TRITON

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紙屋町さくらホテル ~演劇の時空~

2016年07月15日 07時50分31秒 | ひとりごと
紀伊国屋サザンシアター
2016.7.13 開演13:00



これは
反戦の歌劇であるとともに
演劇に対する讃歌である




このお芝居を観たのは
2回目
1回目は10年前のようだ
(10年ぶりの再演とのこと)

冒頭のシーンはまったく記憶になかった

古橋役の役者さんの顔と声が
ちょっとシリアスなシーンにはそぐわなくて
(その分、悲しいシーンではそれが救いになったが)
客席の方を見ながらしゃべられると
少し違和感があって可笑しかった


野田秀樹の舞台との違いを述べると
野田の舞台では役者の個性が全面に出るが
井上ひさしの舞台では
非常に分厚い戯曲(と演出)の上に乗って役者が動いている
と言うことができるだろうか
圧倒的な資料の質量の存在を感じる


初見の時とはまた違って見えた


戦争の(原爆の)悲惨さを描きながら
芝居をすることの楽しさ
初めて舞台を作り上げていくときめきのようなもの
も同時に描かれている

戦争に突き進む国家としての人間は非情で残酷だが
個々に目を向けていくと
どうしてもおおもとのところでは
愛すべき人間性を見つけ出さずにはいられない
そんな作者のまなざしを感じた



父と暮せばは3回観た
再演されればまた観るだろう
紙屋町さくらホテルも
またいつか観たい舞台だ


そういえば
この戯曲は文庫版にならないのだろうか
Amazonでは結構なプレミアのようだ



yと
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