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ある「常会」の記録より⑥

2019-01-11 23:24:14 | 地域から学ぶ

ある「常会」の記録より⑤より

 以上昭和43年3月、いわゆる昭和43年度の始まりから、昭和45年の年末まで2年余の常会記録を振り返ってみた。前任の記録を参考にして記しているせいか、書きぶりは人が変わってもそれほど変わらない。これは、と思うような記録に当たらなかった。とりわけ気になったのは、現在の常会が年末締めなのに、記録から読み取る限り、年度が変わるのは3月末日にある。このことは後述する。

 昭和46年元旦には、「例年の通り午後一時より新年会を行ふ」と記録があり、新年が始まる。この後は気になる書き込みのみ拾って見てみよう。

 記録では昭和46年度も4月から新年度が始まるということは、記録の文字が明らかに変わることからわかる。この年目立つのが「欠席」者の記録である。毎常会に同じ人が「欠席」と記されているほか、複数名の欠席者が記されている。昭和45年度までにはない記録で、急に欠席者が多くなったのか、それともそれまで記録されていなかったのかについてはわからない。また、この年の記録には道路に関するものが目立つ。ようは道路改修にかかわるものと見られるが、記録が詳細でないため、何を意図しているか不明な点が多い。

 昭和47年2月15日の常会記録に、前述の年度の疑問を解く記録が見られる。役員改選が毎年この時期に行われており、この年の改選役員もこの日決定される。その記録の中に「今年度より十二月末日役員改選をする事に決定。たいし旧役員が三月迄の義務があり、各部門に依り途中で新役員でなければならない事もある」とある。ようは現在の12月末日までの役員年度は、昭和47年度に始まったものとわかる。周辺地域も含め、わたしの現在暮らしている自治会でも、かつては12月末日締めであった年度を、3月末日締めに変更してきた流れから捉えると、意外な印象を受ける。そもそもかつて年度変えが3月末日であった時代があったということに驚く。

 昭和46年度としての最後の常会は4月3日に開催されており、この中で地区内に街灯3基設置する旨の報告がある。この年「街灯」というものが初めて地区内に設置されたようである。また、同日の最後の議題に「今年は道路事業の為、お花見は取り止めとなる」と記述されている。なぜ道路事業と絡めた記述がされているかをここから正確には読み取れないが、道路事業に絡む出費があるからお花見は行わない、とも読み取れる。

続く


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