年06月10日 | 読書日記
普通の主婦がひょんなことからバンドを組んで、ステージに立ってスモークオンザウォーターを演奏する話。

真ん中くらいまで、なんでタイトルがスモークオンザウォーターなのか分からないし、五十嵐貴久にしては詰まらないなぁと思っていたけれど、バンドを組んだところから俄然物語が面白くなってくる。
旦那の意外と思える反応や、ラストは想像通りだったけど、わかっていても面白い。
バンドやってた頃を懐かしく思いながら楽しめました。

普段はジャズしか聴かないけれど、これを読んでる間にディープ・パープルのLP3回も聴いてしまった。



双葉社
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「淵の王」 舞坂王太郎

2015年06月09日 | 読書日記
二人称の小説って、語り部は神の視点ですべてわかっているっていうパターンだど思うんだけど、この小説の語り部はいったい誰なんだ?
3章あって、それぞれ語り部も主人公も設定も別の小説のように異なるが、いずれの章も状況がイマイチ理解できない。

全体の雰囲気は京極夏彦の京極堂シリーズに似た感じで、内容はホラーっぽいけれど文章やストーリが稚拙なせいか、遠くから眺めているようでファンタジーのように感じる。



新潮社
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「君が笑えば」 小手鞠るい

2015年06月09日 | 読書日記
アメリカの鏡子の話をしていたと思ったら、突然岡山のさやかの話になる。そして次は東京の耕太・・・。時間も行ったり来たり。
こいつは誰なんだ?さっきまでの話はどうなったんだ?と混乱しながら読んでいると半分過ぎたくらいのところからようやくそれぞれの人物が徐々に関わりを持ち出していく。
分わかりにくいったらない。
ストーリ自体は可もなく不可もなくといったところ。

「いちばん近くて遠い」もそうだったけど、登場人物が誰ひとり好きになれない。
どうもこの作者とは合わないみたい。

演奏のことを「ギグ」と書いてるけど、ジャスマンの間でそんな言い方してる人見たことありません。演奏の場面は非常に嘘っぽい。

あまり趣味の良いとは思えない表紙は本文とは何の関係もない。ただタイトルをイメージしただけと思われる。
ちなみにタイトルに使われた曲は作品中の登場するけれど、特に重要な意味はもたない。




中央公論新社
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「トイレのピエタ」 松永大司

2015年06月07日 | 読書日記
冒頭、ストーリがあっちこっち行くし、どんどん新しい登場人物が出てくるので、なんの話なのかさっぱりわからなくなる。
やがて、主人公の宏と女子高生の真衣の物語になってゆく。

宏も真衣も行動原理が良くわからないけれど、だんだんに二人共根は優しい人なんだなぁと思わせるような行動を取っていく。

なんだか哲学的な内容で、一度読んだだけではよく理解できない。




文藝春秋
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「ヌエのいた家」 小谷野敦

2015年06月07日 | 読書日記
著者自身のことを書いた私小説(?)。

ヌエというのは父親のことで、現在や比較的最近のことと過去のことが交互に書いてあるので、読みにくいことこの上ない。

内容も出来事がただ書いてあるだけで面白くともなんともない。
西村賢太の作品のように読んでいて不愉快になることがないのが救い。



文藝春秋
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「ムーンリバーズを忘れない」 はらだみずき

2015年06月07日 | 読書日記
弱小チームがやがて強くなっていくという良くあるパターンの物語。
ストーリはほぼ想像どうりの展開。分かっていても楽しめる。

相変わらずこの作者お得意のサッカーネタだけど、サッカーに全く興味のない私でも面白かった。



角川春樹事務所
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「ナーダという名の少女」 角野栄子

2015年06月06日 | 読書日記
アリコがナーダという不思議な少女と知り合う。
ナーダに振り回され、段々変わってゆくアリコだが、やがて秘密が明きらかになる。

全体としてはファンタジーなんだろうけど、ナーダの周りに登場する人達が良くわからない。



角川書店
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「シロシロクビハダ」 椰月美智子

2015年06月06日 | 読書日記
前に読んだ「伶也と」がイマイチだったのであまり期待していなかったけれど、これは作風がまるで違っていて同じ作者とは思えないほど面白かった。

主人公の箱理、彼女の家族、職場の仲間はみんな個性的な人ばかりで、彼らと箱理とのやり取りが楽しい。
目の前の出来事や話の内容から、あらぬものを想像してしまう箱理の天然ぶりがとても面白い。箱理の合理的な考え方はさすがリケジョ。

彼女の祖母のヨシエさんは何故かいつも顔を白く塗っていて(それがタイトルになっている)、その謎解きが一応全体を通しての大きなテーマとなっている。



講談社
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「交渉人・籠城」 五十嵐貴久

2015年06月04日 | 読書日記
交渉人の続編。

遠野麻衣子が一人前の交渉人になって犯人に立ち向かう。
最後まで緊張感に包まれて先が気になる展開の連続はさすが。

最後の事件が起こったあとの麻衣子と戸井田のやりとりはいらない。
折角の緊張感が台無しになってしまう。
著者が少年法について言いたいことはわかるけれど・・・。



幻冬舎
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「店長がいっぱい」 山本幸久

2015年06月03日 | 読書日記
他人丼のチェーン店の店長が主人公の連作短篇集。

フランチャイズのオーナ店長、雇われ店長、そして直営店の社員と立場も場所も様々で物語も様々。
合間にたまに入るちょっとしたギャグが妙に面白かったりする。
最後に、それまで登場した人達のうちの何人かが登場してなんとか収まった感じで終わる。



光文社
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「あなたも眠れない」 山口恵以子

2015年06月03日 | 読書日記
ある事故をきっかけに不眠症になった慧子(けいこ)は、他人が眠れなくなることが想像できるときだけ眠ることが出来る。
そのため他人の秘密を調べて脅迫する。

タイトルからも、様々な人の秘密が色々暴かれる話かと思っていたら、突然殺人事件が起きてミステリーになる。
やがて次期首相候補を巻き込むような大きな話に発展していき、最後に予想もしない展開になる。
謎解きでは読んでいる最中、おかしいなと思っていた点のいくつかが、どんでん返しの伏線になっていることがわかる。

事故で絶望した慧子か度胸満点なところは設定上仕方ないけれど、日航機墜落事件とロッキード事件を下敷きにして、実際の出来事をからめた物語はリアリティがある。
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「しょうがの味は熱い」 綿矢りさ

2015年06月02日 | 読書日記
同棲しているカップル、奈世と弦が考えていることを交互に書いた非常に内省的で特にストーリらしいものが何もない小説。

一緒に収録されている「自然に、とてもスムーズに」は、その後日譚。同じスタイルを取っているけれど、ストーリ展開があって、奈世が弦にプロポーズすることから関係がおかしくなり奈世が故郷に帰るところから始まる。
やがて弦が迎えに来て元に戻るのだけれど、奈世が最初から最後まで割と一貫しているのに対し、弦の心境の変化がまるで理解できない。

どっちにしても二人共良くわからないし、楽しい小説ではない。



文藝春秋
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