Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

迂回をしたらいい

2009-06-17 12:32:06 | ひとから学ぶ
 このごろリニアの説明会なるものが開かれていて、そのものは直線ルートの説明会だという。盛り上がっている人もいるだろうが、まったく地域外の話と思っている人もいるだろう。これまでにも何度も触れてきたが、ボッケさんが描く長野県を避けるルートなるものも、実はわたしの望むところだ。このままさらっとルートが決定すればよいが、なかなかそうはいかないだろう。ますます長野県はバカだ見たいな言われ方をするのだろうが、今までにも述べてきたようにバカだと言われようがけして無知な望みではない。何度も言っているように、そもそもJR東海が自費で造ると言わなければ、国のプロジェクトとして「遠い昔の話」ほど時が経たころに実現に至っていたであろうリニア。きっとその際にも直線という意見が強まっていたかもしれないが、いずれにしてもそもそも論であって、今に始まった話ではない。そしてさらにいけないのが長野県南部の人口が薄いというところに問題があった。そこに自費で駅を造れなんて言われるとさらにいけない。そこまでして県民益があるのかと問われるとなかなか上手い答えは出せない。地域エゴと言うが、そもそも地域エゴの塊が県というものである。それを上手に操るのも容易ではない。もちろんそうした地域エゴは長野県だけにあものではなく、全国どこにだってあるだろう。同じことがよその地域に起きても、同じ議論かを巻き起こすはずだ。

 すでに直線ありきの様相を呈してきた中で、ますます長野県をバカ呼ばわりする人たちが増えるだろう。そんなことに耳を傾ける必要などない。主張は主張として曲げるべきものでもないだろう。主張があっても通らないことはあるし、簡単に主張を曲げて「直線で良い」などということもない。通らなくて結果的に直線になったからといって、その代償を求めたって良い。そのくらいの政治判断があったって良いし、それを地域エゴの「悪」のように言う方がエゴの塊である。自分の家を壊そうとされて黙って見ている者はいないはず。以前にも述べたように表示したボッケさんからいただいた図でも解るように、直線というのなら富士山の下を貫けばよいこと。それが出来ない理由に象徴としての富士山、そして活火山としての富士山というものがある。では南アルプスなら良いのか、と問えば誰も耳を傾けはしない。ずっと自然に満ち溢れていた南アルプスも、シカ害に右往左往しているうちに、もっと大きな痛い話を突きつけられる。誰もそれを言おうとはしないあたりが、富士山と南アルプスの違いなのだ。いずれにしても長野県を通るんだからいいじゃないか、という簡単なモノではない。何度も言うが例えば飯田線を高速化と言ってもどれほど高速化しても現状では諏訪地域から飯田まで1時間を切るようなことはできないはず。伊那―飯田でもやっとではないだろうか。アクセス用のノンストップ便を組んだとしてもむしろその方が迂回ルートより金がかかりそうだし、そんなものを地域住民は受け入れられない。



 さて図はボッケさんから借用したものへわたしのルートを書き入れたものだ。緑がボッケさん、赤がわたしのものである。実は直線と言いながらけっこうCルートだって曲がっている。前述したように山梨県内にある実験線を利用した場合はどうしてもこうなる。実験線を造った時からAやBルートを想定していなかったのかもしれない。ボッケさんは長野県だけを通らないように迂回させたから曲がりが多くなってしまったが岐阜県も通らずにルートを決めれば赤いルートが浮かぶ。各県一つの駅なんて言っているからこれで必ず一県は減ることになる。静岡県内のこんな山の中でも駅が欲しいということになるだろうが、この方がトンネルが多くなるのだろうか。争いごとを避ける意味でも真剣に考えてみたらどうか。
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