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建築確認申請手数料

2007-07-19 08:27:56 | つぶやき
 この6月20日から全国いたるところで建築確認申請の手順が変更された。姉歯建築設計事務所の不正行為のおかげで、建築確認がずいぶん面倒なことになったようだ。何が変わったのかおおまかなところは次のような点という。

(1) 構造計算適合性判定制度の導入
構造計算書の偽装等を防止するため、高さ20mを超える鉄筋コンクリート造の建築物など一定の高さ以上等の建築物については、第三者機関による構造審査(ピアチェック)が義務付けられます。
(2) 構造計算適合性判定制度の導入に伴い、建築確認の審査期間が延長されます。
(21日間→35日間、ただし、詳細な構造審査を要する場合には最大で70日間)
(3) 建築確認や中間・完了検査に関する指針が告示で定められ、建築主事や民間機関の確認検査員はこれに従って適正に業務を行うことになります。
従来、設計図書に関係法令に適合しない箇所や不整合な箇所がある場合には、建築主事等が申請者にその旨を連絡し、補正させた上で確認するという慣行がみられましたが、こうした慣行が偽装問題等の一因となっていたことを踏まえ、指針においては、誤記や記載漏れなどを除き、図書の差替えや訂正がある場合には、再申請を求めることとしています。したがって、申請前に設計図書のチェックを十分に行うことは当然のこと、あらかじめ建築計画の内容を確定した上で、確認申請を行う必要があります。
(4) 3階建て以上の共同住宅については、中間検査が義務付けられます。
(5) 確認申請に係る建築設計に複数の設計者が関わっている場合には、責任を明確にするため、確認申請書の設計者欄に全員の氏名等を記載することとします。

というものである。ようは、一定規模以上のものについては審査や検査が厳しくなるというものである。加えて申請手続きに時間がかかるとともに、今までは審査中に差し替えなり訂正が行われていたものが基本的な部分の訂正は、書類の再提出が義務化されるというのだ。偽装があらゆる世界で当たり前のようになると、きっと同様な審査形態はあちこちに波及するかもしれないが、そうしないとお役所がだまされてしまうというところに大きな問題があるわげた。人命にかかわるような重大な問題だと思えば、そんな偽装のできないような体制をつくることは必要なんだろうが、まさにこの国らしい国民性が失われた場面だと思うわけだ。

 こうした改正はともかくとして、あれほどこの問題が報道され続けていたのに、建築確認申請の変更についてはどれほどの一般人が認識しているだろう。もっともわたしが問題にしたい点は、この機会に建築確認申請手数料が変更されることだ。お役所側が今までの手数料ではまともな確認申請ができないと認めたようなもので、「それでい良いの」と思う人はいないのだろうか。この手数料に関して検索してみると、この機会に手数料全体を見直している自治体もある。はたしてこれまでと比較してどうなのか、そこまで調べては見なかったが、一定規模以上というやつは手数料が上がるわけだ。もともと手数料とは何に使われているものなのか疑問はあった。世の中のお役所の手数料というものがすべてそういうように見えてくるが、ではお役所とは何のためにあるのか、ということにも発展する。税金で補われているサービス業なんだから手数料なんてなくて等しいくらいのもので良いように思うのだが、そこまでは言わないものの、偽装があったから手数料をあげてよく審査します、なんていう流れはちょっと許せないなー。
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