ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

”アイスまんじゅう”が恋しい季節とオープンキャンパス

2013年06月22日 | 高等教育

 今日の三重県亀山市は夏の暑さが戻ってきました。この前の日曜日(6月16日)に食べた”アイスまんじゅう”が恋しくなってきます。ネットで調べてみると、”アイスまんじゅう”は昭和20年代から造られているらしく、今でも全国各地で造られで販売されていますね。三重県桑名市では名物にもなっており、昭和25年から造り続けているお店がありますね。つまり、僕が生まれた年から造り続けているということ。僕が1週間前に食べたのは、鈴鹿市にある中野製餅店というお店の”アイスまんじゅう”です(写真)。このあたりでは、このお店の”アイスまんじゅう”は、けっこう有名なんです。

 この”アイスまんじゅう”をどこで食べたかというと、鈴鹿医療科学大学のキャンパス内です。16日は鈴鹿医療科学大の今年度第1回目のオープンキャンパスで、僕も新学長として初めて参加したんです。来学者のみなさんには、学食での昼食券とアイスの引換券が配られるのですが、僕もその券をいただいて、”アイスまんじゅう”をいただいたというわけです。

 この日は、前日までの雨とうってかわって快晴で、真夏の暑さだったので、”アイスまんじゅう”はとってもおいしく感じました。それで、千代崎キャンパスで1個いただいたのですが、白子キャンパスでも、もう1個いただいてしまいました。

 さて、鈴鹿医療科学大学の今回の関心事は、なんといっても来年4月開設予定の看護学部(定員80)のオープンキャンパスにどれだけ高校生が集まるのかということでした。鈴鹿医療科学大は、看護学部の設置を、認可ではなく届出で書類を提出しています。まだ、正式の許可はおりておらず、学生募集はできないのですが、開設予定ということで広報をすることは許されているんですね。従来、新しく開設する大学や学部は、国の認可スケジュールの関係上、既存の大学よりも、かなり遅れて学生募集を始めることになるので、もし広報や通知すらもできないとなると、新しい学部や大学がうまくいくかどうかを決定づける初年次の学生募集に大きな支障が出てしまいます。

 そういえば、去年の11月は、当時の田中真紀子前文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆して3大学の設置認可を認めないと発言して、大きな混乱が起きましたね。設置認可には、カリキュラムや教員の確保、建物はもちろん確保されていないといけませんし、医療系の大学だと、何年か先の実習先の病院もすべて確保できていないといけないなど、その準備にはたいへんなものがあります。膨大な書類を提出し、準備万端整えて、オープンキャンパスなどの広報活動をやって、あとは正式の認可を待つだけという段階で、突然認めないという話になったのですから、大学側も、進学を希望していた生徒たちも、ほんとうにたまったものではなかったでしょうね。

 この田中前大臣の一件のあと、大学の設置認可の審査はより厳正化され、鈴鹿医療科学大学の看護学部は認可ではなく届け出による設置だったのですが、市場調査の結果の提出を求められることになりました。もちろん、市場調査の結果は、入口も出口も十分に需要が大きいという結果でした。

 しかしながら、市場調査でOKという結果でも、実際にたくさんの志願者があるのかどうかということは、やはり気になりますね。そして、第1回目のオープンキャンパスの来場者数は、必ずしも志願者数と一致しない面もあるとはいえ、学長としては気になるものです。

 果たして、どうだったのでしょうか?

 僕は、大学につくなり、まず最初に看護学部の説明会の会場に向かいました。会場はほぼ満員。大学事務局長の村田さんが鈴鹿医療科学大学全体の説明をしていました。看護学部の開設で、医学部以外の医療系専門職養成の学科やコースがひと通り揃うこと。そして、医療系の”総合大学”としての強みを生かして、他の大学では実施困難な教育を提供しようとしていること。具体的には来年度の1年生から”医療人底力実践”という新しいカリキュラムが開始すること。これは、専門の異なる各学科の学生さんを完全に混ぜた形のグループを作って、現代の医療サービスのキーワードとなっている”チーム医療”に必要な医療人としての”底力”を涵養しようとする、たいへん意欲的な取り組みなんです。

 

 この日、最終的に看護学部の説明会に参加した人数は約100人ということで、まずまずの手ごたえだったのではないかと思っています。

 他の学部・学科の説明会もひと通り回ってみました。各学科によって増減があるようでしたが、おしなべるとほぼ前年度並みとのことでした。下の写真は理学療法学科の説明会の一風景です。講師の浅田啓嗣さんが、運動学について説明をしているところなんです。


 白衣を着ているのは、理学療法学科2年生の学生さん。僕が救急医学概論を教えている学生さんですね。オープンキャンパスには、多くの学生さんにもご協力をいただいています。先生方も、それを手伝っている学生さんも、ほんとに一生懸命、来学されたみなさんに説明し、接していました。まだ、僕が学長であると知らない学生も多くいると思われるのですが、来学者に配られる布袋を手にしている僕を学長とは気づかずに説明してくれる学生さんの対応はなかなかいい感じで、彼らは、将来医療人としてちゃんと患者さんに接することができるだろうと思われました。(自画自賛的ですが・・・)

 受付を担当している学生さんたちに聞くと、岩手からわざわざ来ていただいている方がいらっしゃるということで、この日は日曜日なのに、明日の学校に間に合うように三重県から帰っていただけるのかな、と心配していました。鈴大には全国区の学科があるんですね。

 学生たちが帰りがけの来学者にボールペンと冊子を渡しているので、僕にも頂戴と言ったら、少し怪訝な顔をして渡してくれました。学生たちが怪訝な顔をした理由がすぐにわかりました。それは、鈴鹿医療科学大学の入試の過去問集だったのです。

 鈴大の教職員の皆さん、学生さん、ほんとうにお疲れ様でした。

 第2回オープンキャンパスは7月13日(土)、第3回は8月17日(土)に予定されています。どれだけ多くの来場者に来ていただけるか、楽しみにしてますよ。まさに真夏の真っ最中なので、”アイスまんじゅう”も、きっとおいしいと思うよ。

 

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