今日の「お気に入り」。
「大都会の生活の問題は、わたしたちが選べば……大勢の人の中で暮らし、仕事をし、息をするためには、そうせざるを得ないのだが……自分と同じような人間を選んでしまうということであり、その結果、生活はとても単調で味気ないものになってしまう。たとえば、自分たちがどういう人間であるかによって、前菜ばかりでメインの肉のない食事とか、甘い菓子ばかりで野菜もない食事にも似たつき合いをすることになってしまう。
人によって好みの違いはあっても、ひとつだけたしかなことは、わたしたちが何かを選ぶ場合、たいていは、すでによく知っているものに手を伸ばし、未知のものを選ぶことはまれだということである。未知のものがわたしたちを不快にさせたり、失望させたり、あるいはただ単に少しばかり扱いにくいのをおそれるからである。しかし、失望や驚きを伴うとしても、わたしたちをほんとうに豊かにしてくれるものはすべて、そういった未知のものであるのだ。」
(アン・モロウ・リンドバーグ著 落合恵子訳「海からの贈りもの」学習研究社刊 所収)
「大都会の生活の問題は、わたしたちが選べば……大勢の人の中で暮らし、仕事をし、息をするためには、そうせざるを得ないのだが……自分と同じような人間を選んでしまうということであり、その結果、生活はとても単調で味気ないものになってしまう。たとえば、自分たちがどういう人間であるかによって、前菜ばかりでメインの肉のない食事とか、甘い菓子ばかりで野菜もない食事にも似たつき合いをすることになってしまう。
人によって好みの違いはあっても、ひとつだけたしかなことは、わたしたちが何かを選ぶ場合、たいていは、すでによく知っているものに手を伸ばし、未知のものを選ぶことはまれだということである。未知のものがわたしたちを不快にさせたり、失望させたり、あるいはただ単に少しばかり扱いにくいのをおそれるからである。しかし、失望や驚きを伴うとしても、わたしたちをほんとうに豊かにしてくれるものはすべて、そういった未知のものであるのだ。」
(アン・モロウ・リンドバーグ著 落合恵子訳「海からの贈りもの」学習研究社刊 所収)