「同じ穴のムジナ」という言葉があるが、実はムジナとはどんな動物なのか、おそらく多くの人はわからないはずだし、わたしも見たことはない。先日中条村の上段を長野市七二会にに向かう県道を走っていると、前をタヌキが横切った。おそらくタヌキという程度で、絶対タヌキだったとは言えない。明らかに姿形がことなる動物ならともかく、似たような動物は人によっても認識がことなる。犬といったって多種多様でタヌキとアナグマ、ピレネーと豆シバを比較したらどう考えたって前者の方が見た目は仲間だ。
「weekly iida」という無料で配布される新聞の3/29号に、動物写真家の宮崎学氏がこのムジナのことを触れている。伊那谷のある山村でのおじいさんの話、「ムジナが来てなぁ、悪さをするんだに」という。その正体について、宮崎氏は何度も確認をするのだ。
①宮崎 「それはアナグマですか」
じいさん「アナグマでない。ムジナ」。
②宮崎 「じゃあ、タヌキですか」
じいさん「いや、タヌキでない。ムジナ」。
③宮崎 「それではマミっていうやつですか」
じいさん「いや、マミじゃなくてムジナだに」。
④宮崎 「じゃあ、ハチですか」
じいさん「いんねムジナなぁー」
⑤宮崎 「おじいさん、そのムジナは背中に漢字の八の字模様がありますか」
じいさん「それは、ハチダヌキであって、出てくるのはムジナだに」
と、まあ漫才のようなやり取りをしている。
おじいさんはアナグマもタヌキもマミもハチもハチダヌキ、そしてムジナもすべて違うものと認識して答えているのかどうか、ということになる。宮崎氏が問うたように八の字のあるハチダヌキのことは知っているようだから、どこまで本当なのかよくわからないのである。そこで宮崎氏は自分の目で確かめてみようということになる。
結局タヌキだったようなのだが、わたしにもタヌキとアナグマの違いくらいはわかる。にもかかわらず、おじいさんはムジナと言い張ったわけだから、本当はムジナをおじいさんは見たのかもしれない。謎である。
実はやり取りをしている動物のうち、①と③はアナグマのことで、あとの②④⑤はみなタヌキのことなのである。ということはおじいさんのいうムジナはタヌキでもアナグマでもないのだ。『ウィキペディア(Wikipedia)』でも触れているように、ムジナはアナグマのことを指すという。しかし、地方によってはタヌキのことをそういったり、ハクビシンのことをそういったりするというから、はっきりした実像にならないのだ。わたしたちのように似たようなものを総称してそう言ってしまう、というのならムジナでもよいのだが、おじいさんは明らかにアナグマでもタヌキでもないと言っているから楽しいのだ。ではハクビシンか、ということになるがはっきりしない。
山梨県の『富士吉田市史 民俗編 第二巻』に「村はずれのお堂にオバケが出るというので、鉄砲撃の名人が退治する事になった。バケモノは「よく来たね」といって明りの側で笑っている。いくら打っても手ごたえがなく、最後の1つになったので鉄砲撃は考えた。明りがバケモノだという話を思い出して打つと悲鳴があり、明りは消えた。夜が明けて見ると、大きなムジナが死んでいた。」とある。また、同じ山梨県の『高根町誌 通史編 下巻』には、「西割にとんべいさんという人がいた。ある秋の夜「とんべいさん、とんべいさん」とムジナが呼んだ。外に出ると誰もいない。それを繰り返す。「誰だ」と言ってもムジナは返事ができないらしい。」というようなものもある。実は伝承にムジナはよく登場する。その場合のムジナとは、どんな動物だったのだろう。
「weekly iida」という無料で配布される新聞の3/29号に、動物写真家の宮崎学氏がこのムジナのことを触れている。伊那谷のある山村でのおじいさんの話、「ムジナが来てなぁ、悪さをするんだに」という。その正体について、宮崎氏は何度も確認をするのだ。
①宮崎 「それはアナグマですか」
じいさん「アナグマでない。ムジナ」。
②宮崎 「じゃあ、タヌキですか」
じいさん「いや、タヌキでない。ムジナ」。
③宮崎 「それではマミっていうやつですか」
じいさん「いや、マミじゃなくてムジナだに」。
④宮崎 「じゃあ、ハチですか」
じいさん「いんねムジナなぁー」
⑤宮崎 「おじいさん、そのムジナは背中に漢字の八の字模様がありますか」
じいさん「それは、ハチダヌキであって、出てくるのはムジナだに」
と、まあ漫才のようなやり取りをしている。
おじいさんはアナグマもタヌキもマミもハチもハチダヌキ、そしてムジナもすべて違うものと認識して答えているのかどうか、ということになる。宮崎氏が問うたように八の字のあるハチダヌキのことは知っているようだから、どこまで本当なのかよくわからないのである。そこで宮崎氏は自分の目で確かめてみようということになる。
結局タヌキだったようなのだが、わたしにもタヌキとアナグマの違いくらいはわかる。にもかかわらず、おじいさんはムジナと言い張ったわけだから、本当はムジナをおじいさんは見たのかもしれない。謎である。
実はやり取りをしている動物のうち、①と③はアナグマのことで、あとの②④⑤はみなタヌキのことなのである。ということはおじいさんのいうムジナはタヌキでもアナグマでもないのだ。『ウィキペディア(Wikipedia)』でも触れているように、ムジナはアナグマのことを指すという。しかし、地方によってはタヌキのことをそういったり、ハクビシンのことをそういったりするというから、はっきりした実像にならないのだ。わたしたちのように似たようなものを総称してそう言ってしまう、というのならムジナでもよいのだが、おじいさんは明らかにアナグマでもタヌキでもないと言っているから楽しいのだ。ではハクビシンか、ということになるがはっきりしない。
山梨県の『富士吉田市史 民俗編 第二巻』に「村はずれのお堂にオバケが出るというので、鉄砲撃の名人が退治する事になった。バケモノは「よく来たね」といって明りの側で笑っている。いくら打っても手ごたえがなく、最後の1つになったので鉄砲撃は考えた。明りがバケモノだという話を思い出して打つと悲鳴があり、明りは消えた。夜が明けて見ると、大きなムジナが死んでいた。」とある。また、同じ山梨県の『高根町誌 通史編 下巻』には、「西割にとんべいさんという人がいた。ある秋の夜「とんべいさん、とんべいさん」とムジナが呼んだ。外に出ると誰もいない。それを繰り返す。「誰だ」と言ってもムジナは返事ができないらしい。」というようなものもある。実は伝承にムジナはよく登場する。その場合のムジナとは、どんな動物だったのだろう。