Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

見誤っていないか

2009-06-15 12:20:49 | ひとから学ぶ
 西川社長の続投問題で「内輪もめ」と言われた鳩山発言による辞任劇。予想通りといえばその通りなのだが、麻生首相も本音は鳩山発言派だったと鳩山氏自ら語るほど。一躍小泉竹中ラインによる圧力という流れで再び悪役イメージを買っている竹中平蔵氏。報道系番組の司会者はもちろん、そこに登場してくるコメンテーターの多くも「辞めるのは西川ではないのか」みたいな雰囲気を国民に植え付けている。もはや政権交代は秒読みと言われるほど今年は大きな転換期になるのかもしれない。

 しかし、今回の問題はともかくとしてここで再び顔を出す機会が多くなっている竹中平蔵氏。先日のウェークアッププラスの中でこんなことを言う。国民新党の亀井久興氏が「日本郵政になって以降正規職員が激減し、非正規雇用で成り立っている」と現在の日本の雇用問題にそって批判すると、それに対して「正規雇用者の給与が高すぎる」のだと。同席していた奥野史子さんはごくふだんの心情として郵便料金が安くなれば良い、と簡単に口にしていたが、結局のところ国民は安ければ良いというところに落ち着く。もちろん郵政事業は多様であってこと郵便だけで語られるものではないのだろうが、いずれにしてもサービスを変えずに地方の隅々まで事業を展開するためには非正規雇用といった人たちに頼らざるを得ないということなのだろう。

 昨日もクロネコのメール便が届いた。民間宅配業者が手を出しているこうした分野の配達人は、どうみても正規雇用ではない。どれほど収入が得られているかは知らないが、郵政の民営化は郵便料金の低価格化に向けた布石であったことは事実だ。しかしその背景で正規ではない雇用を生んだ。もちろん正規雇用者だけに世の中の金を分配すれば、そこには偏りが生じる。そういう意味では雇用の分配という面ではけして非正規雇用が悪いわけではない。そこでもう一度竹中氏の言葉を考えて見よう。けして非正規雇用を増やせと言っているわけではない。確かに結果的にそうなっていることが問題とされているが、竹中氏の言うように視点を変えなくてはならない。そもそも郵便料金をそうしないと保てないというのなら、大勢いる日本郵政の正規社員とプールにして考えるべきだ。ようは給与を下げるしかないということだ。この世の中、社民党や国民新党、そして同様な民主党の主張でこれらを解決しようとしたら、郵政を民間から国営に戻すしかなくなる。よく言われる所得を現状で維持しながら、正社員化していくのはもう無理な状態にあるのではないだろうか。ようは安定している公務員の給与ベースを下げ、それに近い関係者を減らす。いかに自分たちのサービスはこういう事情の上に成り立っているかを国民が認識するべきだろう。

 かつて地方にあって役場職員とか郵便局、そして農協などどちらかというと公的な仕事に携わった人たちは、とくに山間にあって絶滅危惧である。そうした人たちがいなくなったことで、その山間地域がますます疲弊した状態に陥っていくことを憂いたが、そうした社会に頼っていたことをわたしは考え直さなくてはならないと思うようになった。おそらく社民党や民主党に限らず自民党内にも多くの反竹中派がいるのだろうが、正規に照準を置いた所得ベースで物事を語ろうと思ってもますます格差は広がるだろう。このままの考え方で政権交代をしたら、さらなる格差社会へ向かっていくのかもしれないとどれほどの人が気がついているだうか。絶対実現することはないだろう竹中平蔵内閣ならどういう日本を描くのだろう。
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