本当は暑さが苦手なんです。
5 年間の幼虫時代がなつかしい。
仲間と一緒に一斉に羽化したものの
この暑さは、いささかうんざりです。
40 年前団地がまだ雑木林だったころからの楠の大木のまわりに無数のセミの穴があった。
この楠の木は大昔からセミたちの育ての親だったのだろう。
木の下に立つとアブラゼミの声が降るように聞こえてきた。
本当は暑さが苦手なんです。
5 年間の幼虫時代がなつかしい。
仲間と一緒に一斉に羽化したものの
この暑さは、いささかうんざりです。
40 年前団地がまだ雑木林だったころからの楠の大木のまわりに無数のセミの穴があった。
この楠の木は大昔からセミたちの育ての親だったのだろう。
木の下に立つとアブラゼミの声が降るように聞こえてきた。
すごい楠ですね。
アブラゼミの揺りかご。
彼らには地中の闇世界の数年が幸せの時代。
地上に出て子孫を残す相方を求めて、
ひたすら鳴きつくす一週間。
夜の闇のない都会の地上に出た彼らの不運。
闇の世界から、昼だけの世界に出て戸惑い。
朝、街灯の下に仮死状態で落ちている。
拾って、放してあげると飛んでいく個体もある。
飛んでもカラスに狙われて空中で捕食されたり、
飛べないまま、地上に落ち、
アリの餌になって解体されていく。
この季節、徘徊の度に哀しいのは、
ナシ畑に生まれたセミです。
畑全体がアミで覆われ、羽化しても飛んでいくことが出来ません。
アミの中だけの世界で生を終える。
都市化によって、夜のない世界に生まれたセミは、一夜で街灯に迷わされ、梨畑のセミは閉じ込められて生を終える。
人間の営みって、なんて残酷な仕打ちを彼らに与えてるのでしょう。
今日お昼頃通りかかったらちょうど 2 年生ぐらいの女の子がいたので、思わず蝉についてレクチャーをしました。
最後に「聞いてくれてありがとう」と言ったら、
「教えてくれてありがとうございました」とていねいに返してくれたのでびっくりしました。
「人間の営みが蝉に対して残酷な仕打ちを知らず知らずおこなっていることは、省きました。
あの子だったらそれもきっと理解してくれたことと思います。