=HITORIGOTO=旅するココロ

 金沢→能登→東京…暮らしでのこと

鍛える…

2005-12-27 | バリ舞踊
12月半ばの新聞記事で宮大工棟梁の小川三夫さんのお話しが。
「棟梁は、いろんなことをわかっていなくてはならない。でも、人間、素直にものにふれていれば、知識はなくても、さまざまなことがわかってくる。逆に、なまじっか知識があると、素直にものにふれることができないんだな」
 ほかに、ビートたけしさんとの対談したなかで、
「たけしさんは、修業時代、師匠から「ほかに何もしなくていいからタップだけ踏んどけ」と言われたそうだ。芸人にとって最も大切な「間」を体得するためらしいのだが、おれらも「ひまがあれば刃物を研げ」だ…」とあった。

 これを読んでいて、私は「踊り(バリ舞踊)」のことをなぜか思った。
 仕事もして、建築の勉強もしているけれど、今年1年をふりかえって、いちばん自分を磨いてくれたと感じたのは、踊りだと思う。うまい、下手と言えば、それはそれは踊りを習っています…なんて口にするのも恥ずかしい位だし、稽古しても、思うように動かない身体…にもどかしい思いをしていることも確かだ。趣味…のお稽古事ではあるけれど、学んだこと、踊りを通して自分を知ったことは数え切れない。
 踊りでは、知識はあるにこしたことがないというレベルで、人のこころを打つ踊りは、そんなところを超えたところの存在で、それを感じるのも、表現するのも、自分の心と体…でしかない。(かっこいいことばっかり言ってても自分とは遠いところにあって、こう書くのも恐縮する一方ですが…)
 「間」を体得…、踊りの稽古では、そういうことが随所に凝縮されている。
 今の仕事をするかぎり、そういったことを学ぶ場は少ない。
「慣れ」てきたなぁと、気持ちを引き締めるために、本を読んだりするけれど、そういったものよりも、「間」を学ぶということも含めて、踊りは「人間」そのもののチカラを鍛える。もともと運動不足対策で始めたことだけれど、それは身体よりもずっとずっと精神をも鍛えてくれているように思う。(20051227)

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