「日本はエネ資源が少ない国」との先入観がある。現
実はどうか? よく見ると「自然エネ資源が豊かな国」
と云う"真実"が見えて来る。水力、風力、太陽光、地
熱、森林(バイオ)の自然エネが豊富にある。今回は、
水力発電に着目し,現状や見通しにつき考察して見る。
◇日本の水力発電の現況:全体の18%を占める;
我が国には、通常の水力発電所が2,251件(2,257万
KW)と揚水式の水力発電所が44件(2,756万KW)あ
出典:agora.ex.nii.ac.jp/通常の水力発電所分布
る。上図Google Map上の青色〇が全国を埋め尽し
ている。通常水力で56万KWから1KW(揚水で193
出典:okutadami.co.jp/ 奥只見発電所ダム
万KWから2,340KW)まで並ぶ。水力発電の国だ。
水力発電が全体に占める割合は、約18%※に上る
。※:資源エネ丁の資料から著者が算出。
◇「貯めて使う」時代。揚水発電の出番が来た:
電力需要は季節や日夜によって変動する。直近の
例・・太陽光発電が増え、電力供給が電力需要を上
Mega Solar 47,692KW in 熊本県
出典:canadiansolarinfra.com/
回ると云う現象が出て、電力供給を減らす調整が求
められる時代になった。発電所側で出力を抑えるに
は、原発は困難・火力は限度あり。揚水発電の出番
だ。日本には、揚水発電所は44地点にあり、総出力
奥多々良木発電所(揚水式)193万KW
出典:denken3.com/
は2,756万KWにもなる。揚水発電が水力全体の50
%以上を占める国は、他にないのではと推測する。
規模の面でも、米国の揚水発電所出力2,286万KW
以上の規模を日本がを有する事も特異な存在だ。
◇揚水発電所の役割が変化:夜間から昼間運転へ;
電力需要が夜間に約半減するのに伴い、以前は、原
発が出す電力で揚水発電所を運転(貯水)し、昼間に
なって貯めた水を使って発電していた。最近は、太
陽光発電出力がPeakとなる昼間に揚水発電所を動か
出典:youtube.com/(原典:北電) 純揚水発電所
し、太陽光発電の電力を吸収させると云う役割に変
わって来た。今後、太陽光発電が更に増えるのに備
え、揚水発電所を増やして行く必要があるが、そこ
では、"純揚水発電"と云う新しい揚水方式が主役に
なって来るだろう(詳しくは次回、投稿予定)。