月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

シンエイ版オバQ設定画

2012年07月29日 11時49分57秒 | 藤子不二雄
藤子・F全集「新オバケのQ太郎」第4巻の巻末「特別資料室」に、1985年よりテレビ朝日系で放送された、シンエイ動画制作のアニメ「オバケのQ太郎」の設定画が掲載されました。設定画といっても、アニメ用のキャラクターデザイン自体というより、制作に先立ち藤子先生ご自身が描き起こされた、デザインの叩き台ともいうべきものです。藤子作品がアニメ化される際には、アニメーターの方が描くキャラクターの設定画の他に、その土台とするための設定画を、原作者ご自身が描かれることがよくありました。そのポーズが、番宣用イラストやキャラクターグッズ等に流用されたりしています。

5年ほど前に「ゆっかりしゃ~ん♪」というタイトルの記事を書いたことがあります。P子が居候する家の女の子・ゆかりさんは、元々の原作「オバケのQ太郎」や「オバケのP子日記」ではA先生が描いておられましたが、その後の「新オバケのQ太郎」ではF先生が描いておられて、しかもアニメ版のデザインはFタッチ風のデザインだったので、ゆかりさんをF先生とA先生のどちらが描かれていたか混同してしまった…という話でした(^_^);

1985年のアニメ化にあたって、原作「新オバケのQ太郎」に登場した、伸ちゃん憧れのマドンナ・河伊伊奈子さんと、以前からP子の居候先として登場していたゆかりさんの設定が統合され、新たに「河井ゆかり」というキャラが作られたのでした。P子の居候先兼・伸ちゃんのマドンナという設定が作られたわけです。

で、そのキャラクターの設定画は、やはりというかF先生が描かれていました。

基本的に正ちゃんたちから見たらお姉さんの位置づけではありますが、年齢的にはおそらく魔美くらいではないかと思います。

原作「新オバケのQ太郎」は、F先生がストーリー構成や作画の大部分を担当され、現在では藤子プロ単独のコピーライトとなっているように、このシンエイ版アニメ「オバケのQ太郎」も、基本的にはF先生側が主導して作られたことが分かります。それではA先生が全くタッチしていないのかというと、原作「新オバケのQ太郎」でも一部キャラクターの作画を担当されていたように…

このアニメ化でも、正ちゃんと伸ちゃんの兄弟だけは、しっかりA先生が設定画を担当されています。「特別資料室」では特に(A先生が描かれた等の)注釈はありませんが、ペンタッチを見れば他のキャラクターと明らかに違います。

時期的にはコンビ解消の数年前ですから、このアニメ化に際しての共同作業が、実質的に最後の合作だったといえるのかもしれません。
※ちなみに映画「忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵」の原作漫画が描かれたのはこの前年ですが、パーマン側のキャラクターを含めてすべてA先生が描いておられますから、それは事実上の合作ではありません。

今回のF全集「オバケのQ太郎」第4巻に収録された作品は幼年誌掲載作品です。幼年誌版では、正ちゃん&伸ちゃんを含めて、すべてF先生が作画されています。正ちゃんは(普段よりも幼い造形なので)あまり違和感がありませんが、伸ちゃんは……なんか違います(^^); 伸ちゃんって、原作での壊れっぷりも含めて、やっぱりAキャラなんだなぁと感じました。失恋に狂った描写とかハンパないですからね(笑)。

藤子・F・不二雄大全集 新オバケのQ太郎 4 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
小学館

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