■強風の中■
ゴールデン・ウィークからは、個人的な「春ヒラマサ強化期間」も折り返し点を迎えている。
いつものように日本海41さんに乗り込んで経ヶ岬沖へと向かった。とは言え、当日は南からの強風が吹き続けるので、その風に強い中浜沖での竿出しが条件だった。
中浜沖と言えば、いつもの白石グリと比較すると、どうしてもヒラマサの型が落ちてしまう。特にメーターオーバーは期待薄となるのだが、「与えられた条件の中で最善を尽くすのみ」と、自分に言い聞かせて現地へと向かった。
到着すると、そこには程よい速さで西からの潮流が差していた。
●100mあたり5分48秒●
船長の想定距離が150mだった事と周囲の水深から、発泡ウキの7番を装着することを選択し、送り出しを30mとって投入した後は100mで10mの巻き戻し、次いで150mで10mの巻き戻しを行うパターンを組み、これを当初の基本とした。
今回初参加のメンバーにもそれを伝えたが、開始数頭目に86cmのヒラマサを掛けて、無事取り込みに成功した。
そしてまたもやの65cmの小マサをゲットして大喜び、続いて、いつもの釣友も小マサをゲットした。
対してボクは一投ごとに微調整を繰り返していたが、反応したのは50cmほどのハマチが一本のみという、悲惨な状況だった。
■沈黙の後■
それでも「そのうち来るだろう。」と、高を括っていたいたが、ボクの楽観とは裏腹に開始時からのジアイは過ぎてしまった。同時にエサ盗りも出だしたので、発泡ウキで浮力を上げて行き、それは8番+7番までになったが、ヒラマサは無反応のままだった。
この時点で、潮流はやや流速を上げていたが、ラインの出具合から判断すると、どうやら上潮と底潮にズレが生じていて、2枚潮になっているように思えた。この状態で浮力を上げても上滑りした先のエサ盗りに刺しエサを盗られるだけとなって、状況が改善しないのは何度も経験済みなので、もう一度7番を1個としてやり直しを図った。
送り出しを40mとして100mと150mでそれぞれ10mの巻き戻しを行ったが、刺しエサが盗られてしまったので、送り出しを30mとして90mと140mでそれぞれ10mの巻き戻すパターンに変更した。
そして、これが正解だったようで、148mで待望の急速逆転が始まった。
●待ちに待ったヒラマサとのやり取り●
白石グリとは違って中浜沖は、水深が浅く、沈み根も多い事からやや強気のやり取りが必要になるが、それを心がけて大胆かつ慎重に引き寄せる。相手はこの地区に多い75cmクラスよりは大きそうではあったが、余裕の範囲内で危なげなくゲット。そこそこサイズの登場に胸を撫で下ろした瞬間だった。
●86cm●
■再びの沈黙■
しばらく間はあったが、続いて65cmクラスをゲットした後は再びの沈黙時間がやってきた。
探りを入れるため、再度浮力を上げたりもしたが、それに掛かったのは95cmほどのブリだった。打つ手も尽きてきた事と終盤に差し掛かった事もあって86cmを掛けたパターンに戻して粘ってみる事にした。
発泡ウキは7番を1個として、送り出しを30mとって投入し、90mと140mでそれぞれ10mの巻き戻すパターンに変更した。これで刺しエサが盗られたため、送り出しだけを10mに変更してみると、160mで何かが走ったようだが、アワセが効かず、空バリを引いてしまった。そこで同じパターンで流して、140m以降はリールのメカニカルブレーキを絞ってみる事にした。すると178mでライン徐々にスピードアップするアタリをキャッチ。このタイプのアタリは食い渋り気味の大型に多いので、注意が必要だ。
まずは、いつものようにリールのアクセルを全開にしてロッドに充分な重みが掛かったところで大アワセを入れてみた。するとファーストランが始まったが、最初の手順が幸いして既に相手の頭はこっちを向いていた。そこからは反転されるスキを作らないよう、ラインを手で引き抜いて電動リールに送り込み、徐々に距離を詰めていった。
●86cmとはチョット違う引き●
そして船下のやり取りも無事にしのいでネットイン。相手は、ここ中浜では例外を除いて最大クラスのヒラマサだった。
●97cm!●
続く最終段階での連発に期待をしたが、このヒラマサを最後に何もアタらなくなり、風が強まった事もあって、納竿の時間を迎えた。
この日、ヒラマサは同船者全員が3本ずつゲットし、意気揚々と帰港した。欲しかったメーターオーバーは出なかったものの、最善を尽くして最大級の結果が出ただけに十分満足に値する釣行だった。
●当日の釣果(二人分)●
■続いて釣行するが…■
続いて7回目。この日は別船で白石グリに向かう予定だったが、「急潮が差している。」との情報が入ったので、急潮でも攻略し易い、前回と同じ中浜に向かった。現地では前回釣行と速さ、方向、共に同様の潮が差していたのだが、なぜか小型のイサギが来るだけで埒が明かなかった。
●100mあたり5分38秒●
そこで、冠島周辺に大移動を敢行。
●小島周辺●
しかし、ここでアタるのも、サイズは大きくなったがイサギばかり。この魚は食う分には満足できても引き味は…。途中でリリースを開始したのだが、事態は一向に改善しなかった。
夕暮れに横で60cmほどの小マサがポツンと出たものの、何も盛り上がらないままにこの日の釣りが終わった。
●数人で食う分あれば充分●
たった3日で状況が激変するとは…。海の変化に振り回された一日だった。
「いい日もあれば、悪い日もある。」でも、それが交互に来ているような…。次回の8回目に期待しよう。