キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

「三四郎」夏目漱石

2017年05月08日 | ☆読書
連休中に「三四郎」も読了。
多少ななめ読みの部分もありましたが‥

これは、高校時代の読んでたらよかった。
熊本の高校(つまり五高、今の熊本大学ですね)を卒業して大学進学のために上京して、大学での新生活を始める三四郎に、自分も重なる。時代も場所も年齢も性別も学力も向学心も全て三四郎とは違っているけど、それでも自分の18歳の頃を思い出さずにはいられない。三四郎は23歳だけど。


好きなキャラは断然に「与次郎」。
もっと若い頃に読んでいたら、その感想だったかどうか。
三四郎とか野々宮さんがいいとか思ったかもしれない。
でも結婚するなら「与次郎」がいい。
与次郎がいなかったら、最後まで読み終われなかったかも。

与次郎ファンクラブを作ってもいいくらいだ。
漱石先生も与次郎に羨望を持ってるはず。ああいう風にはなれないけどなりたいと思っていたのではないか?




気になったことメモ

週に40コマの講義をとるとかすごすぎる。
三四郎の下宿のあった「追分」というのは、今の東大の北西側、地下鉄東大前駅のあたりか。
図書館に行ってでたらめに本を借りても、必ず誰かがその本を以前に読んでいる。こんなに本があるのに!
当時の展覧会は、靴を脱いで上がるところに展示されてたんだ。
「団子坂」の菊人形祭り。半七捕物帳にも登場していた。半七捕物帳と重なる舞台と言えば、「化け銀杏」か。舞台になった森川宿というのは、東大のあたりのはず。

年長者と屈託なく話のできる与次郎を三四郎は羨ましく思う。
彼はどうしても緊張してしまうからだ。それを三四郎は九州育ちだからと原因付けていたが、果たしてそうだろうか?実は自分も学生の頃ずっと三四郎と同じコンプレックスがあった。でも同じ熊本人でも、屈託のないのはいたからなぁ。当てにならない。


8 コメント

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三部作 (FUSA)
2017-05-08 12:10:04
三部作、読破されたんですね!
私もななめ読みしかしていません。漱石の若い頃のちょっと暗い人生や心の葛藤みたいなものはなんとなくわかったような気がします。
やっぱり私にとっては「草枕」を完全読解するのが永遠のテーマです)^o^(
FUSAさん (YOKO)
2017-05-09 14:40:19
「草枕」は熊本人としては、外せませんよね。「野分」もでしょうか。
私も草枕は2回ほど読みましたが、文章が難しくて、なかなか味わいつくせません。この三部作も難しいところはとばし読みしてます(外国語がいっぱい出てくる部分など)
草枕の道はまだ通ったことがありませんが、できればあまり現代的な整備をせずに「山道を歩きながら」当時を偲べるくらいの整備にとどめてもらいたいと思いますが、今どうなってるのでしょうか?いつか歩いてみたいものです。
Unknown (Lucy)
2017-05-10 00:32:24
大学2年の時に「それから」「三四郎」読みました。当時、大学の先輩が「夏目漱石は新聞小説だから読みやすい」と言っていて、ほぅ読みやすいのかと思って読み始めた記憶があります。
高校までは全然読んでいなくて、「こころ」が感想文の課題になって読んだくらい?その感想文に「下(先生の過去告白)が人気があるのは、ワイドショー的なゴシップをみんな好きだから」みたいなことを書いていましたねw嫌な中学生でした。

その後、彼岸過迄とか、エッセイの小品をいくつか読んで幾星霜。そういえば「門」は読んでいなかったのですが、YOKOさんの記事を読んで読みたくなりました^^
草枕の道 (FUSA)
2017-05-10 09:53:27
「草枕の道」は約16㌔ほどの山道ですが、漱石を追体験するような気持で歩いてみると実に楽しいコースです。おっしゃるように余り整備が進むと風情はだんだん失われていくでしょうね。一部は舗装された現代的な道を通りますが、今のところはまだかつての趣きを残す道程が多くを占めています。ぜひ一度チャレンジしてみてください!)^o^(
新聞小説 (YOKO)
2017-05-10 14:01:56
LUCYさん、なるほどね。ずーっとテンションが保たれていく感じは、新聞小説だからなのかも。読んでいて「ここ、そんなに力入れて書くほどのこと?」と思う箇所がいくつもあったのですが、読者が毎日毎日一定の量を読む小説と考えると納得。漱石も「書き貯め」などはせず、毎日書く量は一定にしていたという話ですし。

中学生のLucy さん面白い。でもその伝でいくと「ワイドショー的なゴシップ」がキライだから「こころ」がキライなのかもしれないwww

「門」は三四郎やそれからよりももっと何も起きません。でも、一番愛情には恵まれているかも。今の時代ならこれこそ幸福なのでは?
草枕の道 (YOKO)
2017-05-10 14:35:19
そういえば、FUSAさん前に記事にされていましたよね。

高校卒業の春休みに友達と二人で金峰山までの徒歩行軍に挑戦したことがありました。どのルートを行ったかよく覚えてませんが、多分本妙寺のあたりから山に入ったと思います。(一般的なルートなのかな?)自宅からだと道のりで往復40キロくらいだったでしょうか。

そのころ草枕など知らず、峠の茶屋も素通りでした。というかまだ復元されてなかったかもしれませんね。受験の終わった解放感でぺちゃくちゃおしゃべりしながら、楽しく山を登り、山頂で持参のおにぎり食べました。でも、市街地まで下りてきたらもう暗くなっていて、疲労困憊で街のピザ屋に入った記憶があります。

当時、阿蘇から熊本市内まで歩いて戻ってくるとかいうのが学校で始まったんですが、受験生で参加しなかったので、私たちも(距離は少し短いけど)全部徒歩で行こう!やってみよう!と出かけたんでした。でも帰り道、もしかしたらバスに乗ったかも?
いずれにしても青春してますね。元気だった。

次回挑戦するなら、近くまでは車で行って、山道だけ歩きます。有明海が見えるところまでは行ってみたいですね。漱石が見た山道からぱっとひらける景色を見てみたいです。
草枕の道(続) (FUSA)
2017-05-10 20:07:09
私も近頃は、全コースを踏破するには体力も時間も足りないので、断片的に歩こうと思っています。昨年は鎌研坂だけを歩きましたが、何回かに分けて「いいとこどり」もお勧めです)^o^(
やっぱり、鎌研坂、鳥越の茶屋、石畳の道、野出の茶屋、前田案山子の家あたりに近くまで車で行ってその前後を少し歩いて見るだけでもいいと思います。
アドバイス感謝です (YOKO)
2017-05-12 12:10:04
次回草枕の道を歩くときに参考にさせていただきます。毎回帰省時にちっとも時間がないのが辛いところです。前田案山子の家のお風呂も一度見ておきたいです。
入れたら最高なんでしょうけどね。

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