ドメスティック・ドッグ

　昨年までNHKBSペット相談の講師をされていた武部正美先生から、「ドメスティック・ドッグ」という、大判で分厚い本(381ページ)が贈られて来ました。先生は、米国人の著書を翻訳されたのです。内容は犬の進化、行動、人との関係が詳しく分析されたもの。犬を今は飼っていなくても、昔のことを思い出して、なるほど、と思うところが多々ありました。

　この本の原著は、1995年、英国で初版が発行されました。現在、欧米では、「イエイヌ」に関するバイブルとも言われ、専門家の間では必携の書と言われているようです。訳者の先生は、1997年より一日一ページというノルマで、250日(8ヶ月)の予定で初稿に取り掛かられました。13ヵ月後に脱稿。今回は3回目の再版です。

　12000年も前の、人と犬一緒に埋葬されている遺跡も見つかり、犬と人との関係は、長い歴史があるようです。ペットとしての犬と人間の関係の実例が細かく報告されているので、犬好きの人は興味が尽きないと思います。
　ペットとして限りなく愛されている犬、猟犬や盲導犬のように役に立つ犬、一方では野犬もいるし、一概には言えないこの動物について、広範囲に、学問的に追求されています。イヌ科はなぜ咬むのか? という問題についても・・・世界共通の内容です。

　犬と猫、飼い主とのふれあい度の比較についてのアンケートでは、ふれあい時間、グルーミング、おやつ、散歩、どれもが犬が上位ですが、べッドを共にすることだけは猫でした。犬と寝る人はあまりいないということでしょうか。犬をペットとする米国人は38%で、5000万頭が飼われているとか・・・猫より圧倒的に多いようです。
　
　以前テレビで、日本は狂犬病予防注射は40%(100%より訂正)近い接種率だけれど、海外では低い、と先生が言われていたのを思い出し、先ごろのトルコ旅行では犬に近寄らないよう注意しました。

なお、武部先生は、猫についての本、「ドメスティック・キャット」という訳書も出されています。チクサン出版社。(武部先生については、2009.3.19, 2009.12.6にup)