先日大学時代の友人の後藤さんから、ご主人の進さんが発行された歌集「地球のどこか」が贈られてきました。丁度10年前、歌集「着地点」を発行。その時、著書に、「10年後に又出したい」、と書かれていて、忠実に実行されました。(記事は、2011.8.17)
以前からどこの結社にも属さず、投稿を続けておられます。投稿先は、中日歌壇、朝日歌壇、読売歌壇、短歌研究社歌壇、現代短歌読者歌壇、現代短歌研究者歌壇、NHK歌壇、禅の友曹洞歌壇、明治神宮献詠會その他です。
どの結社にも左右されず、一首一首が勝負のように真剣に詠まれています。800首も入選されたとはすばらしいです。結社に毎月漫然と歌を出していますと、気がゆるむものです。私の目で選んでみました。奥さんとは旧知ですが、夫君の著者とは面識がありません。でも、イメージが浮かんできます。
はつ夏にめんどりの声はるかして地球のどこか卵生れたり
父の息絶えて息呑む沈黙の窓に六月かはづ合唱
吾が足をよく似ているとふと言ヘリ母の介護の長かりし妻
どちらかが味はふことになるだらう無人の椅子に向かふ淋しさ
ただ生きたひと日の記録日記帳二行と決めて深むを拒む
奥様の筆によるもの