平和と人権、環境 資料 PT.1 アーカイブ

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市民が東芝川崎の実験用原子炉の再稼動に抗議、

2011-12-01 15:55:37 | 原発

11月28日 川崎市浮島の東芝実験用原子炉が運転再開、

市民が東芝原子力技術研究所で抗議行動。

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東芝、市民とは話し合わない

11月28日に臨界実験装置が3月11日以降はじめて実験再開された事に対して、急遽28日に猪股川崎市議、脱原発かわさき市民などが呼びかけ、30日午後東芝に抗議行動を行いました。28日の呼びかけで脱原発かわさき市民や、ツイッターなどの呼びかけで来られた川崎や横浜の市民の方々をあわせ20数名のみなさんが参加されました。

残念ながら、東芝は前もっての申し入れにもかかわらず、なんらの返答も無く、市民とは話し合わないなどとかたくなな姿勢を崩さず、最後は責任者全員が雲隠れ、抗議文の受け取りすら拒否という暴挙に出ました。

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暴力団や街宣右翼の来襲じゃあるまいし、市民の訪問に対してものものしい警備

正門では10名くらいの警備員が入口を固め入場を阻み、総務部の責任者や所長らは雲隠れ。抗議書を門内の受付に手渡そうとするが、警備員が妨害、 猪俣さんは、ハンドマイクで抗議書を読み上げ、入口の東芝の看板に抗議書を張り付ける。 

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これに対し警備員ははがすように要求、 最後は抗議書をはがして総務部に電話をし電話口で読み上げ、内容証明で送りつけることを宣言し、抗議のシュプレヒコールをして抗議行動を終えました。

◆ 詳しいレポートは 崔勝久さんのブログ オクロス「東芝に抗議に行きました」
http://www.oklos-che.com/2011/11/blog-post_30.html をご覧下さい。

写真はフォトページ: 「1130 東芝原子力技術研究所への抗議行動」
http://toyata.blog.ocn.ne.jp/photos/1130_/index.html をご覧下さい。

◆ 読売新聞、東京新聞、神奈川新聞の取材があり本日(12/1)の朝刊では各紙で報道されています。

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読売新聞12月1日記事

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神奈川新聞12月1日記事

12月1日 神奈川新聞
実験炉再稼働に抗議、川崎市民ら約20人が東芝工場訪れる

東芝(東京都港区)の原子力施設「東芝原子力技術研究所」(川崎市川崎区)が実験用原子炉を再稼働させたことを受け、市民有志約20人が30日、同研究所のある東芝浜川崎工場前で抗議活動を行った。市民らは抗議文の受け取りを迫ったが、東芝側は拒否した。

市や東芝によると、実験炉は臨界実験を行うもので1963年に稼働開始。最大熱出力は200ワット。東日本大震災後は停止していたが、定期検査が終了したことから、同社は市に対して運転再開を報告し、11月28日に再稼働させた。

抗議活動を行ったのは、市民団体「脱原発かわさき市民」のメンバーを中心とする川崎や横浜の市民ら。抗議文では、東京電力福島第1原発事故が収束していない中での再稼働に疑問を投げ掛けるとともに、市民への情報開示が不十分などと批判。ただちに廃炉とすることを要望した。

同工場正門前で、市民らは「原発やめろ」などと書かれたプラカードを掲示。警備員に工場内への立ち入りと抗議文の受け取りを拒否されたため、その場で文書を読み上げ、後日郵送することを決めた。同社広報室は、受け取らなかった理由を「しかるべき立場の者が不在だったため。郵送されるのであれば、内容を精査し適切に対応していく」と説明した。

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東京新聞12月1日記事

12月1日 東京新聞より
実験炉再稼働に抗議 市民20人、東芝研究所前で

東芝が原子力研究施設「東芝原子力技術研究所」の実験用原子炉を再稼働したことに対し、川崎市川崎区の同研究所前で三十日、市民約二十人が抗議活動を行った。研究所前では十一月二十八日にも、労働者団体などが再稼働に反対するデモを行っている。

今回の抗議活動に参加したのは、市議の猪股美恵氏(無所属)とその支持者のほか、脱原発を求める市民グループ「脱原発かわさき市民」のメンバーら。「東芝は実験をやめろ」「自然エネルギーへの転換を」などと書かれたプラカードを掲げて、同研究所がある同社の浜川崎工場前に集合。猪股氏は「福島第一原発の原子炉は東芝が建設した。事故責任を明確にしないままなぜ再稼働するのか」などと訴えた。一行は、実験炉を廃炉にすることなどを求めた抗議文を同研究所に届けようとしたが「担当者が不在」として拒まれた。

同研究所は二十八日、東日本大震災以来初めて運転し、同日中に再停止した。

東芝の実験炉につては、ウエブページ: 「今・川崎では」
http://blog.goo.ne.jp/toyataan/d/20111005  「川崎の研究用原子炉、大丈夫? 市民、隠せぬ不安」をご覧下さい

◆ 当日のその模様はIWJ神奈川2で実況中継されました。 
録画は 「IWJ KANAGAWA2 2011/11/30 13:55」
http://www.ustream.tv/recorded/18832326 でご覧になれます。

Youtube: 11月30日 「市民が川崎の東芝原子力技術研究所に抗議」
http://www.youtube.com/watch?v=89GDz-uOQX0

抗議文の内容

株式会社東芝 原子力技術研究所
所長 市川 長佳 様

2011年11月30日
川崎市議会議員
猪股 美恵
 
抗議文

「東芝原子力技術研究所の実験用原子炉」の再稼働を直ちに停止し、廃炉にせよ!

[3月4日に運転を停止した東芝原子力技術研究所の実験用原子炉が11月28
日にも再稼働]の新聞報道を読み、私達はまたもや怒りを感じました。
 何故、今、再稼働する必要があるのでしょうか。
 いまだ東芝が製造した福島第一原発の収束の見通しは立たず、その被害は福
島、全国、世界に拡散しています。
 事故により多くの自然は破壊され、人間も身体と精神を傷つけられました。
 回復のめどは全然たっていません。
 今日、世界はもとより、日本に住む多くの人々は、原子力に依存する社会か
らの脱却を強く望んでいます。
 私達は以下の理由から再稼働に反対し、直ちに廃炉とすることを強く要求し
ます。

1.東芝原子力技術研究所の実験炉がどのようなものか、何をしようとするのか、
     どこにも情報が開示されていません。
2.商業用原子炉の寿命は30年とされているなか、48年も経過した原子炉の安
     全性は全く無いと言えます。
3.最大出力が200Wという小さな炉であっても、また他の研究所などからの依
     頼などの理由や事情があれ、原子炉を稼動させるためには核燃料を備蓄しな
     ければならず、核廃棄物や核分裂生成物が生まれます。
4.立地場所は川崎臨海工業地帯で、対岸は羽田空港です。このため原子炉が事
     故を起さなくても、何らかの事故に巻き込まれる恐れも考えられます。原子
     炉による事故はこれ以上起こしてはなりません。
5.耐震は商業用の炉と同じと言いますが、これまでの耐震設計は見直されなけ
     ればならないのです。予想される東京湾を震源とする大地震が起きたらどう
     なるのでしょうか? 東京湾に面した研究炉を津波は襲わないと考えられ
     ているのでしょうか?
6.航空機事故は稼働してから現在までなかったからといって、今後もそうであ
     るということは決してありません。
7.貴社は事故を起した福島第一原発の製造メーカとしての責任を何ら取るこ
     となく、また事故の総括をすることもなく、原発を推進し、原発を他国に売
     ろうとしています。こうした方針の上での実験炉再稼働は、危険な原発を世
     界にばらまき、人権を損なうものでしかないのです。

核と人類は共存できません。もう、これ以上の原子力災害は必要ありません。

東芝の対応が良くわかります

(1)東芝側と猪股さんが電話でやりとりした内容

猪股さんは、10月29日、東芝側に抗議に行く、所長と合いたいと電話で通告。
東芝は30日の朝に返答すると答えました。
以下は、10月30日の午前中に東芝側と猪股さんが電話でやりとりした内容を含めた猪股さんの報告です。

9:30に東芝浜工場、総務担当 桜井氏より控室に電話があった。
桜「当社(東芝)としては、個別市民との話し合いはやらない方針です」
いの「個別というのは、1人のことですか。20人ならいいのですか」
桜「個別の定義はありません」
いの「東芝にそのような方針があるのなら、文書で示してください」
桜「川崎市からの申し入れもあり、できるだけHPで情報公開するよう検討します」
いの「11月28日再稼働して以降、止めたのですか」
桜「夜は稼働しないので、停止しています。今週中は稼働します」
いの「毎日、臨界まで能力をあげて、止めることを繰り返しているのですか」
桜「そうです」
いの「桜さんの上司は誰ですか」
桜「こせがわ課長です」
いの「課長か所長から、責任ある回答をを文書でください」
桜「情報公開にむけて努力します」
いの「私も議員として仕事を伺っていますので、責任ある回答でなければダメです」
桜「相談して電話します」

この会話が2時間続いた。最後に「今日2時にお会いしに伺います」と言って、電話をきる。

14:00 東芝浜工場門前。10人ほどのガードマンによる阻止。
電話で猪股が20人余の市民とともに会いに来たことを伝えた。

東芝「桜井はどこにいるか分かりません」
いの「行方不明ですか」
東芝「そういう訳ではありませんが、どこにいるか分かりません」
いの「課長さん、こせがわさんはおられますか」
東芝「課長もどこにいるか分かりません」
いの「所長はおられますか」
東芝「所長はここではなく、遠いところにいますので」
いの「連絡とってください」
東芝「連絡とれません」
いの「東芝は、日常的に責任者不在、あるいは責任者に連絡がとれない状況があるということですね」
東芝「そういう訳ではありません」
いの「危機管理に問題があると理解しました」
東芝「探してみますから、時間ください」

探しているあいだに、携えていった抗議文を読み上げた。再度電話したが、連絡がとれないとのこと。
門内の受付に抗議文を届けに行こうとしたが、ガードマンに阻止される。
抗議文を東芝門標に張り付けた。
東芝「器物破損にあたる。撤去してください」
抗議文を電話で読み上げるが、途中で切られる。
再度電話し、続きは内容証明で送ると言い置いた。

(2)鶴見区のAさんのメールを転載します:

本日(11月28日)午後東芝本社の総合案内に電話かけたところ、原子力事業部の部課長級の方が対応し、約30分ほど話しました。以下、やりとりの簡単なまとめです。1回目は4時ごろでその時は担当者がいない、また電話をとの対応。5時頃再度電話したところ、つながりました。

東芝の原子炉稼働は新たな原子力事業の開発のためのものだと思います。報道されているように、あのスリーマイル事故で30年間新規原子炉建設をしなかった米国の新たな原発建設に東芝が参入します。
以下、夕方東芝原子力事業部のかたとのやりとりです。

「福島は収束、原子力開発は進める」「国内で原発ができない以上輸出は企業として当然」・・・唖然。
A=私、T=東芝
①川崎市にある実験炉を稼働させるというがどういうことか。
対応者の名前を聞いたところ―ツイッタ―とかで個人名をだされるのは困るので、個人名は出していない。
A:どういう名称の部署か。
T:原子力事業部。本社にある。
A:役職は。部長とか課長のクラスか。
T:そうです。
A:実験炉稼働をなぜ今するのか。福島第1原発が収束もしていない。
T:我々のは原発ではない。研究用の実験炉。従来は川崎市に報告だけしていたが、今回は事故の件もあり、川崎市の方から、プレスリリースすると話があった。それにしたがったまで。今までも報告はしていたが、こういうような対応はなかった。稼働するといっても、使うときに動かし、終わればとめておく。いつも動いているわけではない。実験炉なので、200Wくらい。通常は0.5wくらい。核反応は起こすが、臨界はしない。熱も出ない。電気が切れれば止まる。文科省の管轄で、検査も済んでいて安全は確保されている。
市民から問い合わせがあればこういうように説明させていただく。従来、川崎市役所の方、市議の方も見に来ている。3.11以降も見に来られた。
A:実験というのは原発開発のためなのではないか。
T:それもふくめて以前から計画されたもの。開発のためだ。
A:いま福島が収束していない中で原発開発のための実験炉を動かすのは、市民のコンセンサスを得られるものではない。
T:収束してない?すでに政府はIAEAにSTEP2まで来たという報告書をあげている。温度も下がっている。
A:収束なんてしてないでしょう。原因究明もされていない。炉の中がどうなっているかもわからないし、第一近づけない。毎日何億ベクレルもの放射性物質が放出されている。これで収束しているのか。冷温停止とは閉じられた状態で言うこと。
T:・・・。冷温停止という考えはいまはしない。温度は測れているし、掌握している。放射能の状況は東電さんの問題。市民の方が不安を持たれているというのは承知している。しかし、開発までするなということではない。
A:収束も冷温停止もしない中で原子力開発そのものを進めるのはおかしい。中がどうなっているかは誰も分からない。

②米国の原発新設の機材を受注はいまの状況でなぜ行うのか。
A:そういう中でアメリカの新規原発開発に参入するのは問題だとおもう。
T:原発そのものを受注したのではなく、発電機の方、復水機を納入する。アメリカは安全と言っている。
A:日本国内ではもう原発は作れないから海外へ、というのはおかしい。危険なものを輸出するべきではない。
T:国内で作れないのだから海外というのは当然。アメリカは安全と言っている。
A:今までは安全と言っておいて、あれだけの事故を起こした。いま、原発をやめようという動きも政府の中にもある。それなのに推進していくのは許せない。廃棄物の処理はできない状況ではないか。
T:いやそれはちがう。最終処理はできるが、場所が決まっていないだけだ。
A:それもあるが、核廃棄物は処理方法が決まっていない。何万年も危険物を保管しなくてはならない。
T:場所の問題だ。

要は
・原子力開発のための実験炉再開は企業として当然の権利だ。
・政府がIAEAに報告書を出し、福島はすでに収束している。原発推進は企業として当然。
・原発は安全。
・日本国内で作れない以上、企業として海外で作るのは当然のこと。

あらためて、グローバル資本・大企業が儲けのためなら何でもあり、子どもたちや市民の健康など全く考えてないことを身をもって感じることができました。対応した人は、ある意味自信満々でいろいろと詳しく説明をしてきました。しかし、原子力は安全、福島は収束、問題になっている放射能問題は東電の問題、東芝とは関係ないという対応です。
ぜひ、抗議の声を上げて行くべきです。なお、この実験炉は川崎市川崎区にありますが、これを所轄する研究部署は横浜市磯子区にあると言っていました。

私が電話したのは 03-3457-4511 本社総合案内
ここに要件をいえば、原子力事業部につないでくれました。

(3) 約1週間後、東芝から「抗議文を受領した」との文書が

11月30日には雲隠れして門前払いをした東芝が12月6日付で原子力技術研究所所長名で抗議文を受領したとの文書を猪股市議に送付してきました。

その中で、東京電力福島第一原子力発電所における事故の一日も早い安定化と収束に寄与すべく、国や東京電力殿とも協力して今後とも最大限の努力を行っていく。 当該発電所の周辺における除染についても、効果的な除染方法の開発等に努力を傾注している。 NCAは、原子炉の安全性向上のための研究や炉心監視技術の開発に利用するものである。云々

その概要等について情報を開示するということで添付資料を添付してきました。

参考資料: 東芝臨界実験装置NCAについて 「nca.doc」をダウンロード

東芝は出力が小さいことを強調していますが、津波や川崎臨海部にあるという危険性については一切言及していません。なにより、福島原発事故の製造メーカーとしての責任をとらず、臆面もなく原発を推進し、 海外輸出を進めようとする態度は決して許されるものではありません。


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