Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

スイカと塩

2009-08-12 22:40:39 | ひとから学ぶ
 「塩をつけて食べないとスイカを食べた気になりません」という人もいるのだろう。妻の実家で農作業をして大汗をかいたあとのスイカはとても美味しい。麦茶を飲むのもよいが、何より夏にはスイカ、汗をかいたらスイカ、という感じである。その場にいた甥たちが、「塩が欲しい」と言う。妻は「甘いから塩なんていらないよ」と言うが、自宅でいつも塩をかけているようで「塩がいる」といって言うことをきかない。なるほど甥たちのスイカの食べ方は「そうなんだ」と気がつく。「お母さんがつけてくれる」と言うから、母親も「スイカに塩」というイメージを持っているということになる。

 わたしもスイカには塩というイメージをかつては持っていた。なぜならば子どものころ必ず塩をつけたし、成人した後も、会社で食べても塩が用意されていて、かなりの確率でスイカに塩をかける人が多かったのだと思う。ところが最近は「塩は?」などと口にすることはなくなった。その理由はスイカが甘くなったからだ。昔のスイカが甘くなかっのたかどうか記憶も定かではないが、昔だから当然のようにどこの家でもスイカを栽培していて、スイカは自家用のものをたべるのが当たり前であった。そんなスイカはきっと今のように甘くなかったにちがいない。ようは「水分がとれれば良い」程度の食べ物で、甘く美味しいというのは二の次だったのではないだろうか。子どもたちにとってスイカは夏の定番であって好物だったが、果たして甘いスイカという記憶をそれほど持っていないのではないだろうか。今でこそ甘いスイカを口にすることで慣れてしまって「スイカは甘いにこしたことはない」というイメージを持つようになったが、きっとそれは長年の経験でそう捉えるようになったに違いない。

 長野県では「波田のスイカ」と口にするようになったのはいつごろだろう。もう20年以上前のことだろうか。わたしも始めて波田のスイカを食べたときはその甘さに驚いたものである。ところが実は今はどこのスイカもそこそこ甘くて美味しい。確かに「波田のスイカ」という言葉に弱いのであるが、安くて美味しければそんなブランド物にこだわらなくても十分に期待に応じてくれる。やはり汗をかいて「水が欲しい」と思って食べるスイカが一番美味しいのである。だから冷房の効いた部屋で波田のスイカを食べても、確かに甘くて美味しいと思うだろうが、ありがたみを感じないだろうし、それならもっと甘くて美味しいものはいくらでもある、ということになってしまう。

 先日妻が息子の行っている塾にスイカの差し入れをした。同い年の仲間は食べてくれたというが、年代の下の子どもたちは手も出さなかったという。涼しい部屋で汗もかかずに勉強していたら、スイカなんて食べもしないかもしれない。それどころか手はべとべとするし、食べにくいし、今の子どもたちには人気の食べ物ではないだろう。そこにいた先生が「美味しい」といって余ったスイカをたいらげてくれたという。自家のスイカがなかなかうまくできたと言って期待して持っていった妻にはがっかりだったのだろうが、帰ってきた妻に「今の子どもたちなんかスイカなんて喜ばないよ」と諭したしだいである。

 汗をかくから塩が必要という説明もあるが、今日も炎天下で働きだらだらと汗をかいて「水が欲しい」と思ったときスイカを食べたが、「塩が欲しい」などと少しも思わなかった。やはり甘ければスイカに塩は必要ないのである。

 ちなみに2008年8月7日に投票されたという「スイカを食べるときに塩をかけますか?」というものをウェブ上で見つけた。それによると、
(1) 必ずかける……………………………………………2,251 人
(2) 時々かける……………………………………………6,411 人
(3) かけない………………………………………………12,217 人
(4) その他…………………………………………………854 人
というものだった。

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