鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

対鶴図鐔 神吉楽壽

2010-05-25 | 
対鶴図鐔 神吉楽壽


対鶴図鐔 無銘楽壽

かみよし楽壽(らくじゅ)極めの対鶴図鐔である。遠目での鑑賞では左右の櫃穴が松皮菱の意匠とされている菊花丸形鐔という印象しかないのだが、仔細に観察すると、ここに毛彫で巴状に鶴が意匠されていることがわかる。洒落た意匠、巧みな構成である。江戸時代も後期に至ると肥後金工にも多彩な世界観が広がる。鶴を題に得た作品は他国他流派にも多くみられる。だがこのような作品を眺めると、確かに肥後独特の風合いが潜んでいる。さすが、と頷ける作品である。


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