アンコールトムの遺跡の南大門を入る。
振り返ると、門の頭上には、ちょっと逆光で見えにくいが、正面と残り3面に顔がある。
左:ここではマイクロバスもあるが、オートバイの引く二人乗りの輪タクが多い。
右:場内は一本道で約1kmの直線道路。その先にバイヨン寺院、そして象のテラス・雷王のテラスが続く。
開けた場所に出て来ると、左手に延々と伸びるテラス(バルコニー)。歴史家はここで戦の凱旋軍を迎えたのであろうと言う。
通称、象のテラスと言われる高台が続く。
石垣には所狭しと、浮き彫りがされている。壇上へと続く急な石段が2本、中央に3頭の象の彫刻があり、端にはライオンが鎮座している。
更に上の段にも象が6頭見える。
象のテラスに続く段の壁には、見事に彫られた仏様が並ぶ。
テラスの欄干は蛇神である。
更に続くテラスには象の浮き彫りが並んでいる。
象使いの若者もいるようだ。
高台は更に続き、今度はガルーダが並んでいる。ガルーダはヒンドウー教の神の名で、鳥の化身であり、竜(蛇)を食べ、ヒンドウー教の最高神ヴィシュヌ神を乗せている。
顔にあるとがった嘴は殆どが欠けている。
神であり、ヴィシュヌ神である王様のいるテラスを、ガルーダが諸手をあげて支えている。
右端に鼻の折れた象がいる。
本当に凄いなぁ
この石は加工がしやすいんでしょうかね
長年の風雨にさらされて、朽ち始めているものが
多いのは確かですが、これらの状態がよかったと
すれば、相当の風景であると思います。
一時にすべてができたわけではないと思いますが、
やはり相当な国力があってのことと思います。
しかし、そんな国が今は仏教の国へと..?
不思議なものです。
これらを作った王様ジャヴァルマン7世は、12世紀の初め、ヴェトナム地方のチャンパ軍を始め、周辺地域に勢力を伸ばし、ラオス・ヴェトナム・タイの一部・インドネシアの一部まで治めたそうです。約40年間続いたのですが、彼の死後はまた王様が変わり、廃墟への道をたどります。
かくて現代に至って、偉大な遺跡を残したと言います。
ガイドによると、石は砂岩で削り易いでしょうね。
砥石の荒砥のような。
完成当時は、見事な芸術品だったでしょうね。今も崩れたとはいえ、その壮大な風景は、王様の威厳と富の象徴であることを彷彿とさせてくれます。
まだ、この時代ヒンドウー教の面影がありますが、仏教国のタイ族が攻め入ってきて、仏教が蔓延したそうです。
釈迦が王子として生まれた国がヒンドウー教で、釈迦もヒンドウー教だった。そこから仏教が生まれたので、両者、よく似ていますね。