静岡市立豊田中学校PTA blog

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4月度運営委員会 校長先生のお話

2018-04-05 | 本部運営
4月度運営委員会 校長先生のお話


清水第四中学校から今年4月1日の異動で豊田中学校に参りました高橋と申します。
よろしくお願いいたします。

教頭になった時から『同行(どうあん)』と題した便りを職員向けに出しています。
一般的にこの漢字は「どうこう」と読みますが、禅宗では「どうあん」と読みます。
禅宗では、師匠と弟子は向かい合いません。隣同士。隣同士で歩きながら学んでいく。
それを「どうあん」と言います。
比叡山延暦寺に曹洞宗を開いた道元禅師さんの言葉があり、
そこに「大切なことは書物に載っていません。歩いて学ぶことです。」と書いています。
それも「どうあん」です。
弟子とともに歩いていく、そういう思いでずっと『同行(どうあん)』を書き続けています。

先生方に4月4日に出す『同行(どうあん)』です。

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『同行(DOAN)』/平成30年4月4日発行


認め 褒め 励ます 指導


我が家の息子は小学生低学年の頃、肥満傾向にあり、体育が苦手だった。
特に鉄棒では、逆上がりが出来ずに苦しんだ。
負けず嫌いだった息子は、土日に小学校に行き、逆上がりの練習を続けた。
家内や私が付き合う時もあった。

彼の努力はやがて報われ、クラス最終ではあったけど、
逆上がりができるようになった。体育の時間。彼が鉄棒を握り、
身体をくるっと回転させた瞬間、担任の先生や級友から拍手が起こった。

それは感動的なシーンかと思いきや、実はそうではなかった。
息子は家に帰り、逆上がりが出来た喜びより、
級友たちの拍手が辛かったという話をした。
息子曰く、
「逆上がりが出来た順で言えば自分はビリなのに。
なぜとっくに逆上がりが出来ている友達が、ビリの自分に拍手をするのか」。
彼は納得がいかないという顔をした。

その時私は息子にこう言った。
「今日、皆が拍手をしたのは、逆上がりが出来たことに対してではなく、
君が苦手な鉄棒から逃げ出さず、最後まで努力を続けたことが
素晴らしいと感じたからだと思うよ」と。
息子は私の話を聴いて、大きく頷いた。
それなら納得がいくというような顔をして。
子どもを褒めることは難しい。その時改めてそう感じた。



豊田中学校 学校経営の方針に、
「生徒の良さを認め 自信がもてる生徒の育成」とある。
 結果だけでなく、子どもたちの努力の過程を褒めてあげられるような、
そんな1年にしてください。



文章:高橋 靖

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結果を褒めることは誰でもできると思います。
「県大会に出てえらかったね」など。
本当は、結果が素晴らしいことを褒めるのではなく、
例えば毎日3年間、廊下を一生懸命雑巾で拭きました、という子どもに対して、
あたたかい言葉をかけてあげられるような職員であってほしい、
と職員会でお願いをしました。
そして明日この『同行(どうあん)』を配ります。

子どもたちを大切にするという事はどういう事か、
1年を通じて2年を通じて学んでいきたいと思っております。
それも「どうあん」です。一緒に歩いていくという事です。
よろしくお願いいたします。




入力担当 冨永