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自由が丘駅前のイタリアン、マダムのひとりごと

相場英雄著 ガラパゴス

2016年04月24日 | マダムのひとりごと
「震える牛」や「血の轍」の原作者、相場英雄さんの新作ですよ。

震える牛で事件解明したメモ魔の刑事田川さんがまた登場。この手の刑事さんにやたら弱い私、その操作はまさにアナログで派手さはないけど、緻密で真相に迫っていきます。

さて今回田川刑事が追ったのは、2年間名無しで放置されていた若い自殺者の件。これが他殺だと察知した田川刑事が真相を追います。

殺されたのは車の部品メーカーをはじめ派遣社員として部品並みの扱いをされていた沖縄県の若者。くさった環境でも周りを励まし、自分の綺麗な世界を保とうと踏ん張る良い人でした。

一刻もはやく、彼を沖縄の地に帰してやりたいと踏ん張る田川刑事の活躍ぶりがすごいですよ。

この小説のキーワードは4つ。

1.派遣社員の現状。部品のように扱われ搾取され続ける日々。

2.派遣の中でも殺された人のように本来の自分をキープできる人、夢を見れる人。一方ですべてに悲観的になり、弱いものを売って社員側に近づこうとする人がいるということ。

3.弱いものを売る人を利用する社員、管理側の人間たち。

4.大手会社の不正、粉飾。

すべてを語るとネタバレになりますが、この4つのキーワードがかかわりあって、これを田川刑事がひも解いていきます。

派遣社員の現状、日本にも蔓延する格差の現状。昔みたドイツ映画Sを思い出させました。

人間はその立場によって、いかようにも変われる。環境が人を作ってしまう恐怖を感じます。


お勧めですよ。是非読んで。

これを読んだ翌日の朝刊で、三菱自動車の事件を知りました。三菱よ。。。おまえもか!と。これで三菱自動車は2度目。しかもリコールのさなかに今回のマイレージの粉飾をしていたことになり、完全にアウトかと思いますよ。何が楽しくて仕事をしてるのか?疑問中の疑問です。

昨日の賄い:鶏の胸肉のソテーガレット風、トマトと玉ねぎのサラダ、ピーマンと蕪の葉の炒め物、梅干し。

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