つくすの折にふれ

旅の思い出などを

初めての小笠原旅行 ②

2018-04-13 04:33:36 | 旅行
 部屋で時間調整をしているとき、大きな汽笛が聞こえました。窓から見ると、停泊していたパシフィック・ビーナスが動き出していました。出航のようです。すると、まわりを観光船が5、6隻ついて行きます。有名になっている出航見送りのようです。かなり遠方まで、乗組員が手を振りながら見送る様子を垣間見ることができました。それから、開店時刻17時30分に合わせてお店に向かいました。場所は確認していますのですぐにつきました。暖簾が出るのを見てお店に入りました。
 居酒屋ふくちゃんです。すこし暗めの照明で落ち着いた雰囲気です。とても若いお嬢さん方が働いています。カウンターの奥から3番目に座りました。まずは生ビールをいただきました。よく歩きましたので沁みるおいしさでした。セロリのような地元の野菜とお刺身の盛り合わせを頼みました。2杯目からはお酒に切り替えました。このお店では「越の景虎」と「高清水」を置いていました。高清水の燗を大徳利でいただきました。そのうちに、続々とお客さんが入ってきます。左隣には自衛隊の方が、右側には札幌から来たというお酒を飲まないお客さんが座りました。
 そのうちに何となく話すようになりました。札幌の方は、数年前に奥様を失くされた方で、なんと特等船室をシングルユースで来られたという優雅な身分の方でした。自衛隊の方とは、自分が行ったことのある呉や大湊とかの話をしました。お酒をお代わりして、マグロの燻製などをいただいてのんびり楽しみました。自衛隊の方にはお仲間が加わり、札幌の方は席を立たれましたので、自分も切り上げることにしました。料理もおいしく、お嬢さん方の接客もキビキビしていて気持ちよく呑むことができました。
 いつもの旅行では、これから飲み歩くのですが、この日はホテルへもどって、明日の観光コースの検討をすることにしたのでした。いいちこを軽くやりながら、ガイドブックやガイドマップを見て考えました。その結果、村営バスを使って行けるところを観光することに決めました。それから小笠原にいることをメル友へ報告して寝ました。
 父島2日目です。とてもいい天気です。いつもどおり4時半には目覚めましたのでさっとシャワーを浴びて身支度しました。そして、モーニングいいちこをいただいてから朝食です。そのとき大きな客船が停泊しているのに気づきました。真っ白なパシフィック・ビーナスとは違って、船体が濃い青色の船でした。船名は目を凝らしても読めませんでした。朝食は今朝も赤いきつねです。お米は特製の「焼き干し飯」です。軽く済ませてから8時前にホテルを出て小笠原丸の桟橋前のバス停「船客待合所前」に行きました。
 ベンチへ座って待っていると村営バスが通り過ぎて行ってしまいました。まだ時間前でしたので回送バスなのだろうと思って待ったのですが、なかなか来ないので若干不安な気持ちになってしまいました。でも、数分遅れでバスが来ましたので安心して乗り込みました。車内で500円の1日券を買いました。ここから南に向かって一番離れている「小港海岸」に向かいます。
 20分ほどで着きました。ここから景勝地の「中山峠展望台」まで登ります。このバス停で降りた人は5、6人いたのですが、海岸の方へ向かったようで峠へ登る人は自分だけでした。一人だとすこし不安ですが登って行きました。でも途中で下ってくる人に遭えて、一人だけではないことが分かりました。そして、15分ほどで峠に着きました。
 北方向には小港海岸、コピペ海岸が、南方向には南島、ブタ海岸がきれいに見えます。ここで、タブレットで写真を撮って、フェイスブックに投稿しました。そのうちに後続の人が登ってきました。でもその人は、ブタ海岸の方へ下って行きました。ここから20分かかります。自分は無理せずに小港海岸へ下ることに決めていました。しばらく景観を楽しんで下りました。
 小港海岸はとてもきれいな砂浜でした。海岸にはほんの数人がいるだけです。静かです。こんなとき、だれか一緒にいてくれたら、同じ景観も感じ方が違うのだろうなとなどと、余計なことを思ってしまいました。そして、となりのコピペ海岸へ向かうことにしました。ところがこのころには気温も上がってかなり暑くなってきていました。
 次の海岸へ出るのには、整備された遊歩道を行くのですが、なかなか険しい上り下りの道なのです。小さなバックに、タブレットといいちこを入れて持っていたのですが、いいちこは余計だったと思い知らされました。とても呑むことなんかできない厳しい道でした。薄い上着を羽織っていたのですが、これも余計で、大汗をかくことになり、脱ぎました。上り階段では、息が上がってすこしフラついたりしてしまいました。体力に不安を感じはじめところで、なんとかコピペ海岸へ出ることができました。
 こちらの海岸には若い女性たちのグループが水遊びしていました。この海岸まではクルマが通行できる道路があるのでした。駐車場にはバイクが何台か停まっていました。彼女たちはレンタルバイクでここまで来たようでした。自分は、街へもどるためバス停まで行かなくてはなりません。扇浦海岸というバス停まで歩いて行きました。
 この海岸もとてもきれいなところでした。何人かの観光客が、カヌーの講習を受けて、波静かな海を移動して楽しんでいました。次のバスまで40分近く待たなくてはなりません。海岸の四阿で、持っていた文庫本を取り出して時間をつぶしました。因みに本は佐伯泰英の「鎌倉河岸捕物控16・八丁堀の火事」でした。そのうちにバスが来ました。ほぼ満席の乗客が乗っていました。これで、ホテル近くまでもどりました。ちょうどお昼前の時間でした。まだ、お客が入っていないうちに昼食をとることにしました。
 港前の「ぼう家」に入りました。パッション・リキュールがありましたので、ロックでいただきながら「島魚寿司」をいただきました。漬けになった魚の握りずしでした。おいしくいただきました。これで一旦ホテルへもどりました。午後はどうしようかとガイドブックなどを広げて見ているとき、旅行社からもらったサービス券が目につきました。その中に、いま食べたぼう家さんの8%引きの券がありました。つまり消費税分がサービスされる券でした。ほんの少し損をした気がしました。
 午後は、ウミガメを飼育している「海洋センター」に行くことにしました。また、船客待合所前のバス停から乗りました。そして、海洋センター近くで降りて歩いて行きました。海洋センターには、数十人の観光客がいました。ワゴン車とマイクロバスが停まっていましたので、今朝入っていたクルーズ船のお客さんたちだったのかもしれません。その人たちといっしょになって亀を見ました。小さいものから何十歳という大きな亀までが飼育されていました。亀を育てて海へ放流している施設です。ここで、大きい亀の餌にはキャベツが使われているのを知りました。
 ひととおり見学して施設を出てバス乗り場の方へ向かったのですが、残念ながら、少し先をバスが通り過ぎていくのが見えました。ちょうどいいバスを逃してしまいました。次のバスを待とうかとも思ったのですが、バスを待つのにいいロケーションでもないので、歩いて街までもどることにしました。30分ほど歩いてホテル近くまでもどりました。
 まだ15時前です。何をするか考えたのですが、もう少し見物しようと思いました。街からすこし離れた夕日のスポットまで行くことにしました。父島の北部にある「三日月山」にある「ウェザー・ステーション展望台」です。ただ残念ながら空は曇り空に変わっています。
 それでも一度決めたのだからと、勾配のきつい道路を上って行きました。上へ行くにしたがって「砲台跡」とかが残されています。この島は戦場にはならなかったのですが、こういう軍事施設が作られていたのを知りました。そして、その展望台につきました。残念ながら曇ってしまったので、海の色はグレーです。でもなかなかの眺めです。シーズンのときには、クジラのブロウやブリーチングが見られるとのことでした。
 しばらくいて下ることにしました。そこへ携帯に電話が入りました。野田市からの同窓会関係の問合せでした。小笠原から対応しているのを申し訳ないように感じました。下りは、当然ながらラクで早く街まで降りられました。そして農協の直売所で、船客にサービスされる記念品をいただきました。タバスコを意識した辛味調味料「オガスコ」と「島ラー油」のセットでした。試供品ではなく製品のようでトクした気分になりました。ただもらうだけでは申し訳ないので、小笠原産のパッションフルーツを使ったチューハイを買いました。また、スーパーではカップ麺を買ってホテルへもどりました。
 (つづく)


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