キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

グラナダ版ホームズ『悪魔の足』

2012年09月19日 | ☆グラナダ版ホームズ
ついに、日本語字幕&吹き替え版を手に入れました。
Thank you Father!(ここは、シャーロックのベネディクトさんの声で^^)
父のおかげです。

おかげで、字幕無英語音声→日本語字幕→吹替(NHK編集版)
合計3回見るという念の入れようです。
人間的生活から遠ざかります。
お父さん助けて・・・(笑)

さすがに最近は、このグラナダ鑑賞に忙しく、SHELOCKのほうを見る時間がありません。(DVDを手に入れてしまったのでちょっと満足してるのかも。)

グラナダ版をみると原作も読みたくなるし、英語音声で見ていると英語原作も確認したくなるしで、忙しくてかないません(笑)
最近テレビもほとんど見てなくて、政治情勢もよくわからなくなってしまいました。


で、「悪魔の足」ですよ。

私23年前にイギリスへ行ったときに、悪魔の足の舞台になったコーンウォール半島を見たいと思って、ペンザンスというところへ出かけたんです。
汽車+徒歩でいけるところまでしか行かなかったので、結局悪魔の足の舞台になったような荒涼としたところは見てこれずでした。
(何のために行ったのか?)

コーンウォールって、昔々超人ロックって言う漫画がありまして、宇宙のどこかの星にもコーンウォールってところがある設定でした。
・・・・・・・・・と思ったんだけど、超人ロックのは「ロンウォール」でした。
でもそれもあって、コンウォールって響きに憧れがあったのは確か。
でも行って見てどんな場所だったのか、まったく記憶に残っていません。

このドラマの舞台はなんというか、陰気な場所ですね。
海は綺麗なんだろうと思うのですが。
自殺の名所になってもおかしくなさそうな場所ですね。
そんなところに神経衰弱寸前の探偵が静養に・・?
ワトスンの知り合いのおうちを借りたようですからほかに選択肢なかったのかも。
夏なら気持ちがいいかもですが。


静養なのに、やっぱりコカインは持ってきてしまってて、誘惑に勝てないホームズ。静養自体嫌々ながらという設定だから仕方ないか。
で、ワトスンのそれに対する態度は、大人ですね。
私だったら絶対口出ししちゃうんだろうな

「またコカイン持ってきたの?静養に来てるのにそんなもの必要ないでしょう?体を悪くするだけだし。お願いだから、やめて頂戴。」とか何とか。ガミガミ、クドクドw

でもワトスンは、何もいわずに「荷物見てくる」って。
おとなです。
こういう態度のほうが、こたえるのかもしれませんね。

そして、いっしょに散歩中、古代の墓標を見ながら
「この海と同じで、われわれだっていつも死と隣りあわせだ」
っていい台詞ですね。

英語でなんていってるか、調べました。

Sherlock Holmes: [In a depressive stone as he stares at an old grave marker overlooking the sea] Weather-pitted slabs of granite, ancient tombs scattered throughout the length and breadth of this peninsula.
Dr. John Watson: Like the sea, I suppose, death is always with us.
Sherlock Holmes: [Holmes stares intently at Watson before answering] Quite so.

引用元
http://www.imdb.com/title/tt0685621/quotes

pitted:穴の開いた、くぼんだ
slab:石板
granite:花崗岩
scatter:まきちらす
throughout:到處
breadth:横幅


このワトスンの含蓄ある台詞が、ホームズにかなりの影響の与えたのか、ホームズはこの静養中にコカインと縁を切る決断をするんです。
注射器を砂浜に埋める儀式・・・

これって、山口百恵とかレスリーが引退コンサートでマイク封印儀式したようなものですよね。(ちがいますね)人は儀式を欲するんでしょうかねー。

このシーンでも、そのあとの実験後のランプを崖から海に向かって投げ捨てるとか、この時代の人はガラスでその後の人が怪我をするとか気にも留めてないんでしょうね。

そうそう、コロンボでも、かの名作「別れのワイン」で高温のためダメになった高価なワインを夜中に海にバンバン捨てるシーンがありましたけど、あれもとっても気になった。
70年代のアメリカ人もそういうことしたんですね。
殺人者だから?
それともアメリカが広大な国土を持ってるから気にならないのかしら?


あ、ぜんぜん話がそれてしまいました。


そういうわけで、コカインと決別したのはよかったですね。
子供たちのヒーローだし(違)
やっぱり現代の視点で見てしまうと、薬物に手を出してその力を借りてハイになってるとか、痛々しくて見ていれないですもの。
中毒にはなってなかったのかしら??


捜査の途中、事件現場の家政婦ポーター夫人から話を聞く場面、ホームズはとても優しげです。銀星号事件のメイドに話を聞くときもそうだったし、ホームズは職業上のテクニックってこともあったと思いますが、聞き込みがとてもうまいですね。とくに事件を目撃してショックを受けているような女性から話を聞きだすのを心得ています。

かたや、現代版のホームズは・・・
SHERLOCKの0203-ライヘンバッハの寄宿学校のシーンで、まったく逆のアプローチで聞き込みしてますね。圧迫聞き込みw
あれも作戦なんだろうけど、グラナダホームズ(というか正典ホームズ)の域に達するにはまだまだ修行が必要なようです。


悪魔の足の最大の見所は、あの「実験」です。
原作では、ホームズとワトスンが二人ほぼ同一条件下で実験に臨むのですが、グラナダではホームズばかりが薬の影響を受けたような演出でしたね。

なので、ワトスンに「すまない」って謝る説得力が若干欠けた気もしますけど、いかがでしょうか?
二人とも幻覚見て、あわあわ~~ってならないとなぁ・・・。
ちょっと不満。
せっかくのいい話なのに。


で、ラスト。
「恋愛経験はないけれど、もしあったとしたら自分も同じようなことをする。」
って、この台詞いいですねぇ。
決してそういう感情をもてない人というわけじゃないんだろう、と思わせてくれる台詞なので、好きです。
恋愛できない、そういう感情がない、ってやっぱり機械みたいでつまらない。
でも、持てるけど持たない選択をしてきたんだ。
というんだったら話が別になってきますよ。

個人的に、アイリーネ・アドラーでは嫌なんですけど、
もっと以前に、ホームズ物語が語られるずっと以前に、(彼の青春時代とか)そういうドラマがあるのは、いいかな~と思っています。
兄嫁に恋していたといわれる夏目漱石みたいな感じで、成就しないんだけど、一応ちゃんと経験としてあって、結局一生それを超えるものがなかったというようなことにしておいてほしいです。
お相手はバイオレットさんということでオッケーです。

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