Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

何を「売り」と捉えるか

2007-05-13 14:33:33 | ひとから学ぶ
 住居地と同じ行政区の職員ともなれば、実際とは異なる噂が流れたり、妬みから出たさまざまな言いがかりもあるだろう。そんな事実を裏付けるように、近所で「○○は町長と親戚だから偉くなった」とか、「あんなやつはとんでもないやつだから・・・・」などなどさまざまな立ち話の噂を聞いたりする。人口の多い行政区ならともかく、小さな村や町ともなれば、顔見知りがたくさんいるから、噂話は広がりやすい。加えて地方が疲弊している状況なら、安定していると思われている公務員は妬まれても不思議ではない。今や地方の財政難を苦にしている地域は、アンバランスな空間が増幅して、「いよいよ終焉か」というような小さな事柄はたくさん散らばっている。

 生活を第一に考えなくてはならないのは当たり前だが、疲弊した地域こそ、どう地域の将来を築いていくか、考えておかなくてはならないし、目先のことに捉われてはならないことは当たり前だ。そんななか、知人は町のこと、そして町会議員のことなど、行政の視点でさまざまに意見を述べている。基本的に行政にかかわる人は、選挙運動などできない。そして守秘義務にあたるだろうから、誰がどうしたとか、誰が何を言ったなどということは言えるはずもない。だから、たくさんの情報を持っていても、内心はわかっていても口に出さない、という場面が常にあるのだろう。逆に一般の人たちは、もっと「言ってくれればよいのに」と思っても、それが言えないこともたくさんある。そのへんの対応の仕方とか流儀は、わたしたちにはとうてい解らない世界である。しかし、行動は一定の偏りをしてはならないから、誰に対しても不公平はあってはならないのだろうが、それでは、地域の政策とか将来に対して彩っていく行動を示せない。結局どこかどこかで自らの判断をして進めていくことになり、その判断に不公平がないとは言えない。行政とは公平を前提にしながら、その行動ひとつでさまざまに捉えられるから、それが正しかったと、なかなか判断できないことが多いだろう。

 知人が町会議員の報酬を含め、その定数などについても考えを示している。何をやっているかが見えない現実を踏まえると、「こんなに人がいるのか」と思うのも当然で、「こんなに報酬がいるのか」という声だってある。どう行動するかは誰もが見ているのだろうが、多くの住民は、その人たちと接することも関わることもないから、「何かやっているんだろう」程度にしか見えない。確かに何かをやっているのだろうが、その行動やなりを住民がしっかり見ていたとしても、選挙では別、ということもよくある話だ。みんなの代表である、と思えばなかなか言えることも言えなくなるし、その発言そのものが一定の人たちを否定していると言われても仕方ないことも出てきてしまう。いまだもって議員とは何か、行政とは何かと聞かれても、一般人はわからない。議員になったからといって、それまでの生活が忙しくなるから果樹を切ってしまったという人がいた。しかし、その地域が果樹を売りとして捉えているのなら、町を代表しているような人がその売りを切ってしまうようなことは逆行だろう。ずいぶん前になるが、山の中の傾斜地にある梅園がまっ茶色になっているのを見て、「こんな地すべり地帯の畑に除草剤蒔いちゃだめだろ」と思ったことがあったが、その畑はある町の助役の畑だった。確かに忙しくて手が回らなくなることはわかるのだが、そうした行動が正しいとはまったく思わない。同じようにどれほど議員生活が大変か、それほど忙しいのかわからないが、売りとしているモノ、そして本来の生業を見捨てるという行動は、本来の町を執行していく人たちにはあるまじきことだと思うのだがどうだろう。

 わたしはこれほどまでに売りになるモノが衰退し続けるのに、全面にそのモノを売りとして出しているのなら、当然そこに関わっている人たちは否定するようなことをするべきではない、と言いたいわけだ。もちろん、その売りが将来のために正しいかどうか、ということは別である。だから、そうした売りを全面に出すのなら、それを後ずさりさせるような問題にも適切に応えていかなくてはならない。果樹地帯ほど除草剤を撒きまくっているところはない。それもまた、忙しいからそうするのだろうが、土地を売りにしている人たちが土地を汚しいるのだからそれもまた逆行である。「消毒や農薬の影響が、土地や人体にどのくらい影響があって、そのデータでどう判断をしているのか教えてください」とは、町を執行している理事者や議員全員に質問したいことなのだが、それをマイナス視点だと言って否定していたら、売りはやはり逆行ということになると思うのだが、よそから住み着いた者の単純な疑問である。

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