富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

富山人のユートピア

2017年08月01日 | Weblog

富山人の経営者として、ベスト経営者は、稲垣晴彦さんである。彼が、今年の富山大学経済学部で行われた「経営学の現場」という講義の締めに、遂に、経営の究極の次元を述べた。「他人の不幸の上に、自己の幸福を築くべきでない」。改めて、ユートピアの夢を心に浮かべている、と。

これは、記録に値する。経営学の最新の理論による経営実務の面でも、可能な限りの達成をリーダーとして導いてこられた。2位、3位なしの1位の経営者である。「他人の不幸の上に、自己の幸福を築くべきでない」という心境は、仏教のシャカでも、間違いを犯した思想の修正である。シャカは、出家して、父母を悲しませた。孫を祖父母に見せられなかった。インド仏教には、原理に大きな限界がある。これを修正したのが、中国の仏教であるが、戒律のため、やはり出家し、女性を絶ち、孤独な修行の道を棄てなかった。日本では、親鸞聖人、日蓮聖人により在家の仏道の優位性が証明された。アジアの仏教が普及した地域で、在家の仏道修行が日常生活の管理と「知行合一」する仕組みを見出した時点で、日本は世界で最も優れた民族国家の道を歩んでいる。

アメリカの経営文化の典型であるコカ・コーラのビジネスから入り、遂に、北陸コカ・コーラを傘下の一企業とする独自の企業協同組織へと到達した。稲垣晴彦さんは、富山100年の逸材である。ワークの中から、その成果として、ライフが生まれる。職能の役割ごとに、分社をつくり、ワークに応じたライフを啓発する。

目の肥えた人なら、蓮如上人の北陸布教、これに次ぐ偉業である、と見えるはずだ。蓮如上人は、近江商人という日本の経済社会の主旋律を作詞・作曲していた。詳しくは、書かないが、彼のGRNホールディングスへの跳躍は、21世紀から22世紀の富山の主旋律となりうる。地上にユートピア(極楽浄土)をつくりえるのは、各自が自己のマネジメントを整備することからはじまる。

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