Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

長い1日・前編

2018-11-24 23:47:29 | つぶやき

 

  事務局を担って、最後となる総会を終えた。思い越せば、平成13・14年と務めた際には、「生業複合」をテーマに議論が交わされた2年間だった。「これで最後」と思って行った平成14年の総会は、これまでにないスタイルで、松本を出て合併前の下伊那郡上村の下栗で行った。自ら総会の議案を提出しながら、発表者としても総会シンポジウム「生業複合を巡って」にかかわった。「複合生業論のこれから」と題して講演いただいた安室知さんには、わたしにとって最後となる今年の総会にも顔を出していただいた。こうしてわたしにとって最後の、長い1日が終わった。

 今年は福澤昭司さんの提案で、文芸評論家の安藤礼二先生を迎えての公開記念講演〝折口信夫の「翁」〟がメインだった。この4年間、基本的には事務的な総会のあとは講演会を開く、というかつてのようなテーマを掲げて2年間の集大成を図るという方法はとっていない。会員の減少や、活動する顔ぶれの固定化といった現象が、結果的にこのようなスタイルへと変えてきた。裏を返せば、かつてのような活発さはないということになるのだろうが、次期からは一線を退かれた方が事務局を担うようになる。おそらくこの流れは、当面続くのだろう。定年が延長されていかない限り、とりあえず60歳という節目が、今後の活動の計りになるかもしれない。ようは60歳代の方たちと、現役世代の方たちが融合しながら若い世代も取り込んでいく、そんな感じだろうか。かつての活動は、今に比べたら若い世代だけで仕組まれていたが、全世代の声を聞きながら、みなで活動を支えていく、今まで以上に会員としては参加しやすい環境ができあがっていくのではないかと、わたしは予想している。そう振り返ってみると、たまたま現役のため参加できない人たちがいたが、いっぽうで多様な顔ぶれが例会などに顔を見せてくれた。何といっても例会ごと担当を指定して企画された例会は、参加人数はそれほど望めなかったが、多様で興味深い会を毎回仕組んでいただいた。例会に参加してみれば、次の例会にも参加したい、そう思わせるような仕組み方が、しだいにできあがってきているようにも思う。

 今年も南信で開催された例会が1度だけあった。ところが例会担当に南信の者がいないこともあり、仕組みにくいという声が例会担当委員の中にはあったと言うが、むしろ地元の者がかかわらずに仕組まれた例会は、地元の者では見えていないような趣向が現れて、地元の人たちに「そういう興味があるのだ」と教えてもらうようなこともある。ただし、少しは「相談してほしかった」という思いもあったが、そういう方法もある、と教えられた。そういう意味で最たる例会だったと言えるのが、東信で開催された前回例会だったと言える。東信の会員で例会に参加された方は一人もいなかった。それでも内容は興味深く、毎回趣向を変えて企画してくださる担当者の努力が、事務局を担っていたわたしにはとても伝わった。まさに「次も参加したい」そう思わせるような例会だったと思う。

続く


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