金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

悲劇喜劇を読んで

2013-08-21 21:56:12 | 佐々木蔵之介さん


舞台を観たのでやっと読めた悲劇喜劇。

休憩時間が15分あって約150分だった舞台はページにすると36ページ分だったのですね。

えっこんな感じなの?っていうぐらいすぐ読めちゃいました。

じゃあ皆さんが渡される台本って厚さどれくらいになるんでしょうか。

読んでみるとアドリブも結構入っていたなと小ネタをちょこちょことそれは入れてOKだったんでしょうか?

菊千代と初めて対面するときはただその長身に目を見張るとありますが、ぼそっと「デカい。」とつぶやいてましたし。

艶やかな篠井さんの瀬川菊之丞登場ではパルコ劇場と書いてますが森ノ宮ピロティホールになってましたし(これはアドリブじゃなくて必要なセリフですものね)

観た後で読んでみるとまた舞台を思いだします。

心に残ったセリフというのが、解体新書が源内さんがあちこち駆けずり回ったおかげで出版の運びとなったとき玄白さんがなにか感謝の気持ちを表したいと言ったとき、「んー、そうだな。じゃあオレが死んだときには、何か気の利いた墓碑銘の一つも撰してくんな。」「わかりました。では明日からさっそく練ってみます。」このとき源内さんは本気で言っていたのに、玄白さんは真面目に答えていたけれどまさか源内さんが本気で言ったとは気が付いていないとおもいます。

源内さんは生き急いでいるようなところもあり、きっと誰にもみとられず一人で死んでいくのだと自分のことを考えていたのだと思います。

自分が死ぬときはそばにいてくれとは言えないので、それが玄白さんに対する精一杯の自分の本当の気持ちだったのじゃないかなあと。

人のために奔走しても自分に何の見返りも求めない。

常人にはわからないほどの度量の広さで皆のことを考えてたんだと思いました。

だから玄白さんは源内さんが亡くなって20年経っても日記で源内さんのことを思って記していたのだと思います。