雨降って…

2011年02月18日 | 治療の話
先日、ある選手から試合直前の故障の相談を受けました。

かなりシビアな状態でしたが

その「ある選手」からは治療後に

「傷める前より調子いい!」

なんて声が聞かれまして、

試合に向けて帳尻が合った感じで

ホッと胸をなでおろしたりおろさなかったり、

なんてことがありました。

そこだけ切り取るとただの「自慢」になってしまうのですが

この結果、じつは選手自身が紡ぎだしたもののようなのです。

この選手、なんでも痛い間も

「痛くなく、それでいてきちんとしたフォームで動く」

ことを繰り返していたとのこと。

この「痛くなく」というのがミソですね。

多くは「痛みを乗り越えて!」と考えて

傷口に塩を塗ってしまうことになることが多いものです。

何を隠そう私もその口でした。

結果的に待っているのは「破滅」の二文字でしたが…

この選手の試みは結果としてより効率的な運動を獲得する糧となったようです。

と申しますのも、

カラダを動かすのは筋肉ですが、筋肉をコントロールするのは神経です。

この場合、痛めていても痛みなく、しかも正しく動くことで

より精度の高い正確なフォームを、すなわち神経によるコントロールを

紡ぎあげることにつながったのだと思われます。

だってほら!

チョッとの無理でも「痛ってーーーーーー!!!」ってなっちゃう状況ですからね。

普段普通にできていた動きもまるで綱渡りです。

チョッとでも本来の動きから外れた動きをしようものなら

綱から地面にまっさかさまです。

これはとても難易度の高い「神経系のトレーニング」です。

これは非常に錬度の高い選手だから成し得たことかもしれません。


こういうのは

「雨降って地固まる」

って言うのでしょうか!?


ン!?

違う?

ま、よく分かりませんが

試合直前にコンディションを崩すなんてアクシデントは

基本的には無いに越したことはありません。

しかし、無事に乗り越えられ、仕上がりも結果的に

より良いものでったとあれば

このケガも「意味ある経験」であったということになるでしょう。


いや、選手自身が「意味ある経験」に「した」んですね。

いや、素晴らしい!


とにかく、

良いコンディションで、全力を試合にぶつけていただきたいと思います。

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