
去年の今頃は、休みがあって西へ東へ逃避行に明け暮れていた。
馬券も10万馬券が連発して的中したりして、何かと潤っていたこともあるだろう。
考えてみれば、そろそろ潮時だという予感が自分の中にはあったのかも知れない。
心置きなく、全てを過去というフォルダに置き去りにして。
もはや、新しい世界が素晴らしいだなんて、幻想でしかないこともよくわかっている。
一発逆転の神業など、残念ながら持ち合わせてはいない。
ただ潮時は、いつまで経っても干からびることはなく、また満ち満ちて溢れることもなく。
ただ、それを繰り返すのみ。
そしていまや、休日もままならない毎日。
馬券は、窮屈な私欲に遊ばれる。
考えてみれば、それは自ら予感していた結末なのかも知れない。
ただ、どんなに世界が失意に溢れていようとも、もう逃避行は必要ない。
きっと心は、いつまで経っても干からびることはなく、また満ち満ちて溢れることもなく。
ただ、それを繰り返すのみ。