ランニングを考える「綺麗なフォームで走れば故障しない!?」

2012年11月01日 | 治療の話

誤解のないよう先に私の認識を書かせていただくと、

効率的な走り方は関節や筋への負担が少なく、

確かに故障のリスクは低いと思います。

なので、当然のように、効率的な走り方を模索することは大賛成です!

 

でも、走り方は悪くないのに故障する人っているんですよ。

 

その場合、何が悪いのかと申しますと…

 

 

上手く伝わるか心配ですが…

 

ズバリ!

「性格」!!!

 

 

いやいやいや

対人的な行動・思考パターンのことではなく、

 

「せっかちな性格」

 

がマイナスに作用しているという意味です。

 

くれぐれも誤解のなきようお願い致します(汗)

 

 

 

例えば

「長く走ると膝が痛くなるんです。」

「病院では問題ないって言われます。」

なんてケース、よくいらっしゃいます。

ほとんどのケースでは強い体癖(歪みといえば判りやすいかも)が

ランニングフォームを狂わせており、

そこから局所的に負担が集まる箇所ができたことで

故障に到っているものなのですが、

なかにはそうではないケースがあるんです。

 
私「あれ?歩容(歩きつき)も良いし、関節ごとの可動性も保たれてるのになぜ?」

と首をかしげるケースでは、過去数カ月の月間走行距離の経過を聞くようにしています。

こうしたケースでは多くの場合、急激に走る距離を伸ばしています。

 

そして、そうしたケースの患者さんの多くは運動経験者で心肺機能も比較的高く、

巧緻性(自分の身体をイメージ通りにコントロールする能力)も高い方だったりします。

そうした方は経験の浅いうちにもかかわらず、

ドンドン走行距離を伸ばして行っても、とんとん拍子で成績が挙がっていったりしているようです。

例えば、いきなりハーフマラソンの大会に出てみたら、

完走できただけでなく結構な順位に食い込めたなんて話も聞かれました。

しかし、いざフルマラソン!といった時点で「腸脛靭帯炎」発症!

本人いわく

心肺機能にも余裕があり、脚の筋肉が悲鳴を上げたわけでもない。

しかし、走れない程に関節が痛みだした

 

その後3~4日痛い目を見たものの痛みは治まり、ランニング再開。

しかし、5~6キロ走ると再発し、休むと痛みは引けるが走るとやはり痛みが出てきての繰り返し…

 

こんなストーリー、よく聞かれます

 

心肺機能的にもゆとりはあった。

筋持久力的にもゆとりがあった。

ランニングフォームも悪くない。※

※普通はフォームの問題が多いものです。

先に挙げた体癖によって思い通りに動けていないケースでは、

治療による効果が得られやすいものです。

あ、でも、体癖ではなく「走り方のイメージ」が悪いケースもあります。

こうしたケースでは、コンディショニングで

「効率的なカラダの使い方」

を練習していただくことで問題の解決をしています。 

 

しかし、関節が痛くて走れない。

 

祖は何ぞや? 

 

それはどうやら、カラダの構造が耐えられなかったという事のようです。

これらの相談で問題としてあがる組織は、だいたい「靭帯」や「腱」です。

 

これらの組織はコラーゲンという繊維で編まれています。

コラーゲンでできた靭帯や腱も鍛えると強くなります。

でも、筋肉よりも負荷へ適応するスピード(回復のスピード)は遅いんです。

 

物質には物理的なストレスに対する「耐久限度」というものがありまして、

これは身体の組織も然りなんです。

当然のことながら関節を支えている「靭帯」や筋肉の先に続く「腱」にも「耐久限度」があるわけです。

 

つまり先のケースでは、確かに効率的な走り方だったが、

長っが~~~~く続く負荷に耐える準備が腱や靭帯の組織にできていなかった

ということが考えられるのです。

 

きっと運動経験があったため、身体をコントロールする神経系の働きがよかったのでしょう。

ちょくちょく娯楽としてスポーツを愉しむ習慣があったから、

心肺機能や瞬発的な筋力は保たれていたのでしょう。

 

しかし、特定の靭帯や腱に数時間という長時間負荷が繰り返しかかりつづける事に対する

耐久力はそうした環境に徐々に馴らしてゆかなければつきません。

 

どんな競技もそうですが、競技の特性に合った身体を

段階を踏んで徐々に身体を作る必要があるんです。

 

そうしたケースだけではなく、フォームの崩れを認めるケースでも、

走ることで脚を痛めてしまい再発を繰り返す患者さんに

私はこんなアドバイスをすることで回復に導いています。

 

「走っていて、違和感や痛みが感じられたら、

脚の軸を合わせるエクササイズ(※後述)を行いましょう。

そして、エクササイズによって痛みが消えるなら続けて走っても結構です。

でも、すぐにぶり返したり、痛み(違和感)が消えないようならば、

他が元気でもその日はそこまでにして下さい。」

 

と、こんな感じです。

※ケースバイケースですが多くの場合、

脛腓関節の「運動併用モビリゼーション」という技法をお伝えすることが多いです。

脛腓関節の操作の動画はコチラ : その1 その2 

 

なぜ痛みや違和感が消えなければランニングを中止するのでしょう?

それは、痛めた組織が本来の耐久性を取り戻せていない

(もしくはそもそも持ち合わせていなかったが故障により更に耐久性が弱まっっている)

からです。

怪我なく走るには、傷付いた組織を再び徐々に強くして行かなければなりません。

それにはその組織が耐えられる限度を超えてはいけません。

身体を鍛えるには「オーバーロードの法則」といって

徐々に負荷を挙げてゆくというルールがあるのです。

ほら、植物を早く育てたいと水をやり過ぎれば根腐れしてしまうでしょう。

過度な運動負荷はダメージとなってしまうのです。

 

そして話はこう続きます。

「違和感や痛みが出るまでの時間と距離を記録しましょう。

回復している場合は異常が出るまでの時間と距離がどんどん先延ばしになって行きます。

しかし、ダメージとなって悪化している場合では、異常が出るまでの時間と距離はどんどん短くなってゆきます。

もし、そうした傾向が現れたら、走る距離を減らしましょう。」

 

それから、故障してしまった場合では特に「毎日走らない」事も大切です。

 

先に説明した通り、靭帯や腱は筋肉よりも回復が遅いのです。

なのでインターバルも多く必要になるのです。

腱や靭帯の強化を目的としている場合、

インターバルとして二日空けるようにお願いしています。

 

 

それから…

 

お、日付が変わりそうだ(汗)

 

続きはまた後日。

お休みなさ~いZZz


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