お好みインタビュー:天知茂
一日四食が健康法
(前半)
テレビ・ドラマにレギュラー出演している人が舞台へ出るとなると、公演のけいこが始まる前はたいへんな忙しさです。舞台公演は約一ヶ月、その前の準備期間を入れると約一ヶ月半近くテレビの撮影が出来なくなるので、何本かの番組の撮りだめをしなければならないからです。今月の天知茂の場合も、彼が主演している人気番組「非情のライセンス」を、九月下旬までに放送する分を撮っておかなくてはならないから、大げさにいうと昼夜兼行のあわただしさで撮りだめに励みました。そんなある日のひととき、会田刑事こと天知茂に会ってみました。
――朝早くから夜遅くまで東映の撮影所通いだそうですね。
今月は二十四、五日ごろから八月公演のけいこに入らなきゃならないし、九月下旬分までのものは撮っておかなくてはならないので、七月に入ってからは四日に一本の割り合いで撮りあげています。そんなわけで撮影の班をいくつかに分けて、僕はあっちへ行ったりこっちへ行ったりして撮影を進めたわけです。連日、朝は八時ごろから夜は九時すぎまで、それも大泉の撮影所で撮ったり、都内のロケをしたりでめまぐるしいですね。疲れちゃうといけないから朝はギリギリまで寝ていて、車の中で食事をしたり衣裳を着たり、メーキャップまで車の中でするんです。
――今度は初めて舞台化する「非情のライセンス」、またたびものの「弥太郎笠」と、現代もの、時代もので取り合わせが面白いですね。
もう三十年近く役者をやっていますが、僕は時代劇が多いんです。「非情のライセンス」はことし四年目の番組で、なんとか舞台にのせてみようということで企画したんですが、花道のある劇場でああいう現代ものが違和感なしにうまく出来るかどうか、ちょっと心配な面もあるんです。渡辺文雄さんや左とん平さんといったテレビの常連が出るので、気が楽なところもあるんですがね。テレビでもやったことのない二役をやって、なんとか楽しんでいただけるものにしたいと思っています。「弥太郎笠」は典型的なやくざもので、奇をてらわずにまともにぶつかってやってみようと思っています。これまでいろいろな方がやっている作品なので、比較されるでしょうからやりにっくいことはやりにくいんですがね。
――明治座への出演もことし四年目ですが、一年の大半をテレビに出ていて、たまに舞台へ出るというのは俳優としてどうですか。疲れるんじゃないですか。
テレビ・ドラマの連続ものを作るということは、いわばベルト・コンベアー式のシステムでないとだめなんですね。僕たち俳優も含めてすべての人が、同じコンベアーに乗っているようにして仕事を進めていかないとだめなわけですよ。途中で僕だけベルトから降りられないんです。でも、年に何回かはそのベルトから降りたいですよ。また、ときにはベルトを止めないと故障も起きます。
僕の舞台公演はベルト・コンベアーから降りて、新しい空気を吸うようなものです。舞台を終えてテレビに戻るとテレビがまた新鮮なものに感じられるんです。
(後半に続く)
*今となってみれば「そんなに身を粉にして働かなくても・・・」と思ってしまうのだが、そのおかげで20年以上経っても毎日どこかでご尊顔を拝することができるのだから(でもってこんなブログを作れてしまうのだから)ここは感謝せねばなるまい。
*「非情のライセンス」の舞台は原作「兇悪の眼」がベースで、天っちゃんは会田刑事のほかクロード・東という名の殺し屋を演じているらしい。しかしクロードってあれだろうか、角刈りのロベール(@黄金仮面)みたいなもんなのだろうか。
一日四食が健康法
(前半)
テレビ・ドラマにレギュラー出演している人が舞台へ出るとなると、公演のけいこが始まる前はたいへんな忙しさです。舞台公演は約一ヶ月、その前の準備期間を入れると約一ヶ月半近くテレビの撮影が出来なくなるので、何本かの番組の撮りだめをしなければならないからです。今月の天知茂の場合も、彼が主演している人気番組「非情のライセンス」を、九月下旬までに放送する分を撮っておかなくてはならないから、大げさにいうと昼夜兼行のあわただしさで撮りだめに励みました。そんなある日のひととき、会田刑事こと天知茂に会ってみました。
――朝早くから夜遅くまで東映の撮影所通いだそうですね。
今月は二十四、五日ごろから八月公演のけいこに入らなきゃならないし、九月下旬分までのものは撮っておかなくてはならないので、七月に入ってからは四日に一本の割り合いで撮りあげています。そんなわけで撮影の班をいくつかに分けて、僕はあっちへ行ったりこっちへ行ったりして撮影を進めたわけです。連日、朝は八時ごろから夜は九時すぎまで、それも大泉の撮影所で撮ったり、都内のロケをしたりでめまぐるしいですね。疲れちゃうといけないから朝はギリギリまで寝ていて、車の中で食事をしたり衣裳を着たり、メーキャップまで車の中でするんです。
――今度は初めて舞台化する「非情のライセンス」、またたびものの「弥太郎笠」と、現代もの、時代もので取り合わせが面白いですね。
もう三十年近く役者をやっていますが、僕は時代劇が多いんです。「非情のライセンス」はことし四年目の番組で、なんとか舞台にのせてみようということで企画したんですが、花道のある劇場でああいう現代ものが違和感なしにうまく出来るかどうか、ちょっと心配な面もあるんです。渡辺文雄さんや左とん平さんといったテレビの常連が出るので、気が楽なところもあるんですがね。テレビでもやったことのない二役をやって、なんとか楽しんでいただけるものにしたいと思っています。「弥太郎笠」は典型的なやくざもので、奇をてらわずにまともにぶつかってやってみようと思っています。これまでいろいろな方がやっている作品なので、比較されるでしょうからやりにっくいことはやりにくいんですがね。
――明治座への出演もことし四年目ですが、一年の大半をテレビに出ていて、たまに舞台へ出るというのは俳優としてどうですか。疲れるんじゃないですか。
テレビ・ドラマの連続ものを作るということは、いわばベルト・コンベアー式のシステムでないとだめなんですね。僕たち俳優も含めてすべての人が、同じコンベアーに乗っているようにして仕事を進めていかないとだめなわけですよ。途中で僕だけベルトから降りられないんです。でも、年に何回かはそのベルトから降りたいですよ。また、ときにはベルトを止めないと故障も起きます。
僕の舞台公演はベルト・コンベアーから降りて、新しい空気を吸うようなものです。舞台を終えてテレビに戻るとテレビがまた新鮮なものに感じられるんです。
(後半に続く)
*今となってみれば「そんなに身を粉にして働かなくても・・・」と思ってしまうのだが、そのおかげで20年以上経っても毎日どこかでご尊顔を拝することができるのだから(でもってこんなブログを作れてしまうのだから)ここは感謝せねばなるまい。
*「非情のライセンス」の舞台は原作「兇悪の眼」がベースで、天っちゃんは会田刑事のほかクロード・東という名の殺し屋を演じているらしい。しかしクロードってあれだろうか、角刈りのロベール(@黄金仮面)みたいなもんなのだろうか。