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北の善光寺 南の北向き観音 その1/3

2018-04-16 21:36:22 | 歴史・言い伝えを振り返って見たら
 私のこの研究は平成18年頃に行われ、平成19年9月に発行された【筑北郷土誌研究会季刊誌】6号に投稿したものであり、このような不思議なことが実際にあり、それも単に偏った考えから導かれたものでなく、現在の測定技術の発達によるGPS機器に裏打ちされたもので、一笑に付されるようなものでなく、これを元に、新たな歴史の考察に続いて行って欲しいと考え、ここに投稿をいたします。これを読まれた方々に現地を訪れていただき、長野には不思議な所も多く存在していることを実感していただき、それが観光長野の繁栄となることが私の最大の願いです。

          現代の機器を使った歴史言い伝えの再調査

 信濃の善光寺は誰でも知っています、この善光寺は信州は長野市にあり、一光三尊阿弥陀如来がご本尊であられますが、このご本尊様は絶対秘仏であるため普段は御拝観することが出来ずそのため7年に一度御開帳が開かれますが、その時もご本尊様は御開帳にはならず、ご本尊様の模倣品の前立本尊様が御開帳になられるようになっております。
 さてこの善光寺は南向きに建てられております、(普通神社仏閣は東西南北に正対し建てられているのが普通ですが)上田市の別所温泉の近くに北向きに観音様が安置されているのですが、勿論本堂も北に向かって建てられております、昔から善光寺と別所の北向観音は正しく向き合っているといわれております、そのため、善光寺だけをお参りすることは片参りと言われ、北向き観音詣でも行われてきました。
一方が南向きで他方が北向きの場合の取り合わせは無限に存在しますが、北向きと南向きが正しく向き合っている場合は地球の北極と南極を結ぶ直線、子午線すなわち同経度上に存在することになります。
善光寺と北向観音の建築されている場所を考えると、善光寺は長野市の大峰山を背にした南向きの斜面に、北向観音は塩田平の南側に聳える夫神岳並びの北斜面に建てられております、ですから必然的に善光寺は南向きに、北向観音堂は北向きに建てられています。
良く考えるとお寺の多くは南向きに建てられていて、北斜面に南向きの堂を建てるのは大変です、北斜面に盛り土をして建てなければなりません、この【信州の鎌倉】と呼ばれる塩田地区の北斜面において無理をして南向きのお堂を立てているお寺が多くあります、未完成の三重塔で有名な前山寺の本堂は南向きのため、南北に開いた参道を南に向かい登っていき、その突き当りが三重塔で、その塔の前を左折すると本堂の前に出ます。かやぶきの薬師堂で有名な中禅寺は南北の道路を南に進み右が本堂で東向きに建てられていて、当然薬師如来様は東を向いておられます、ですからこの界隈で一番楽に立てると北向きとなりますが、昔の人は信仰に絶対に手抜きをしませんから、本当に何か特別の理由があって善光寺に対し北向きに建てられたものと思います。

善光寺と北向観音が本当に南北に正対して建築されているかを調べる事にしました、この頃は大変便利な機器がありますが、今回はGPSを利用して経度と緯度を測定できる機器を使い経度、すなわち東経の度数を調べる事にしました。
このGPSとは米国が打ち上げた人工衛星群で衛星からの電波を受信し、地球上のあらゆる場所の、緯度、経度、標高を割り出すもので、精密に測定すると1ⅿ位の誤差で位置を測定できます。

さて善光寺の位置を測定することにしました。
 長野駅前のフルーツの小林の道路反対側
   東経 138度11分11.5秒
   北緯  36度38分43.2秒
 大門
   東経 138度11分14.8秒
   北緯 36度38分59.7秒
 善光寺前旅館ふじや道路反対側
   東経 138度11分15.1秒
   北緯 36度39分25.9秒
 延命地蔵前(元の善光寺本堂と言われている場所)
   東経 138度11分15.2秒
   北緯 36度39分33.0秒

 善光寺本堂入り口の真ん中
   東経138度11分15.4秒
   北緯36度39分40.1秒

以上のことにより大門からふじや、延命地蔵、善光寺本堂までの道路は東経が同じため南北に一直線ということになり、実際に本堂から長野駅方面を見ればわかります。
 次に北向観音側の測定に別所温泉に行った所、物凄い寒い日でしたが

 北向観音入り口
   東経138度09分22.4秒
   北緯36度21分02.8秒
 北向観音本堂入り口の真ん中
   東経138度09分22.6秒
   北緯36度39分40.1秒
この結果より温泉入り口の参道は南北に真っ直ぐと言う事がわかるが、これを延長していくと、善光寺参道に入るか、チョットずれている、僅か1分50秒ほど距離にして2.3㎞位か、そこで善光寺の本堂の西方面に何があるかを調べるために再度長野に向かう、県道鬼無里線の戸隠の分岐で138度09分45秒何もない、今度は善光寺の東経138度11分15.4秒が北向観音の周辺でどこに当たるかを調べるため、再度上田に向かう、我ながら段取りの悪さに苦笑した。
北向観音から東方面に車を進める、大体の見当では中禅寺界隈ではと思いながら。
 中禅寺入り口
   東経138度11分09.0秒
   北緯36度20分13.8秒
ワッもう少しと思いながら薬師堂前
   東経138度11分09.0秒
   北緯36度20分09.6秒
チョットずれていると思いながら東方を見ると、何と、何とお宮があるのではないか、これはいけるぞと思いその神社に向かう、距離にしたら100m位か、そこは
塩野神社で“しお”は昔の鹽という字で書いてある、
  入り口の鳥居前で測定
   東経138度11分13.3秒
   北緯36度20分14.3秒でした。

この神社の境内に入る、あちこちにやしろがある、一般の神社のように一列に並んではいない、善光寺に正対する東経138度11分15.4秒はどこだ、も少し東かGPSの
数値を見ながら歩く、東へ、東へ、太鼓橋を渡り 東へ・・・・拝殿前で東経138度11分15.4秒ジャスト、本殿の前で11分16.2秒、数値で見ると善光寺本殿から真南に伸ばした子午線はこの塩野神社を通過する、拝殿・本殿は西向きに建てられているのです、このような事が本当にあるのか。
このお宮の祭神は素戔嗚命、大己貴命、少名彦命である、この境内の太鼓橋を渡る手前に南北に相対して、諏方上社、下社のやしろがある、これで事代主、武御名方命と有名な神のそろい踏みである。
本殿に向かい左に6~7m離れた場所に勅使殿、拝殿につながった建物が神鎮殿で中に老若の武士が控えている。この神鎮殿前方の苔むした大きい岩の上に石創りの社が五体あり、その中央に鎮座する社が三体肩を並べるようにある、これらの社はすべて北を向いて建てられている。善光寺に対し正対している神々がこの神社の本当の神ではないだろうか。

この神社の拝殿と本殿のバランスの悪さはどうであろうか、本殿は一間社流造りで、拝殿は一間楼門造りと言われている二階建てであるが、一階と二階のバランスが悪い、一階に比べ二階が豪華すぎるのである、全体の感じはキノコというかつくしというか塔のようで、何しろ二階部分の組み物が凄く豪華なのだ、本殿は拝殿より高い位置にあり、物凄く凝った彫刻があり組み物も素晴らしいが、前方にバランスの悪い背の高い拝殿があるため、正面からは本殿が見え難いというかまるで見えない、まるで本殿を見せたくないように建てられているのだ。拝殿が二階建ての必要があるか、無いか、この豪華な拝殿の二階から本殿を見ると、少し下に見えるのではないか、このような造りはない、あるとしたら・・・この神社の本当の意味ではないだろうか。

この神社と善光寺の間にはどのような秘密があるのだろうか、この塩野神社は祭神が素戔嗚命、大己貴命 少名彦命でありそこに事代主命 武御名方命までも祀られている、これに対して善光寺は一光三尊佛と御三卿が本堂の東西に分かれ祀られ、中央には何故か四角柱がありその柱を“守屋柱”と呼んでいます、この守屋とは、あの崇仏戦争で蘇我馬子氏に敗れた物部守屋氏の事です。善光寺縁起図にあるように、物部守屋氏、聖徳太子、はこの寺に大変関係の深い人だと言わざるを得ません。誰でもお寺に来てお祈りをする時、必ず本堂の中央で拝みたくなりますが、ここでは物部守也氏が正対となるのです。
古代の人がどのような方法で南北に正対した建物を建てたか、当時どのような測量方法があったのか、鉄片(磁化された)が南北を指すことを知っていたか、北極星が真北にある事を知っていたか、もしもどちらかでも知っていたら南北に相対した建物を建てる事は可能ですが、難しいでしょうね、見当もつきません。
しかしこの神社は何かわからないが凄いと思う、あのような有名なお寺が多く信州の鎌倉と呼ばれるエリアにあり、境内もそのように広くなく、建物も大きくなく、外から見ると鎮守の森の風情であるが、そこから発せられる何かは、その辺のお宮とは完全に別物と思われる、一度は行ってそのエネルギーを感じて欲しいと思う。
この調査を終えて、インターネットで善光寺と北向き観音を検索するとご丁寧にも所在の東経・北緯が書いてあり、気の付く人ならこのお寺は相対していないと分かります、ネット上の善光寺の東経は私の調査した東経と少しずれている、これが塩野神社の何処に当たるか・・・・本殿と拝殿の間にあたると言ったら、皆さん『ゾーーっと』しませんか?
ネットで分かったのですが塩野神社はもう一つあったのです、それも調べました、次回に回します、お楽しみに!
写真はネットで善光寺と前山の塩野神社で見てください。

物を書くのが生業でないので間違いなどありましても、お許しください。



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