月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

スロープのはなし

2017年09月12日 01時39分14秒 | ふうわりふわり(坊守日記)


ご近所のご門徒Tさんが、お散歩の途中でお寺に寄ってくださいました

ヘルパーさんの介助で車椅子でのお散歩です

本堂に上がっていただくように勧めても
「パジャマのまま上るわけにはいかん」と遠慮されます

せっかく車椅子で上がれるようにスロープもあるんですから!どうぞ!どうぞ!

とご案内して上がっていただきました

尊前に座られたTさんは、何度も何度も

「きれいなもんだな〜、きれいなもんたな〜」

とおっしゃられていました

きついお仕事で曲がってしまった指を合わせてお参りしてくださいました

いつも朗らかなおじさんですが、今日は格別の笑顔のようでした

今生の縁尽きて参らせていただくお浄土を、美しいお内陣に重ねて見ていてくださったのでしょうか

安心の笑顔のように見えました

子どもの頃はおばあさんに連れられて、丸柱にもたれてお参りしとった、、という昔話を何度も何度も話してくださいました

「この丸柱はもっと大きいと思とったがな」

って。

本堂には懐かしい思い出と、この先お参りするお浄土と、今つつんでいてくださる阿弥陀さまのおはたらきを味わうことができる空間なんだと、改めて思いました。、

Tさん、お参りしてくださり、ありがとうございました。