今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・岳山

2011年05月08日 | 山登りの記録 2011

 平成2356日(金)

  岳山1,070

 

  GW前半は丹沢に久々の山登り。冬場に登ろうと思っていた山だけに、この時期では人も多くて静かな山を堪能とはいかなかった。今年のGWは雨こそ降らないもののすっきりと晴れた日も少なく、天候的にはイマイチという感じ。そんななか、GWも終盤?6日は振替休日となったので、朝家から出かけられる山を考えた。

 

  地元で登っていない山も少ないが…、桐生の外縁を巡る山の中では数少ない未登の山である残馬山と鍋足沢の頭の間にある岳山(たけやま)に行くことにした。岳山は地形図に山名表示はないが、桐生の市街地からは残馬山と並んで顕著なピークとして目に付くことから、ずっと登りたいと思っていた。この山を登るには、かつて桐生の梅田と現みどり市の東(あずま)地区を繋ぐ生活路として人の行き来があった座間峠に登って往復するものが考えられるが、今回はネットの情報(オッサンさんの山旅)から座間峠に突き上げる高沢川の本流右岸を限る尾根を林道から登って市界稜線に上がるコースを考えた。帰りは渓流を楽しむことにして座間峠から峠道を下ることにした。様子によっては残馬山の往復も視野に入れていたが…。

 

  金曜の朝8時前に家を出る。途中コンビニでおむすび等を買って梅田に向かう。梅田の高沢川奥にある鳴神山登山口を過ぎて鍋足集落から更に奥に向かい、未舗装路となって間もなく伐採された斜面が広がる所に遮断機が降りていた。遮断機前に車が一台停まっていたが、山登りの人だろうか?高沢林道入口から先は国有林らしいが、オッサンさんの情報では座間峠入口まで車が入れるということだった。しかし、ここから先には現在関係車両以外は入れないようだ。仕方がない、ここから約1㌔はおまけの林道歩きになるが、支度をして844分に遮断機を跨いで高沢林道を先に進んだ。

 

  林道は高沢川沿いを行く。ジグザグに上ってまた直線の未舗装路を歩いていくと、山の木々の高木はまだ萌え始めたばかりのものが多いが、低木は新緑を見せ始めている。林道に枝垂れたヤマブキの黄色い花が彩りを添えていた。林道をそれ程歩くことも無く、904分に座間峠入口に着いた。平成18年度関東森林管理保安局長と書かれた保安林の黄色い標識に、木切れに手書きされた座間峠入り口の看板がくくりつけてあった。文字は薄れて間もなく読めなくなりそうだ。

 

  林道はこの先にずっと続いている。座間峠入口はかつての捷路とも思えない雰囲気で、この道も既に廃道に近いものがある。ここは高沢川本流と鍋足沢の分岐になるが、ここから本流左手の尾根に取り付く。沢に面した斜面は杉林で尾根の西よりは細い雑木が茂っている。下草は無く、どこでも上っていけるが、とにかく登り始めは急斜面で、曇って少し肌寒い今日の陽気でもあえいで汗をかいてくる。一登りすると、もう木々越に西の鍋足沢の頭のピークが見えてきた。30分登ったら、木々が疎らな尾根上に登り上げ、周囲の展望が開けてくる。鳴神山から鍋足沢の頭、丸山、十二時山の稜線と、反対側に岳山の山稜が良く見える。ミツバツツジが点々と咲き、山桜も彩りを見せている。しばらくツツジの潅木がうるさい尾根を登り切り、標高約900mの岩峰に945分に着く。東には岳山が良く見える。西は鳴神から十二時山の稜線が同じ様な高さで連なっている。ここまで来ると、アカヤシオがぽつぽつ目に付くようになった。花期はやや終盤といったところで、落花しているものも多いが、この先座間峠まで稜線にピンクの花群を作っていた。ここで少し休憩した。

 

のんびりしたツツドリの声が山峡にこだまする。今年も夏鳥が渡ってくる時期になったのだなと確実な季節の移ろいを感じる。900m岩峰からは所々に目印の青テープも見られ、踏跡もはっきりしてくるが、カモシカの糞があちこちに見られるから、実際のところはケモノ道なのだろう。しかし、ツツジなどの枝には、目印のためか?空き缶が点々と付けられているのも見た。ここから一旦下り、登り返して急な潅木斜面を登りきると1025分に標高約1,000mのピークに着いた。ここで鍋足沢の頭~座間峠~残馬山の稜線コースに合流し、この先はしっかりした稜線の道になった。

 

座間峠まではアカヤシオの木が多く、ピンクの花群を楽しむ。木々越しに旧東村の集落と草木湖が見下ろせるが、その向こうにある袈裟丸山などは雲霧に埋まって見えない。R122を走る車の音が響いてくるようになる。稜線は傾斜も緩くクリの木が多い気持ちのいいプロムナードになった。小山を幾つか越えて1047分に座間峠に着いた。

 

茶色い鉄製の座間峠と書かれた看板が枯葉の上に落ちていた。看板を拾って鉄柱にしっかりくくりつけた。座間峠周辺は広々とした栗林で歴史のある道の雰囲気がある。峠から木々を透かして直ぐ上に岳山が見える。栗やナラの茂る稜線を登り上げると、岳山山頂と残馬山方面を分ける分岐に『座間峠←→残馬山』と書かれた鳴神山近辺にあった標識と同じものが立っていた。落ち葉を踏んで1115分に樹林の中の眺めの無い岳山山頂に着いた。ベニヤ板に岳山と彫られた山名板が一つナラの木に付いていたが、他には何も無かった。もうこの時間になり、今日のこの天気では遠くに薄っすら見える残馬山まで往復する気分にはならなかった。かつて同じ時期に小鳥の声が響く残馬山頂で静かに憩った事を思い出す。

 

ヒトケの無い静かな山だ。おむすびを2つ食べて山頂を1140分に後にした。途中に真鍮製の桐生市基準点というのが枯葉に埋まり気味になっていた。のんびり峠に下り、そのまま峠道を沢沿いに降りた。新緑に映えた小さな渓流が少しずつ水量の多い沢になっていくのを見ながら、水の流れをこうして見ているのは気持ちが安らぐ、岩場を落ちる小滝がいくつもあり、なかなか素敵な眺めだ。かつては行きかう人もあったと思われるこの峠道も、現在では不明瞭な箇所も多く、ほぼ沢沿いに流れをあっちこっち何度も渡りながら下る。コースも定まらず、今となっては道とも呼べない状況だった。咲き始めのニリンソウが足元を飾る。他にもエンレイソウやネコノメソウやスミレなど、この時期らしい山の春の花が咲いていた。

 

13時丁度に座間峠入口に降り立ち、林道を引き返して1315分に車に戻ってきた。木を伐採するチェーンソウの音がかすかに山に響いていた。どんよりと曇ったままの疲れない軽い山だったが、人に会うこともなく、しみじみと山に浸って気分も良かった。お天気がもう少し良ければ最高だったんだけど。車に乗り、そのまま何処にも寄らずの早い帰宅となった。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
岳山と火打石山に行ってないので (ノラ)
2011-05-09 22:33:02
あさぎまだらさん こんばんは。おっさんの山旅も見てみました。岳山は2回も行ってるみたいですね。それを読んであさぎまだらさんの記録も読むと行ってみたい気になります。火打石山なんて面白い名前の山が尾根続きにあるみたいです。その山のGさんの古い山名板を見てみたいし。ポケットに入れました。鍋足からぐるっと回って高沢川に降りてくるのもいいですね。渋すぎっていうのは撤回します。
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岳山はシブイです… (あさぎまだら)
2011-05-10 00:00:37
ノラさんこんばんは。
岳山はシブイです。眺めもないし、花も少ないし、顕著なピークでもないし、地図に名前もありません。名前が岳山というのは他にありそうで結構無い山ですね。ネットで検索すると広島にそこそこ登られている岳山という名前の山があるようですが…。火打石山は知りません?面白い名前ですね。いつからそんな名前で呼ばれているんでしょう。
ところで、この市界稜線のヤシオは結構見事です。燈台元暗しでしょうか、花期に当たれば花の山としても楽しめそうですね。鍋足沢の頭は林道終点から登れますね。
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