また間が空いてしまいましたが、長期熟成についての続き。
まずは補足から。
長期熟成(その1)で、生酒は酵母が生きているから生物による熟成が進む、と
書きましたが、そもそも酵母によるアルコール発酵は「嫌気的」な変化ですから、
生酒が酵母により熟成する過程においても、空気は必要ないはず。
ですから、生酒の熟成においても「酒が呼吸する」という表現はありえないでしょう。
結局、生酒にも蒸留酒にも、呼吸をするような生き物はいない、ということ。
言い換えると、空気に触れさせる意味は薄いのではないかということ。
さて、本日の本題、化学変化について。
前に書いたように、焼酎の成分は「水」と「アルコール」と微量の「旨み成分」です。
化学変化をおこすとすれば、これらの物質ということになります。
まず「水」なんですが、水はそれ自体では変化は少ないものの、微量の他の成分を
含んでいますから、それらが劣化することは考えられます。
割り水をしてしまうと、それによる影響がでやすくなるでしょうから、原酒のまま
での保存がよいのかもしれません。
実際に蔵元で貯蔵しているのは、原酒のままが多いですよね。
次に「アルコール」。
アルコールと言うと、飲めないものを多く含んだ表現になりますから、正確には
「エタノール」ということです。
まず、エタノールは揮発性があるため、空気に触れていると量が減ってしまうので、
その点では密閉がよいかと。
また、エタノールが酸化するとアセトアルデヒドに代わりますが、これは人体に
有害なので、味の変化以前の問題かと…。
なお、密閉条件下でエタノールが旨み成分へ変化するなんて聞いたこともないので、
何にせよエタノールの長期保存にとって、空気と触れることに利点はないものと
思います。リスクに対する長期貯蔵の必要性は薄そうです。
さて、問題の、微量の「旨み成分」。
これって何なんでしょう?
よく聞くのが「高級脂肪酸」という言葉。要は、油分。
脂肪酸の中でも元素記号のC(炭素)を多く含むものを「高級」と呼ぶのだそう
ですが、どうしてもCと聞くと「酸化=劣化」というイメージが湧いてきます。
実際に、濾過が薄くて焼酎の華が浮いているような焼酎は、酸化して腐りやすい
と聞きますので、基本的に空気と触れるのはよくないんでしょう。
例えば肉などは腐る前が一番おいしいなんていいますが、まさか酸化して劣化する
ことで焼酎が旨くなってるなんてことはないですよね…。
酸化しないにしても、油分って、長期間置くことにより旨くなるんでしょうか?
そして、他には旨み成分として、何が入ってるのでしょうか?
長く置いておくだけで旨みが増すような成分が入っているんでしょうか?
化学変化において、「長期間でじわじわ変化する」のって、あるんでしょうか?
一番大事なところで投げやりですが、経年による化学変化により旨み成分が増すと
考えた場合、何が、どんな変化をするんでしょう???
水とアルコールが変化しないと考えた場合、やはり微量の旨み成分の変化に
夢を託すしかない訳で、とはいえ実際それらの変化について素人は説明できない
でしょうから、その辺に長期熟成の未解決な部分、ロマンを残すことになるんで
しょう。
沖縄の泡盛は、長期熟成させると旨くなると言います。
その際に、濾過は控えめに、度数は原酒のままで、そして甕貯蔵で、というのが
よいとされているようです。
濾過を控えめにすることにより旨み成分を多くし、原酒のままで割り水の影響を
廃して、甕により若干の空気の影響を受けさせる、と考えた場合、
やはり旨み成分自体が何らかの変化をすることを期待しているように思います。
私の文章、中々終わらないですね…。
あと、「水とアルコールの分子の結合」と、良くも悪くも「劣化」について書こうと
思っています。
ああ、長いな…、(その4)へ続きます…。
まずは補足から。
長期熟成(その1)で、生酒は酵母が生きているから生物による熟成が進む、と
書きましたが、そもそも酵母によるアルコール発酵は「嫌気的」な変化ですから、
生酒が酵母により熟成する過程においても、空気は必要ないはず。
ですから、生酒の熟成においても「酒が呼吸する」という表現はありえないでしょう。
結局、生酒にも蒸留酒にも、呼吸をするような生き物はいない、ということ。
言い換えると、空気に触れさせる意味は薄いのではないかということ。
さて、本日の本題、化学変化について。
前に書いたように、焼酎の成分は「水」と「アルコール」と微量の「旨み成分」です。
化学変化をおこすとすれば、これらの物質ということになります。
まず「水」なんですが、水はそれ自体では変化は少ないものの、微量の他の成分を
含んでいますから、それらが劣化することは考えられます。
割り水をしてしまうと、それによる影響がでやすくなるでしょうから、原酒のまま
での保存がよいのかもしれません。
実際に蔵元で貯蔵しているのは、原酒のままが多いですよね。
次に「アルコール」。
アルコールと言うと、飲めないものを多く含んだ表現になりますから、正確には
「エタノール」ということです。
まず、エタノールは揮発性があるため、空気に触れていると量が減ってしまうので、
その点では密閉がよいかと。
また、エタノールが酸化するとアセトアルデヒドに代わりますが、これは人体に
有害なので、味の変化以前の問題かと…。
なお、密閉条件下でエタノールが旨み成分へ変化するなんて聞いたこともないので、
何にせよエタノールの長期保存にとって、空気と触れることに利点はないものと
思います。リスクに対する長期貯蔵の必要性は薄そうです。
さて、問題の、微量の「旨み成分」。
これって何なんでしょう?
よく聞くのが「高級脂肪酸」という言葉。要は、油分。
脂肪酸の中でも元素記号のC(炭素)を多く含むものを「高級」と呼ぶのだそう
ですが、どうしてもCと聞くと「酸化=劣化」というイメージが湧いてきます。
実際に、濾過が薄くて焼酎の華が浮いているような焼酎は、酸化して腐りやすい
と聞きますので、基本的に空気と触れるのはよくないんでしょう。
例えば肉などは腐る前が一番おいしいなんていいますが、まさか酸化して劣化する
ことで焼酎が旨くなってるなんてことはないですよね…。
酸化しないにしても、油分って、長期間置くことにより旨くなるんでしょうか?
そして、他には旨み成分として、何が入ってるのでしょうか?
長く置いておくだけで旨みが増すような成分が入っているんでしょうか?
化学変化において、「長期間でじわじわ変化する」のって、あるんでしょうか?
一番大事なところで投げやりですが、経年による化学変化により旨み成分が増すと
考えた場合、何が、どんな変化をするんでしょう???
水とアルコールが変化しないと考えた場合、やはり微量の旨み成分の変化に
夢を託すしかない訳で、とはいえ実際それらの変化について素人は説明できない
でしょうから、その辺に長期熟成の未解決な部分、ロマンを残すことになるんで
しょう。
沖縄の泡盛は、長期熟成させると旨くなると言います。
その際に、濾過は控えめに、度数は原酒のままで、そして甕貯蔵で、というのが
よいとされているようです。
濾過を控えめにすることにより旨み成分を多くし、原酒のままで割り水の影響を
廃して、甕により若干の空気の影響を受けさせる、と考えた場合、
やはり旨み成分自体が何らかの変化をすることを期待しているように思います。
私の文章、中々終わらないですね…。
あと、「水とアルコールの分子の結合」と、良くも悪くも「劣化」について書こうと
思っています。
ああ、長いな…、(その4)へ続きます…。