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「学問のすすめ」の主張は何か

2013年11月19日 | 本と雑誌

 

 学級では、古文や名文と言われる文章に触れる機会を作っている。


 最近読んでいるのが、「学問のすすめ」である。読めば読むほど分からなくなることがある。


 福沢諭吉著「学問のすすめ」と言えば、

「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」と言えり。という一文が有名である。

 なぜこの一文が有名なのかが分からない。本当に伝えたい主張はここではないはずだからである。


 「学問のすすめ」は、次のように始まる。



 「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」と言えり。

 されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。

 されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。

 その次第はなはだ明らかなり。『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。

 されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。



 どちらかといえば、この

「されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。」


 の方が、福沢諭吉の主張にあっている。


 「 学べば賢人、学ばなければ愚人になる。(だから学問をすすめているのだよ。)」


 というのが、福沢諭吉の主張であろう。

 
 
 書き出しの「天は~」が福沢諭吉の主張ではないはずである。

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