花粉症から寝違い(急性斜頸)、そして神経痛(頸部神経根症)へ

2016年03月22日 | 治療の話

最近の花粉の量はすごいですね(;´・ω・)

量と症状は関係ないといいますが、ところがどっこい、飛散する量が多ければ曝露する機会も頻回になりますからね。

休まる暇がないってもんです(-_-;)

花粉に言いたい。

俺の鼻に受粉しても鼻水しか出ないぞ、と。

いや、鼻かみ過ぎて鼻血もでるから血もでるか…

でもな!

花も咲かんし実もできんぞ!

もうほんと迷惑(+o+)

 

はい、愚痴はここまで。

今年は花粉症の方にはつらい年になりましたね。

こういう時には寝違え(急性斜頸)の相談が増えてきます。

寝違い(急性斜頸)とは、肩甲挙筋や胸鎖乳突筋(頚板状筋や斜角筋もダメージを受けてるケースが多い)などの痙攣による症状で、『あっ!やばい!!』と思った次の瞬間から借金がなくても首が回らなくなる、というシュールな故障。

この故障は『あっ!』っと思ったときの初期対応が重要です。

『あっ!』っとなった時に無理に動かさず、そっと『あっ!』っと思う前の姿勢に戻して落ち着くのを待つことです。

間違ってもそのままグイッと動かさないこと!

発症したら次善の策としてアイシングをしましょう。

痙攣は神経がパニックを起こして目いっぱい興奮した状況です。

なので、ガッツリ冷やすことで神経を眠らせ、上手くすれば痙攣を抑えることができます。

上手くしなくても過度の興奮をなだめることができ、症状を緩和することができます。

初っ端が大した痛みにならなかったケースでも

『あれれ?ストレッチすれば治るかな???』

なんてあっちこっちへ引っ張っているうちにとどんどん緊張が高まって、立派な寝違いになっちゃった…

なんてケースもよく聞きますから気を付けてくださいね(*_*;

 

この寝違え、発症後うかうかしているとすぐに筋膜炎に発展してしまうのが困りもの。

そうなると治癒までの期間が長くなります。

だいたい落ち着くのに2週間ほどを要するのは皆さんも経験上ご存知の方も多いでしょう?

 

で、この寝違えと花粉症がどう関連するのか?

この寝違い(急性斜頸)の痛みの主役と言える肩甲挙筋や胸鎖乳突筋は呼吸の補助をする筋肉でもあるんです。

鼻をすすったりくしゃみをしたりするとき、呼吸に関与する筋は補助筋も含めて総動員されます。

花粉症になると鼻はすすりっ放しのかみっ放しだし、くしゃみもしょっちゅうでてくるでしょう!?

鼻をすすると吸気に関与する筋肉が、鼻をかんだりくしゃみをするときには呼気に関与する筋肉が強力に使われます。

そんなことが頻回に、かつ長期間繰り返されるので、前出の補助筋たちは疲労困憊してしまい痙攣を起こしやすくなるというわけです。

なので、この時期は寝違えの相談が増えるんですね。(;´・ω・)

 

しかし、今年はちょっと症状が平年の上を行っているようです。

急性斜頸に加えて頚椎症性神経根症、つまり首から腕や背中に伸びる神経の故障=神経痛を起こしているケースが多い。

 

なんで頚の神経痛につながるのか、不思議に思われる方もいるかもしれませんが、

頚椎部から延びる神経が傷つく仕組みとその背景を知るとそう不思議なことでないことがお分かりいただけると思います。

 

くしゃみや鼻づまり(⇒鼻をかむ・鼻をすする)が続くせいで、呼吸の補助筋たちがカチカチに固まると

呼吸のための装置でもある「胸郭=あばら骨で囲まれた籠」を猫背の形で固定してしまいます。

背を丸め、首だけを振ってくしゃみをする。

背を丸め、首だけを反らせて鼻をすする。

でも、胸郭というフイゴは大きく動くことができない。

切れよく花粉交じりの鼻水を、のどの粘液を吐き出すことができない。

仕方ないので数で賄おうと頑張る。

呼吸筋はさらに疲労困憊して固まってゆく…という悪循環(ノД`)・゜・。

そして、この状況で「神経」のケーブルにとってまずいのが「動きを失った胸椎」と「動きの自由な頸椎」の境にテコがかかるようになることです。

動かない胸椎を支点に下位頚椎が可動限界一杯にガックンガックン振り回されることになるわけで、

この状況がつづくことでテコの支点に選ばれた関節が傷つき炎症に発展することがあるんです。

頸部椎間関節の炎症は、近くの組織にも波及してゆきます。

頚椎の椎間関節の近くには何があるのかと申しますと、腕や肩甲骨の間に枝を伸ばす神経があるんです。

なので、寝違いもひどくなると神経痛に発展してしまうことがあるんですね。

また、このシチュエーションでは過剰に動き続ける椎間関節自体に神経が傷つけられて「神経痛」を発症することもあります。

 

まとめると、

くしゃみ・鼻水

呼吸筋が疲労困憊

呼吸の補助筋が痙攣⇒寝違え

呼吸筋群の緊張亢進が胸郭を固定し、頸椎での過剰運動が誘発

頸部椎間関節の炎症(=神経根への科学的ストレス)

頸部椎間関節での神経根の圧迫(=神経根への物理的ストレス)

神経根のダメージとして「神経痛発症」

 

神経のダメージにまで発展してしまうと回復に時間がかかりますので、

この時期の寝違いは早め早めに治療の手を入れたいところです。

何はともあれ、心当たりのある方はお気を付け下さいね。

はやく花粉の時期が終わるといいですね(´;ω;`)


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