Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

首が伸びる石仏

2007-03-26 07:11:22 | 歴史から学ぶ


 「長野日報」の3/25朝刊に面白い記事をみつけた。「ここ5年の写真で〝三変化〟」というもので、下諏訪町の諏訪大社春宮横にある万治の石仏の首が5年前とくらべると伸びているというのだ。わたしは「モノクロの彩り」というページでこの万治の石仏に触れている。そこにある写真は冒頭のような写真なのだが、胴体にあたる巨石に載せられている仏頭に、首らしき部分はほとんどなく、胴体ですぐに頭という構図になっている。ところが、新聞に掲載されている写真をみると、首が見えるのである。

 このことに気がついたのは名古屋のカメラマンだと言うことで、何度も撮っているうちにかつての写真との違いに気がついたわけだ。どうも頭部が落とされたため、載せなおしたことがあるということだ。しかし、載せるのならそのまま載せて落ちないように少しモルタルか何かで詰める程度が普通の考えなんだが、わざわざ頭が載るように胴体の上に頭用に少し土台をコンクリートかモルタルで打ったようなのだ。見るからに胴体の上にすぐ頭の方が安定感があるように感じる。

 新聞では2002年11月、2005年11月、2007年2月と三枚を並べているが、年を追うごとに首が伸びている。ということは頻繁に頭が落ちているのか、それとも自然に首が伸びているのか不思議な話である。もっといえば万治の石仏といえば有名な石仏で、頭が落ちたなんていえば大ニュースのような気がするのだが、どうもそんなニュースも耳にしたことはなかった。そんな程度のことは驚きもしない、という諏訪らしい気質なのかどうかわからないが、どんどん伸びている首はどこまで伸びていくのか、ようやく話題になりつつあるようだ。

 さて、この万治の石仏は、西暦1600年の万治3年の銘文があることから、その年に造営されたものと思われる。その元号をとって「万治の石仏」と言っている。地面から頭上までの高さが235センチ、幅は275センチとかなり大きな石仏であるが、首が伸びているというからには、今はもう少し高さが高いのかもしれない。でも伸ばせば伸ばすほどに不安定になって転んで落ちそうだが違うだろうか。もっと心配なのは、こんなニュースがきっかけで無理に落とすいたずらが頻発しなければよいが。

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