Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

平日のワンマンカー

2008-10-18 22:27:03 | つぶやき
 昨日は妻の実家で急きょ脱穀をするということになって、会社を午後休んだ。ところが午後休むとはいっても妻の実家まで車で30分ほどかかるし、会社から自宅までは電車で1時間かかる。ということで、せめて午後2時くらいには脱穀に合流できるような電車はないかと探すと、ほぼ1時間に1本走っている電車が、なぜかこの時間帯には間隔が長い。午前11時30分ころの電車に乗るものの、自宅のある駅まで1時間20分もかかる。不思議なことに、交換のためでもないのに駒ヶ根駅で15分以上停車する。まさに昼間の電車はのんびりな動きである。自宅に着くのは午後1時過ぎで、そこで昼をとって脱穀に向かう。

 そんな真昼間の平日の電車に乗ることはめったにない。休日ならともかく、平日の電車はどうなんだろうと興味もわく。なによりお年寄りの姿が多いとともに、それはおもに女性である。お年寄りといっても今や80歳くらいなら免許を所持している人が多い。それでも女性はまだまだ免許を誰でも持つという世代ではなかった。事実わたしの母も免許は持っていない。まだ80歳にはとどかないが、近所の母の世代は免許を持っていない人の方が多い。15分ほど停車した駒ヶ根駅で、またお年寄りが乗車して来た。開いたままになっているドアの外で、電車に乗るのに苦労している。東京の電車と違って、ホームと電車の床の面には段差が大きくついている。この段差がけっこう大変なのだ。荷を背負ったおばあさんはドアの内側の床に手をついてまさに「よっこらしょ」という具合に登った。ふとわたしと目が合って、にこりと笑っているのだ。「年寄りはしょうないもんだに」と言わんばかりに・・・。たった1尺弱の高さだが、お年寄りにとってはこの段差さえ一苦労なんだと気がつく。

 わたしの座った席の反対側では、もう少し若い年配の女性が2人で世間話をしている。その会話に「ハイヤー」という言葉が登場した。最近はすっかり聞かなくなった言葉である。昔はよく聞いたし、恥ずかしい話だが自分も使った覚えがある。そしてよくこんな話をしたものだ。タクシーとハイヤーの違いは?、というものである。だいたいが地方の小さな町にタクシーなどというものはなかったのだ。駅前に会社はあったが、電話をもらっては迎えに行くというスタイルが一般的だったのかもしれない。大きな町のタクシーとは、営業スタイルが異なっていた。なぜそれをハイヤーといったか。「道路運送法においては、ハイヤーを定義する条文は特に存在せず、ハイヤーはタクシーの一種として位置づけられている」とウィキペディアでも述べている。また「タクシーを「ハイヤー」と呼ぶのは都市部以外に在住する者や高齢者が多く、最近では「タクシー」と称することが多くなってきている」と記述している。「最近では」というよりすでにそう呼ぶ人はかなり限られているようだ。

 平日の電車、それもワンマンということで、乗り方も降り方も迷う乗客の姿を必ず見る。それでも自宅の駅に近くなると、乗客がまばらになるのはいつもと変わりない。
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