Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

「答申」とは

2008-03-12 12:46:37 | ひとから学ぶ
 知人は、町の小学校に対する「あり方検討会」がそのあり方について答申した内容とその経緯について触れている。そこで知人は、「町が重要な政策決定を行うに際し、最近では政策の最終決定より前段階において、附属機関(審議会等)を設置諮問し、審議会等の答申を踏まえたうえで最終的な町の案を策定するという形式がほとんどではないかと思う。」と述べ、諮問し、それに対して答申を出すという流れの基本的な確認をしている。なぜその確認をしたかといえば、この町の今回のあり方検討会が、必ずしも本来の諮問―答申という本質からいけば、少し内容が違うのではないか、ということを言いたかったのだろうか。しかし、もともとそんな諮問―答申というものだったのか、この会の設置意図に立ち返らなくてはならなくなるだろう。わたしの認識は、町は暗黙の中で、耐震工事をしなくてはならないが、建物も建て替えなくてはならない時期もやってくるだろうし、できれば統合したいという本心があったからこの検討会を設置したのではないか。そしてそこには町の方針は明確にはなく、あくまでも暗黙のうちにそれがあって、できれば住民側の代表者の声でその暗黙の方向に持って行きたいというものがあったに違いない。端からの印象で述べているから、それは必ずしも正しいとは思わないが、多くの町民はその程度に思っていたはずだ。

 したがって、知人が言うような「具体的な問題について、町の考え方(原案)を示して意見を求め、その答えをもらう。もらった答えはできる限り尊重する。のが基本」というスタイルではまったくなかったわけである。8回の会議と38人という大勢を集めて答申された内容は、なんとも感想にもならないものである。知人もあげているが、あらためてここに確認する。


1.校舎について
耐震補強事業を早急に進め、合わせて安全・安心の環境づくりのために現場の声を聞いて万全の対策を講じられたい。
2.給食室について
センター方式および自校方式について、中央小学校の老朽化を含めて別に検討されたい。
3.通学区について
歴史文化そして地域の関係をふまえて、今後研究されたい。
4.統廃合について
少子化や社会情勢を見据える中で、地域・文化の歴史もあり早急に結論を出すべきでなく、今後改めて検討されたい。
5.教育について
学校教育の推進および学校・家庭・地域との連携を密にして確かに生きる力(人間力)を育てるため、松川町にふさわしい取り組みを引き続き実施されたい。


 いったいこの会議は何のために開かれたのだろう。おそらく参加した人達もそう思ったに違いない。好意的にいえば、住民の代表が小学校という大事な問題を論議できたことといえるだろう。しかし、そんなものを町が公的に設置した会議がその程度の答えを出すためのものであったとは思いたくない。統合ありきで描きたかったストーリーが、その通りにいかないというなかで、いたしかたないから、こんな曖昧なものしか出せなかった、そんなところだろうか。検討会の構成、そしてその答え、どれをとってみても、この町にはリーダーがいないことがよくわかるとともに、行政側の意図もまったく見えない。まあ、こんなものなのだろう。

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