豊川高校探Q部

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サマーセミナー 講座「これからの教育を考える」

2017-09-01 18:24:30 | 探Q活動
サマーセミナー7/17 2限目 変わりゆく教育を主体者として考えようということで、豊川市立国府小学校の川合賢典先生を招いて「これからの教育を考える」という講座を開きました。

参加者は、私たち探Q部員と一般市民の皆さん。中学生も参加してくれました。幅広い年齢層が集まって、授業が行われました。
「今、小学校では「英語」の授業が行われています。なぜでしょうか?」

 川合先生の授業は気が抜けません。どんどん質問してきます。
「2019年 ラグビーワールドカップ 2020年 東京オリンピック と国際的な大イベントが立て続けに日本で開催されます。外国から多くの人が訪れます。何人ぐらいだと思いますか?」
 ほら、すぐに質問。しかも、答えるまで傍にいます。


 どうやら、英語教育の前倒しは、この国際的なイベントのためのようです。オリンピックは約2週間で、820万人が日本に来ると言われています。
 ラグビーワールドカップは、オリンピックほどの観客動員はありませんが、約40日開催されます。日本に多くの外国人が滞在することが予想されます。
 そう考えると、教育行政と社会の動きは無関係でないことが分かります。

 つづいて、道徳が教科化されることに話題が移ります。
「道徳って、どんなイメージ?」
 またもや質問モードにチェンジ!
「大人の価値観を押し付ける授業」「面白くない」
 自棄になったのか、我が部員たちも歯に衣着せぬ意見をバンバン言うようになっています。

 川合先生は顔色を少しも変えず、「たしかに、そうだよね。あらかじめ用意された答え、良い子の像が決まっていて、それに合わせて答えを作る。または先生がそんな感じの答えをまとめちゃうんだよね!
 それが今までの道徳。でも、本当にその答えが正しいのでしょうか?疑問に思うこともあるよね。良い子にふるまっても、現実はそんなうまくいかないことの方が良いなんてこともありますね」

 大きくうなずく参加者たち
 「だから、今、答えを決めないんです。先生が無理やり意見をまとめないんです。」と川合先生。

 「黄金の魚」というお話が載ったプリントが配られます。 
 あらすじ
 貧しい老漁師が海で黄金の魚を釣り上げます。黄金の魚が助けてくれたら3つの願いを叶えると言うので、漁師は助けてやります。
 欲のない漁師は家に帰り、老妻に欲しいものを聞きました。妻は「桶が欲しい」というので、漁師は黄金の魚にお願いします。
 家に帰ると、立派な桶がありました。次に老妻は「立派な家が欲しい」と言いました。漁師は魚に頼みます。帰ると、みすぼらしい家は消え、立派なお屋敷になっていました。
 老妻は「海の王様にして欲しい」と言い出しました。
 漁師は少し悲しそうな顔をして、黄金の魚に何かを頼みました。魚は沖の方に泳いでいき、二度と姿を現しませんでした。
 家に帰ると、老妻も家も元の通りに戻っていました。

 川合先生から質問「おじいさんは、黄金の魚になんと言ったのでしょうか」
 すっかり川合先生のペースにはまった受講生たちは指名されるとすぐになにかしら答えます。

 すると、スクリーンに小学校の黒板が映し出されます。
 黒板びっしりに子どもたちの意見が書かれています。
 「これっ、私が誘導したわけじゃないんです。小学生は『おばあさんを元に戻して』や『おばあさんに言われた通りして、魚に嫌われた』など、いろんな意見が
  出ました。それをみんなで話し合っていくんです。すると、意見がどんどん変わっていくんです。『そっちの方がイイ』や『あの子の意見のこういう部分がイイ』というふうに。そして、『おばあさんを元に戻して』
  という意見にまとまりました。『おばあさんを元に戻して』と『おばあさんの言う通りにする』は、どちらも正解としても良いことです。もし『元に戻して』を正解として、誘導したら、今までの道徳と変わりません。
  いろんな意見を出し合って、子どもたちなりの考えをまとめることができるんです」

つづいて「いのちをいただく」というお話を挿絵を映しながら、語っていきます。
 (あらすじじゃなく、そのまま載せます)

坂本さんは、食肉加工センターに勤めています。牛を殺して、お肉にする仕事です。
坂本さんはこの仕事がずっといやでした。牛を殺す人がいなければ、牛の肉はだれも食べられません。

だから、大切な仕事だということは分かっています。
でも、殺される牛と目が合うたびに、仕事がいやになるのです。

「いつかやめよう、いつかやめよう」と思いながら仕事をしていました。

ある日、一日の仕事を終えた坂本さんが事務所で休んでいると、一台のトラックが食肉加工センターの門をくぐってきました。
荷台には、明日、殺される予定の牛が積まれていました。
坂本さんが「明日の牛ばいねぇ…」と思って見ていると、助手席から十歳くらいの女の子が飛び降りてきました。
そして、そのままトラックの荷台に上がっていきました。

坂本さんは「危なかねぇ…」と思って見ていましたが、しばらくたっても降りてこないので、
心配になってトラックに近づいてみました。
すると、女の子が牛に話しかけている声が聞こえてきました。
「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ…」
「みいちゃんが肉にならんとお正月が来んて、じいちゃんの言わすけん、
 みいちゃんば売らんとみんなが暮らせんけん。ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ…」
そう言いながら、一生懸命に牛のお腹をさすっていました。

坂本さんは「見なきゃよかった」と思いました。
トラックの運転席から女の子のおじいちゃんが降りてきて、坂本さんに頭を下げました。

「坂本さん、みいちゃんは、この子と一緒に育ちました。だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。
ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉も、クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、よろしくお願いします」

坂本さんは、「この仕事はやめよう。もうできん」と思いました。

そして思いついたのが、明日の仕事を休むことでした。
坂本さんは、家に帰り、みいちゃんと女の子のことをしのぶ君に話しました。
「お父さんは、みいちゃんを殺すことはできんけん、明日は仕事を休もうと思っとる…」
そう言うと、しのぶ君は「ふ~ん…」と言ってしばらく黙った後、テレビに目を移しました。

その夜、いつものように坂本さんは、しのぶ君と一緒にお風呂に入りました。
しのぶ君は坂本さんの背中を流しながら言いました。
「お父さん、やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。心の無か人がしたら、牛が苦しむけん。お父さんがしてやんなっせ」

坂本さんは黙って聞いていましたが、それでも決心は変わりませんでした。

朝、坂本さんは、しのぶ君が小学校に出かけるのを待っていました。
「行ってくるけん!」元気な声と扉を開ける音がしました。
その直後、玄関がまた開いて
「お父さん、今日は行かなんよ!わかった?」としのぶ君が叫んでいます。
坂本さんは思わず、「おう、わかった」と答えてしまいました。
その声を聞くとしのぶ君は「行ってきまーす!」と走って学校に向かいました。

「あ~あ、子どもと約束したけん、行かなねぇ」とお母さん。
坂本さんは、渋い顔をしながら、仕事へと出かけました。会社に着いても気が重くてしかたがありませんでした。

少し早く着いたのでみいちゃんをそっと見に行きました。
牛舎に入ると、みいちゃんは、他の牛がするように角を下げて、坂本さんを威嚇するようなポーズをとりました。
坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと、最初は威嚇していたみいちゃんも、
しだいに坂本さんの手をくんくんと嗅ぐようになりました。

坂本さんが、
「みいちゃん、ごめんよう。みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん。ごめんよう…」
と言うと、みいちゃんは、坂本さんに首をこすり付けてきました。
それから、坂本さんは、女の子がしていたようにお腹をさすりながら、
「みいちゃん、じっとしとけよ。動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、じっとしとけよ。じっとしとけよ」と言い聞かせました。

牛を殺し解体する、その時が来ました。
坂本さんが、
「じっとしとけよ、みいちゃんじっとしとけよ」と言うと、
みいちゃんは、ちょっとも動きませんでした。
その時、みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきました。
坂本さんは、牛が泣くのを初めて見ました。
そして、坂本さんが、ピストルのような道具を頭に当てると、みいちゃんは崩れるように倒れ、
少しも動くことはありませんでした。
普通は、牛が何かを察して頭を振るので、急所から少しずれることがよくあり、倒れた後に大暴れするそうです。
次の日、おじいちゃんが食肉加工センターにやって来て、坂本さんにしみじみとこう言いました。
「坂本さんありがとうございました。昨日、あの肉は少しもらって帰って、みんなで食べました。孫は泣いて食べませんでしたが、
『みいちゃんのおかげでみんなが暮らせるとぞ。食べてやれ。みいちゃんにありがとうと言うて食べてやらな、みいちゃんがかわいそうかろ?食べてやんなっせ。』って言うたら、
孫は泣きながら、『みいちゃんいただきます。おいしかぁ、おいしかぁ。』て言うて食べました。
ありがとうございました」

坂本さんは、もう少しこの仕事を続けようと思いました。

 こういう道徳が行われるならば、小学校で授業受けてみたいと参加者がみんな思ったと思います。
 参加した部員たちも皆、「あんな授業なら受けたい」と言っていました。

 道徳が教科化されますが、評価は総合評価です。決して5段階ではありません。

 アクティブラーニングを積極的に取り入れた小学校の道徳。これを目の当たりにすると、高校の授業はまだまだだと思います。
 こういう動きが、高大接続改革を進める下支えとなっているのでしょう。

 
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