今日は日本の映画史上に残る『男はつらいよ』で東洋医学の五行関係を考えてみようと思います。
主人公の車寅二郎は豪放磊落で人情味あふれる自然な人です。地方で仕事をしてるかなと思ったら、何の前触れもなくぷらっと柴又に帰ってきたり。そして決まって一騒動を起こして、身内やご近所さんを巻き込んでしまう。。ある回を境にして『男はつらいよ』の構成パターンはだいたい決まってきますが、毎回映画の最初のほうで必ずとらやの隣にある朝日印刷のたこ社長とケンカをします。たこ社長の茶化しを真に受けた寅さんの怒りの沸点が一気にカッとなってはじまるこのケンカは、毎回とても派手なものです。このカッとなりやすい性格は「怒」で、肝に属し東に位置します。
それまで笑いながら会話をしていた団欒が崩れ、ケンカという修羅場になりますが、このケンカの収束をつけるのが寅次郎の妹・さくらです。さくらは慌てて、そして悲しい顔をしておいちゃん、おばちゃん、たこ社長の間に入ろうとします。すると寅次郎は徐々に冷静さを取り戻して我にかえっていきます。寅次郎には寅次郎なりの言い分もあったのですが、ばつが悪くなり居場所をなくしてまた外に出てしまう。さくらはその兄を涙交じりに諌めつつ、出て行く兄を留めようとします。同じパターンと分かっていながらも、このさくらの切なく複雑な表情にぐぐっときてしまいます。このときのさくらは、感情でいえば「悲」です。「悲」は肺に属し、西に位置します。
この寅次郎とさくらの関係を五行で分析してみますと、西(金)が東(木)を制するという形になり、ぴったりと説明がつきます。東は木で、西は金でありますので、木の勢いを金がばっさりと切っていることになるのです。
このように東洋医学の視点で『男はつらいよ』を観てみると、意外な発見や、また違った楽しみがあるかもしれません。
本日は、その曹操と東洋医学の接点を見てみます。
曹操と関係する医家は三人います。